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忘れなさんな

いらない経験なんかないから、せいぜい自分が愛した人との記憶をかき集めて大事にしながら生きていきたい。その人が今自分とは程遠い場所で自分が知らない人に愛を語っていても、私がその人の視界に触れていたあの時間は消えやしない。消えてやるものか。

違う、そんなことを言いいたくてここにいるわけじゃない。けれど、どうしてもありきたりな考えと行動しかできないテンプレの自分がいる。こんなとき言葉を巧みに扱う友人が羨ましくなる。私が持たない感性で、私がもたない愛で、世界を見つめる君たちの目が眩しい。浅はかな自分が嫌になる。

もどかしさを感じる夜の時間だ。1人で立って、1人で決断して、1人で生きている気がしていても、私に絡みつく意図は解けることがない。生かされている感覚が根強く残る。「私は孤独だ」と語ることはこんな世界では許されない。無から私が生まれることはなくて、すべては影響の下で生まれている。自分に酔うことができても、冷静な自分がそこにいる。楽しいか?こんな風に戯言を零して、醜態をさらして。

(いつぞやの酔っ払いの文)

写真はキャンプ場にいた白鳥

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