白蛇の咳毒
普段はとても冷酷で殺気のない蛇。
まるで君のよう。
本当に血が通ってるのかと疑うぐらいに体も心も温度を感じない。
まるで白蛇のよう。
僕から見た君はこの世界で生きるには喉が詰まりそうなぐらい歯痒そう。
あの白蛇が大きな卵を丸呑みする時のようにきっと君も喉の奥で幸せを消化してる。
君の頭の中は蛇の毒のように体内が血で覆われている。
けれど白蛇も君も毒と血液がある一定の数値を超えると溢れ出す。
まるで結核の病人が血を、毒を吐くかのように。
吐き乱れる血や毒は熱で人の脳を溶かしていく。
その時に初めて君の温度、毒の殺気を感じる。
その毒や血は何も殺せない、何も色を染めることはできないのに。
今日も君が吐いた血は毒のように誰かの脳内を駆け巡っているのかもしれない。
その時に人は初めて
君の暖かさを感じる。
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