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上映時間7時間18分の映画「サタンタンゴ」がアマプラに入っているという現実から目を背けるな

読者の方からマシュマロ(後述)をいただいて思い出したんですが、「サタンタンゴ」がアマプラ見放題に入っています。

知らない人のために一言でいうと「バカみてえに長い映画」です。映画の具体的な内容については我々による以下の記事をどうぞ。

死ぬほど長いだけでなくめちゃくちゃテンポがスローリーなところに芸術性という名の睡魔を感じる名作です。単に長いだけの映画だと720時間(30日間)の映画とかもあるそうですが、サタンタンゴはギリギリ映画館で見切れるくらいの時間に設定してあるあたりに強い悪意を感じますね。褒めてます。

ブルーレイ発売、U-NEXT配信などを経てついにアマプラ堕ちを達成

友人と興味本位で観に行ったらその体験含めて面白かったので、それ以来折に触れて言及してるんですが、今年の10月についにアマプラ見放題にまでその魔の手を伸ばしてきました。1994年の作品で数年前まで日本では劇場公開もほぼされてなかったのにすごい出世しましたね。

とはいえ、早送りやスマホポチポチなどいくらでも逃げ場があるアマプラで横目に眺めてもサタンタンゴの本質は得られないだろう、とサタンタンゴ原理主義者の自分は思うのですが、「別にそんなもんの本質に迫りたくない」という皆さんの意見もまたごもっともです。僕はサタンタンゴかなり好きなんですが、それも「面白い体験」という意味合いが強くて「面白い映画」かと聞かれると、普通に「アベンジャーズ観た方が面白い」って言うと思います。

今思ったけど音楽におけるジョン・ケージの「4分33秒」(奏者が4分33秒間何にも演奏しないのを黙って見守るだけの曲)に近い芸術なのかもしれません。状態と解釈のアート。もうちょっとポップなものだと「レンタルなんもしない人」とかの思想にも通ずるものがあるかもしれない。

なのであんまり大真面目に向き合って崇拝するのもおすすめしませんが、ああいう映画見たことない人は5分ぐらいでも見てもらうと結構「マジ?」ってなるので、経験として再生してみてもいいと思います。適当に流しとくと「あれ、止まっちゃってる?」って思うことがよくあると思いますが、実は映像はずっと再生されていて遠くで人が永遠に歩き続けてたりします。手軽に覗ける深淵が今、アマプラにある。

鑑賞中、そういうことを絶対言いたくなるので意外と応援上映とかには向いてるのかもしれません。「もっと早く歩けー!」とかいう怒号が飛び交うサタンタンゴ上映会。機会があったらTwitchのウォッチパーティとかでやってみてもいいかもしれません。

以下、「サタンタンゴをアマプラでまた全部見た」というマシュマロへのお返事です。貴重な人体実験の記録。

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