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【介護施設で働いていた時の不思議体験】
自分が以前介護福祉施設で働いていた時の話…
その施設は入居するタイプの施設で、自分はとある階の介護職員として働いていました。
当時施設の100号室(←仮の部屋番号)に入居されていたおばあちゃんが居ました。
そのおばあちゃんはよく笑う方で、冗談を言い合えるようなとてもお元気な方でしたが、ご高齢ということで下肢筋力低下もあり、転倒の危険性がある等の理由で入居されました。
入居当初、やはり入居生活に慣れるのに苦労されていた様子で、自分もよくお話させて頂いていました。
その流れもあり、言い方があれかもしれませんが、そのおばあちゃんと仲良くさせて頂いていました。
昔の思い出や家族の話、悩みとかも話していました。
その話の中で、そのおばあちゃんは『みんな(家族や職員さん)がトイレ行く時はナースコール鳴らしてって言うんよおっほっほ!』ってよく笑いながら話していました。
先程もあったように、そのおばあちゃんは下肢筋力低下があり、時々トイレに行く際に転倒されていました。
自分もその話を聞きながら、みんな心配してるんですよ~と返したら、『そうなんやろか?』と少し苦笑いしながら言われたりしていました。
自分は男ということもあり毎月大体10回は夜勤していた感じだったんですが、ある年の年末…
そのおばあちゃんは少し前から体調不良で、その日の夜勤明けになっても体調不良は続いていました。
巡視も多めに行ってはいましたが、夜勤明けで帰る時にも訪室して体調を伺い、他愛もない話をしてから年末の挨拶をして、その日は帰りました。
そして年が明け、その次の夜勤の日…
施設に行ったらそのおばあちゃんの姿はなく、早出の職員さんからの申し送りによると入院したとの事。
状態的には早かったら1週間くらいで帰ってくるだろうということで、今は体調不良で入院して間もないから、少し時間を空けてお見舞いに行こうと思っていました。
そしてその数日後、その日も夜勤で施設に入ると、そのおばあちゃんが体調急変により亡くなったとの話がありました。
後悔先に立たずではありますが、あの入院した日の翌日の明けでお見舞い行ったら良かったなぁ…って悔やみました。
その数日後、家族さんが部屋の荷物を片付けられ、何も無い部屋となっていたのを改めて見て、そのおばあちゃんが亡くなったことを再認識し、悲しくなりました。
亡くなってから数週間後、未だ入居者は決まらずに100号室は空室のままでした。
その日自分はやっぱり夜勤をしていて、いつも通り色々な介助やデータの打ち込み、巡視等を行っていました。
夜中0時の巡視が終わり、一段落したのが1時半過ぎ…
担当している階の中心辺りにソファーがあり、休める時はそこで足を伸ばして休んでいました。
そして暫く休んでいると、ナースコール用のPHSが鳴り始めました。
ディスプレイに部屋の番号が表示されるんですが、部屋の番号は【100】でした。
連日夜勤をしていて若干疲れていた自分は、特に何も思わずにその部屋をノックして訪室しました。
すると、おばあちゃんがトイレに座られ用を足されていて、どうやら間に合わなかった様子。
部屋もタンスやイス等当時のままで、自分もいつもの流れで服とかを用意して介助していると『ごめんなぁおっほっほっ!』と笑いながら言われました。
自分も『行く前にナースコール鳴らさんと危ないですよ~』って言うと『そうやなぁおっほっほ!』と笑いながら返事をされました。
一段落した頃、またナースコールが鳴り始めました。
番号は【110】
ここに入居されている方は普段はあまり鳴らさない方だったので、何かあったのかと思いました。
おばあちゃんにも事情説明して行こうとすると『こっちは大丈夫やけん、はよ(早く)行っておあげ。ありがとう』って言われ、自分も『いいえの。ちょっと行ってきます』と言って部屋を出ようとしました。
部屋を出た瞬間…
そこはソファーの上でした。
自分はどうやら数分程眠ってしまっていたようで、ナースコールで起きました。
番号は【110】
とりあえずすぐ部屋に向かって訪室すると、その方は眠っていた様子。
訪室する際のノックで目が覚められたようで『どしたの?』と聞かれ、自分も事情を説明しお話を伺いましたが、結局その方はナースコールを鳴らされていませんでした。
明けの日にその話を他の職員さんにしたんですが、やはり怖がる方が多かったですね(苦笑)
あれは夢だったのか、はたまたおばあちゃんが最後の挨拶に来て頂いたのか…
他の人は怖がる体験だったかもしれませんが、不思議と自分は怖くなくて…とても温かい、そして少し寂しい気持ちになりました。
その後入居者が決まり普段と変わらない日常に戻りましたが、たまにあのおばあちゃんの『おっほっほ!』の笑い声を思い出す…今日この頃です。
長文・駄文失礼致しました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
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