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デジタルって何だろう?

こんにちは、みーきちです。

今日は、デジタルについてのお話です。

みなさんは「デジタル」という言葉に、どのような印象を持っているでしょうか。

なんとなく「アナログ」の次に登場してきた「新しいモノ」をイメージされるかもしれません。

デジタルを英訳すると「digital」です。

「digital」のもとは「digit」です。

「digit」の語源を調べると「手足の指」という、意外なモノにたどり着きます。

「手足の指」。

全然新しいイメージではありません。

諸説ありますが「手足の指」で「数えられるモノ」、例えば、数字や、人の細胞内にあるDNA、「私の妻が数えられないほど私を怒った回数」は「デジタル」です。

アナログ(analog)の語源も諸説ありますが「手足の指」で「数えられないモノ」、例えば地震計に記録された地震波や「妻が私を怒鳴りつける時の声の波形」は「アナログ」です。

よく「私はアナログ人間だから…」という人がいらっしゃいますが、私から見ると「この人は手足の指で数えられない人なのかな?幽霊かな?」と思って心の中で笑ってしまいます(ゴメンナサイ)。

逆に「君はデジタル人間だなぁ」という人もいらっしゃいますが、私から見ると「あの人は手足の指で数えられるんだ!なんだ普通じゃん!」と思って、やっぱり心の中で笑ってしまいます(ゴメンナサイ)。

もちろん、上記はそれぞれ「アナログ=古い」「デジタル=新しい」という意味で使われているのですが、語源をたどると、全く違う意味を持っていて、個人的に面白いです。

さて、ではなぜ、最近の身の回りのモノ(スマホ、パソコン、テレビなど)は「デジタル家電」と呼ばれているのでしょうか?

答えは簡単、これらの家電は「手足の指」で「数えられるモノ」である「数字」を使っているからです。

それも、使っている数字は「0」と「1」のたった2つです。

多分、以降の話は大勢の方がご存じだと思いますが、気にせず進めます笑

昔、外国の天才科学者であるシャノンというオジサンが、あることに気づきました。

「スイッチ」の「ON」と「OFF」を使うと、2通りの状態が表現できる。

個人的には大発明だと思うのですが、多分、当時の民衆は「ハァ?」という感想を持ったと思います。

スイッチの「ON」「OFF」を使った例として「リビングの電灯」が挙げられます。

スイッチが「ON」 ・・・リビングの電灯がついた状態

スイッチが「OFF」・・・リビングの電灯が消えた状態

当たり前と言えば当たり前なのですが、シャノンさんの凄いところはここからです。

スイッチを2つ組み合わせると、4通りの状態が表現できる。

シャノンさんは、「ON」と「OFF」のスイッチを2つ組み合わせるという、一見簡単そうな方法で、4通りの情報を表現することに成功しました。

スイッチ1「OFF」 スイッチ2「OFF」・・・状態1

スイッチ1「OFF」  スイッチ2「ON」・・・状態2

スイッチ1「ON」 スイッチ2「OFF」 ・・・状態3

スイッチ1「ON」  スイッチ2「ON」 ・・・状態4

ここまできて、シャノンさんは、あることに気づきました。

あれ、たくさんのスイッチをつなげたら、すごいことになるんじゃね?

今日までの私たちの生活に絶大な影響を与えている「情報理論」の基礎が生まれた瞬間です。

実際に、たくさんのスイッチをつなげてみましょう。

スイッチを「1つ」使用 ⇒ 「2つの状態」を表現

スイッチを「2つ」使用 ⇒ 「4つの状態」を表現(2の2乗)

スイッチを「3つ」使用 ⇒ 「8つの状態」を表現(2の3乗)

スイッチを「4つ」使用 ⇒ 「16の状態」を表現(2の4乗)

・・・

スイッチを「64個」使用(いわゆる64bit)

⇒ 「18,446,744,073,709,551,616の状態」を表現(2の64乗)!!

これだけの状態が表現できれば、なんだか色々なことが出来そうです。

例えば文字。

英文字は、記号も含めて「8つのスイッチの組み合わせ」で表現できます。

2の8乗 = 256(種類)

日本語は、漢字も含めて「16個のスイッチの組み合わせ」で表現できます。

2の16乗 = 65,536(種類)

次に色。

例えば、24bitカラーは「24個のスイッチの組み合わせ」で表現できます。

2の24乗 = 16,777,216(色)

たった24個のスイッチで表現できる色は、約1678万色!!すごいですね。

しかし、ここで問題が。

シャノンさんが研究していた頃、実験に使っていたのは、指でカチカチできる大きさのスイッチです。

つまり、何個も何個もスイッチをつなげては、スイッチを1つずつ指で「カチカチカチカチカチカチ・・・あぁっ!!(発狂)」とやっていたワケです(多分)。

ここからは、産業の出番です。

詳細は省きますが、シャノンさんは、スイッチの組み合わせで、数字の計算が出来ることも証明しました(ただし、本件に関しては日本人の中嶋章さんが先に論文を発表したという記録が残っているようです)。

そんな中、世界は第二次世界大戦に突入していきます。

攻撃用の砲弾を正確に飛ばすため、また、原子爆弾や水素爆弾の開発を急ぐために、早くて正確な計算をしたかったアメリカ合衆国は、スイッチを組み合わせて、巨大なコンピュータ「ENIAC(エニアック)」を作り上げました。

私たちの身近にあるコンピュータの基礎が、戦争によって発達したことは、何とも言えない気分ですが、様々な産業が、戦争によって発展してきたことは事実です。

戦争も終わり、産業が発展するにつれて、シャノンさんがカチカチしていたスイッチは、小さく、速く、そして効率的に動作するようになっていきました。

そして今日。私たちの周りには、デジタル家電(スマホ、パソコン、テレビなど)があふれています。

そうです。

私たちが良く知るデジタル家電は、目に見えないスイッチのかたまりです。

スマホ、パソコン、テレビなどのデジタル家電は、スイッチの「ON」と「OFF」の代わりに「0」と「1」というデジタル信号を使って、通信をしています。

私たちがスマホでYouTubeの動画を見ている裏側で、スマホは一生懸命YouTubeのサーバから膨大な数の「0」と「1」のデジタル信号をダウンロードし、スマホ内の目に見えない高速スイッチで計算、「0」と「1」の情報を組み立てて、動画(=たくさんの画像を使ったパラパラ漫画に音声を加えたもの)を再生しています。

あなたが今、目にしているこの文章も、noteのサーバから送られた「0」と「1」の信号を、あなたが手にしているスマホやパソコンの中に内蔵されているスイッチが頑張って組み立てたものです。

たまに、スマホやパソコンが熱を持つことがあります。

そんな時は、スマホやパソコンを冷まして、軽くなでてあげてください。

デジタル家電は、あなたのために、今日も音の鳴らないスイッチをカチカチさせて頑張っています。

それでは、

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(翻訳:最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。)

換気扇にこびりついた油汚れのような私の記事を読んで頂き、本当にありがとうございます。サポートして頂けると、妻がニッコリします。