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「建設・不動産のデジタル化 〜FMBIMの活⽤〜」:その14 Ⅳ. FMBIM を支えるAI及び先進的分析技術


Ⅳ. FMBIM を支えるAI及び先進的分析技術

1. FMの評価・分析とは

1.1 FMBIMの将来性

FMは、企業が施設資産を効率的に管理し、無駄のない管理を促進するための手段だ。 建物は多くの資産で構成されており、完成後は徐々に劣化する。 このため、メンテナンスを行い、常に正常な状態に保つことが重要。 そのためには、資産の状態を把握し、評価し、予測することが重要なメカニズムのひとつ。そのため、FMは数理統計処理や人工知能を用いて膨大な量の情報を整理し状態の把握をする科学でもある。これに加えて、BIMによる位置情報、物的特性など必要な情報を加えることで、将来の活用可能性が大きく広がる。

ここで説明する内容は、「数理的統計処理」と「人工知能」を使用してFMデータを処理し、目的の結果を把握する方法について述べたい。


1.2 FMの評価・分析とは

企業は複数棟の施設を所有し、管理者は日々製造や業務を行っている施設を管理するには膨大な資産に対処しなければならない。管理した結果を事象ごとに分類し、良否の評価をし、将来の修繕や更新工事の段取りをしなければならない。そのためには、統計処理や人工知能を使ってどんな方法で対処するか、どれほどのコストがかかるか、最終的には施設の解体か新設か売却かなどの決断をしなければならない。

そのために、FMは様々な角度から施設や機器を検討し、結論が経営者にわかるように視覚化やグラフ化して具体的な提案までこぎつけなければならない活動ともいえる。


図 46 FMのデータと処理

1.3主なFM情報

第2章で述べたように、建物を管理する情報は、実際の情報とBIMなどの仮想情報を循環させる。 これらの両方の情報を使用して建物の効率と実際の状態を確認することで、建物の評価が決まる。 FMが扱う情報は多い。 主なものは以下の表にまとめた。 情報の種類は、検査や報告で出てくる情報、BIMから抽出した仮想情報、法や業界で合意したルールや単価などのライブラリー情報からなる。


図 47  Real情報, Virtual情報, FM library(Database)で扱う情報の種類

1.4 データの整理

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本書のタイトルを、あえて「建設・不動産のデジタル化〜FMBIMの活⽤〜」としたのは、建設・不動産の発注、所有、管理、経営の第⼀線にたつ多く…

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