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「無精子症」と診断されました【38歳・膵臓壊死済み男の場合】

こないだ精液検査行ったんです。精液検査。そしたら医者のやつ「精子がありません」って言うんです。

新婚直後に「重症急性膵炎」でぶっ倒れて入院とリハビリで1年くらい棒に振ってようやく子作りと思ったら、無精子症、とか書いてあるんです。もうね、アホかと。馬鹿かと。

……などと古のインターネット構文が飛び出すくらい、私のキンタマから精子が飛び出していませんでした。こんにちは、膵無し種無しの2冠王です。本日は皆さんに真実をお伝えします。


酒の飲みすぎで膵臓が爆発。1冠に輝く

私の膵臓がおしまいになった経緯についてはこのnoteのメインコンテンツとして再三お伝えしておりますので、ここでは割愛します。簡単にまとめると、毎日黒霧島を飲んでこの世の苦しみからの解脱を目指していたら救急搬送されてちゃんと死にかけた上に膵臓の3分の2が壊死して一生禁酒になった、という事案です。詳細は以下マガジンなどをどうぞ。

一応スペックも書いておきます。2024年2月現在のもの。

たろちん(夫) 38歳。元アル中。膵臓なし。無精子症。
いみちん(妻) 35歳。自営業。不妊検査の結果は正常。

約1年の同棲を経て2022年7月に入籍。妻の年齢的なものもあり「そろそろ子どもを……」と本腰を入れかけた直後の2022年10月に私が腰どころか膵臓から崩れ落ち、大手術、大リハビリ、大退職を経て、気付いたら2023年末になっていました。

妻は結婚前から子どもが欲しいと言っていました。それが膵無し野郎のふざけたロスタイムで高齢出産とされる年齢まで待たされてしまい、さぞつらかったろうと思います。

私が日常生活に復帰してからも「内臓が無いぞう。本当に……」などとさまぁ~ずの悲しいダジャレのマネをして1人で停滞しているため、見かねて妊活検診を予約して一緒に連れて行ってくれたという流れです。

1度目の精液検査で精子発見されず

最初は2人で近隣のクリニックに妊活検診に行きました。事前に診察を受けていた妻が検査結果を聞きに行くのに合わせて、僕も家で採取した精液を持って行きました。精液はすぐダメになっちゃうので出して数時間、焼き立てのメロンパンくらいの鮮度じゃないと検査ができないのです。

すぐ検査結果を教えてくれるところもありますが、そのときは郵送で1~2週間後に結果が送られてきました。妻は卵子の数が少し多いけれど問題のないレベル。ひとまずよかったねー、などと言っていたら精液検査の欄に「0」が並んだ紙が届いてたまげました。

永遠の0

何千万とか億とかいるはずの精子がゼロて。ほんとに「こういうときどんな顔すればいいのかわからないの」ってなりました。笑えばいいっていうのであってる、シンジくん?

ここまでの話はラジオでもしました(精子の話は20分ごろから)

2回目の精液検査で正式に「無精子症」が確定

無精子症というのは2回検査をして2回とも精子確認できずとなった場合に正式な診断となります。ということでその後のいろんな治療のことも考えてより大きなクリニックで再検査に。

今回はいわゆる採精室 (メンズルーム)というのがあり、その場で精液を採って速攻で検査をしてくれます(後述)。家で採るときは1回受け皿に出してスポイトで採る方法だったんですが、こっちは滅菌のカップに直接ぶちまける形式でした。ご参考になれば幸いです。

結果はご承知の通り、やはりゼロ。正式に「無精子症」となり、膵無しとの2冠が確定しました。

「無精子症」でも精子自体はある可能性が、ある!

「無精子症」は男性の100人に1人はみられる症状だそうです。パチンコで言ったら甘デジなのでまあカジュアルに当たっても全然おかしくない。で、ここからが大事なのですが、無精子症といっても大きく2パターンがあります。

1つはそもそもキンタマ工場が精子を作れなくなっている「非閉塞性無精子症」です。もう1つは工場は精子を作っているんだけど通り道が詰まって精子が出てこれない「閉塞性無精子症」です。

ちなみに「非閉塞性」の場合もキンタマのごく一部では精子の生産を続けている場合があります。ほぼ絶滅危惧種だけど下町のおじいちゃん職人だけはまだベーゴマ作ってる、みたいな感じ。なので「無精子症=子作りは不可能」と直結するわけではない。

ただ、どちらの場合もキンタマに注射器とかメスを使って精子をほじくり出してくる手術(TESE、micro-TESEなど)が必要になります。また、仮にまともな精子があったとしても顕微授精となるため、ホルモン剤や排卵誘発剤の注射、採卵や移植手術など妻側の負担が非常に大きくなります。

ということで色々と考えないといけないことは多いんですが、まずはキンタマ工場がどないなっとんねん、ということを調べる必要があり、採血によるホルモン検査などをして現在はその結果待ちです。ホルモンの状態で精子ありそうかどうかとかある程度わかるらしい。

ちなみに鼠径部の手術などの影響で後天的に「閉塞性無精子症」になるケースは結構多いそうです。僕は重症急性膵炎の際に鼠径部近くまで炎症を起こしてるんですが、お医者さんは「腹膜炎の影響で精子の通り道が塞がっちゃうことがある」と言っていました。実際そのせいなのかはまだわかんないんですが、お笑い2冠王マヂカルラブリーが「R-1の優勝がなければM-1の優勝もなかった」と言っていたことに通じるものがありますね。

あと無精子症の検査ではお医者さんがキンタマを触って大きさや硬さなどから精子が作れてそうかをチェックするんですが、「睾丸のサイズは中の下なので閉塞性か非閉塞性かは今のところ五分五分」と言っていました。以下がその際のツイートです。

みんなも「精液検査」をしよう!

現状はこんな感じです。僕もまだこの件に関しては前向きとか後ろ向きというより、びっくりしてその場で硬直しているという感じが強いです。色々と調べたり考えたりしながら検査結果を待っています。とはいえせっかくの2冠王ですので、経過や考えなどをこのnoteに書き残し、同じような境遇の方のお役に立てればと思って書いてみることにしました(なぜか妻が一番このnoteを楽しみにしていました)。

あと不妊治療も近年は色々と保険適用になってきており、そのへんの状況はよくなってきているようです。条件などは細かくあるっぽいですが、東京では検査から人工授精までの助成金などもあり、精液検査は自費でも5000円前後とかでできるようです。男性のみなさんはちょっと珍しい個室ビデオに行くと思って一度やっておくことをおすすめします。

ということで以下は精液採取に関する細かい話です。別にもういいっちゃいいんですが、一応シコった話に該当するので有料にさせてください。

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おまけ:採精室でエロDVDを選んだ話

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