「あざとくて何が悪いの?」企画の着想と狙い
4/17(金)23時15分からテレビ朝日にて企画・演出した「あざとくて何が悪いの?」の第2弾が放送されました。
初めてのnote投稿で、多くの好評の声を頂けたこの番組の着想から実現(放送)までを自分の記録用も兼ねてまとめてみたいと思います。
この企画はまず、「田中みな実は面白いなあ。この人のパワーを120%発揮できる(他の番組では見たことがない)企画って何だろうなあ」という着眼点から企画書制作がスタートしました。
そして実はもう一つ個人的な思いがありまして、それは「自分と同世代、もしくは若い人たちが見てくれる23時代でヒット企画を生み出したい」というディレクターとしての野心みたいなものです。
自分は“水曜19時“という、いわば”ゴールデンど真ん中“で「あいつ今何してる?」という番組を4年ほど前に立ち上げて、なんとかここまで終わらずにやってきました。この時間帯の”客層”は主にファミリー層(主に30〜40代の女性とその子供)と呼ばれる方々と、自分たちの親世代(50歳以上)がメインです。
少し考えればわかるコトですが、僕らの世代や大学生、20代は19時にはほぼ家にいません。でも、そんな人たちに響く番組を23時代で当ててこそテレビ演出家じゃないか!と思うわけで。
「19時と23時で当てる」これが「あいつ今」が深夜からゴールデンに昇格した2016年からの短・中期的な目標として設定されていたわけです。
で、「あざとくて〜」の話に戻すと、当時企画書を書こうと決めた2019年夏頃。自分が圧倒的ポテンシャルを感じていた田中みな実さんに何を掛け算すれば大きな化学反応が?という思考の流れで、まず「あざとい」というワードが最初に浮かびました。この観点で彼女に語らせて勝てる人間がいるのか?いない。
しかし、「あざとい女」を否定ベースで語る番組はよくある・・・だけども「あざとくて何が悪いのか?」可愛く、美しく、計算高く生きるコトは何も悪くない。
むしろ立派な処世術じゃないか。
で、それを正面切って説得力を持って言えるのは田中みな実しかない!で、そのマンパワーにどんなマンパワーを掛け算すれば、見たコトがない企画になるか?「今の弘中でしょ」とすぐに思いつき、「田中みな実さんと弘中を自由に遊ばせながらも手綱を握れるのは?」となり、「山里さんしかいないっしょ!」で各所に声をかけ、皆さん快諾していただけて、昨年9月に第1弾を放送しました。
そして3人の圧倒的なパワーによって、第1弾は自分の想像以上に話題になり、その後田中・弘中は何と好きな女性アナウンサーランキング1・2位にもなって、この番組を機に意気投合しちゃいました。
二人のある程度の緊張関係がこの番組の見どころでもあると思っていたので、「プライベートではそんなに仲良くしないで」と言いましたが、そんな緩い忠告ではあの二人を止めることができるわけがなく、第2弾ではさらに意気投合してます。
しかし、いざスタートメンバーの3人をキャスティングできてからまず共有したのは、「あざとさのシンプルな否定はステレオタイプである」ということと、「この3人であれば、あざとさを肯定しつつ、解説が出来るのではないか」という“企画の軸“です。
「あざといって狭すぎない?そんなにネタある?」みたいな声も少々頂きましたが、「狭いからこそ、そこに熱狂がある」と自分の感覚を強く信じつつ、「山里田中弘中であれば「あざとい」がテーマで1時間いけるだろう」と出演者の能力値へのベッドを決めました。そしてすぐに自分の周囲を含めた女性陣にアンケート調査をしてみました。
するとそこには「ここまで見てるのか」という人間観察のハイレベルなサンプルが宝の山のごとく潜んでいました。
第2弾でも入れ込んだ「飲み会で男のキャップをかぶり出す女」「全裸監督好きという女」「フォーク咥えたまま振り返る女」このアンケート1行だけでIPPONグランプリの大喜利かのようなパワーワードっぷりを勝手に感じ、興奮しました。
そんなパワーワードをどんな女性にどんなシチュエーションで、どんな会話の流れで言わせるか?そんな会議は「これで給料もらっていいんだっけ?」っていうほど楽しいものです。最終的に色々なパワーワードをパズルにして再現VTRの台本を書き上げて行きました。
そしてスタジオ。お気付きの方もいるとは思いますが、この番組の新しさは、まず田中みな実があざといVTRを見て、「これは私もやってる」「よくやります」と、「かわいい」という感情的肯定を超えた、“実践者の言葉”で肯定するというポイントです。
そしてそれに呼応するかのように後輩であり、また田中みな実とは違ったベクトルの“あざとさ”を持つ弘中が時に肯定し、時には田中みな実にすら臆せず「トイレから帰ってきて「ただいま」って言う必要あります?」と真顔で突っ込む。
そして絶対に忘れてはいけない男・山里亮太は、一見制御不能の二人の“圧倒的説得力を持ち合わせた実践者”の言葉を引き出すパスを無数に渡って繰り出します。この番組では、“テラスハウスの山里亮太“とは違う山里さんがいます。
この番組は、まず山里さんの「コレかわいい!これを素直にかわいいって思っちゃダメなの?」という価値基準のベース設定があってこそ、あの女帝二人の猛毒解説が活きてくるわけで…
もし誰か一人が欠けたら…そういう目線で見ていない方はテラサで是非もう一度見直してみてください。この3人でしか成立しないし、ここにさらに”イケメンでありながらあざとい男女両方の目線を持っている“という、まさにこの番組のために生まれてきた男・千葉雄大が逆オファーをかけてきたのですから…
そして最後に、この番組は同世代や若い人たちにぜひ見て欲しいです。恋愛や合コンに興味なくても、絶対に楽しめます。なぜならこれは、人の興味を引くにはどうしたらいいのか?という一種のコミュニケーション論であり、大喜利ショーであるからです。
だからこそ、みんなでzoomつなぎながら見るのも楽しいと思います。ぜひ。
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