No.048 ミステリクイズ
問題文
朝、私は背面黒板の下に白いチョークで書かれた謎の文章を見つけた。
ゆみぢほ
まえきざぬなすらきあどみてとうれ
ちにきらる
なんだこれ?
昼休み、食堂から戻ってくると先ほどの文章は消されていた。消されたところに新たな文章が書かれていた。
ちにきほ
をれうぎくらえひうたぎすう
いすちどううき
ゆみぢらる
筆跡は先ほどの文章と異なり、色も黄色のチョークで書かれていた。
このご時世に暗号なんて酔狂なことするなあ。
午後の体育の授業で教室に戻ってくるとまた文章は消され新たな文章が書かれていた。
ゆみぢほ
るらえきう
いすちはふれゆせむぬすらけばえどいかえ
ちにきらる
白いチョークで朝に見た文章の筆跡だ。
午後の授業が終わり、掃除の時間になる。音楽室の掃除が終わり、教室に戻るとまた新たな文章があった。
ちにきほ
るらえきうすち
ゆみぢらる
今度はまた黄色チョークだった。
ふ~ん、なるほどね。分かれば簡単だ。
私は荷物をまとめ、教室を後にした。
さて、この暗号を解読してみてください。
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ヒント
初歩的な暗号です。
4つの文章いずれも、最初の文章にちにきとゆみぢがあります。
また最初の文の最後はいつも「ほ」で終わっており、最後の文はいつも「らる」で終わっています。
ある特定の人に文章を書く時を想像すると分かるかもしれません。(例えば、Xさんだけに伝言伝えるとき、どんな文章にしますか?)
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解説
暗号はカエサル暗号で、文字を一文字下にずらした暗号でした。
最初の文と最後の文が解読の肝です。
最初の文の最後はいつも「ほ」で終わっており、最後の文はいつも「らる」で終わっています。
ここである一人の人物にメッセージを送ることを考えます。
(仮にXさんがYさんに伝言をするときを考えます)
このとき文章が誰宛なのか、誰からの文章なのか示す必要があります(背面黒板なので誰でも書くことができ、誰でも文章を見ることができます)。
なので、最初のぶんは「Yへ」が来ると予想でき、最後の文は「Xより」がくると予想できます。
その仮定を当てはめると「へ」→「ほ」、「より」→「らる」であり、どちらも一文字ずらしたものであると分かります。
暗号鍵が一文字ずらしだと仮定し、文章を解読すると正しいメッセージが得られます。
以下は暗号化前の正しいメッセージです。
やまだへ (山田へ)
ほうかごにとしよかんでまつている (放課後に図書館で待っている)
たなかより (田中より)
たなかへ (田中へ)
わるいがきようはいそがしい (悪いが今日は忙しい)
あしたでいいか (明日でいいか)
やまだより (山田より)
やまだへ (山田へ)
りよかい (了解)
あしたのひるやすみしよくどうであおう (明日の昼休み食堂で会おう)
たなかより (田中より)
たなかへ (田中へ)
りよかいした (了解した)
やまだより (山田より)