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【3分で読める】「Small world/BUMP OF CHICKEN」の歌詞の意味を考察してみた【すみっこぐらし】

今回歌詞考察するのは、BUMP OF CHICKENの「small world」です!
バンプらしいゆったりとしたアコースティックなバラードは、曲もさることながら歌詞も優しく素敵な楽曲です。

この曲の歌詞には、「僕ら」「君」など、どのような人物を指しているのかが明記されていない部分があります。このようにリスナーの解釈に委ねるスタンスは、バンプの曲では珍しくありません。

一体、「君」とは誰のことなのか。
何を伝えたくて藤原基央さんがこの歌詞を書いたのか。

そのような点に注目し、今回はSmall worldの歌詞を考察していきたいと思います。あくまでも一ファンの考察として、楽しんで頂けると幸いです。


1番:孤独とは、誰しもが心のどこかで感じているもの

いろいろと下手くそな僕は
この道しか歩いてこられなかった
出来るだけ転ばないように
そして君に出会えた

この歌詞の主人公は、世渡り上手ではない不器用な性格。
できるだけ失敗しないように、間違いのないように石橋を叩きながら渡るような、神経質で慎重な人物像を想像することができます。

そんな主人公が、とある日”君”に出会います。

まぶた閉じてから寝るまでの
分けられない一人だけの世界で
必ず向き合う寂しさを
きっと君も持っている

秘密のため息は 夕陽に預けて
沈めて隠していた事
どうしてわかるの 同じだったから

人間は誰しも眠る時は独り。
日中は友達と話をしたり、誰かと関わっているけれど、布団に入っている時間だけは、自分と向き合うための寂しいひとときが待っています。

「きっと君も持っている」「どうしてわかるの 同じだったから」から読み取れるように、主人公と”君”のどちらも、孤独や不安を抱えていることがわかります。

散らばった願いの欠片で照らされた夜も
どこかへ向かうパレードも 誰かの歌う声も
僕らにはひとつも 関係ないもの
一緒に笑ったら その時だけは全部
僕らのもの

例え今この瞬間に、どこかの誰かがパレードを楽しんでいたって、
美しい夜空を眺めて感動していたって、
それは今ここにいる主人公と”君”には関係のない話。
冷たい言い方をすれば「自分は自分、他人は他人」です。

しかし、たった一つ例外があります。
「一緒に笑ったら その時だけは全部 僕らのもの」
一緒に同じ時間や空間を共有し、同じ景色を眺めて、同じ孤独を感じている者同士であれば、それは「お互いを理解できる」瞬間となります。

2番:「まんまるの月」とは何を示しているのか

すぐに言葉間違えそうで
傷付けたり怒らせたりしそうで
気をつけるようにしていたら
ただ喋れなくなっていた

この歌詞に共感する方も多いのではないでしょうか?
言葉は人を優しく励ます薬にもなりますが、使い方を誤れば傷つけるナイフにもなりかねません。

「この言葉が誰かを傷つけてしまうかもしれない」そう思って気を配っているうちに、いつの間にか何も喋れなくなってしまう。そうして身動きができなくなっている臆病で繊細な主人公の様子を表しています。

君だけの思い出の中の
君の側にはどうやったって行けないのに
涙はそこからやってくる
せめて今 側にいる

1番で説明した通り、「自分は自分、他人は他人」であることを表現しています。どんなに相手を理解したくても、完全に相手を知ることは不可能。だからせめて、近くにいたいと願う主人公。

そうしたいと思うのは そうしてもらったから
何も喋らないのにさ
まんまるの月が 君の目に映る

「まんまるの月が 君の目に映る」とは、何を指しているのか。
それは結論からいえば、「二人が共有している景色」のことだと考えています。

お互いに理解し合えないという虚しさは常に心のどこかに存在します。
しかし1番の歌詞にあるように「一緒に笑ったら その時だけは全部
僕らのもの」になるのです。

月は一つしか存在しない絶対的なもの。
その月を二人の目が見ていることによって、その瞬間だけは、お互いが同じものを共有していると言うことが出来ます。

そしてもっと言うと、「まんまるの月」は「この曲そのもの(Small world)」だと捉えられると考えています。

僕▶︎BUMP OF CHICKEN
君▶︎リスナー、ファン
まんまるの月▶︎「Small world」

残念ながら、私たちファンはバンプメンバーの気持ちや境遇を想像することはできても、理解することは出来ません。しかし、この楽曲を通じて、「藤くんは何を伝えたかったのだろう」と、気持ちを推しはかることは出来ます。

叶わないままの夢はどんな光より綺麗で
変われないのに変わりたいままだから苦しくて
流れ星ひとつも 気付けなくても
君を見つけて 見つけてもらった僕は
僕でよかった

臆病で、弱いと自覚している主人公。
しかし、そんな自分でよかったと思うことができる。それは、自分と同じ月を共有することの出来る人に出会うことが出来たからだと思います。

同じ価値観を共有できる人がいることは、流れ星を見つけることよりも生きていく上で重要なことなのです。

まんまるの月が 君の目に映る 夜が騒ぐ
ポップコーン転がっている クライマックスのパレード
関係ない世界が 僕らを飲み込む ルララ ルララ

そして、楽曲の終盤です。二人で共有する世界(まんまるの月)と、二人とは関係のない世界(パレード)が混ざり合う様子を描いています。

主人公は”君”と出会うことで、他人(パレード)を受け入れる強さを手に入れることが出来たのではないか、と解釈しました。
かつてはできるだけ転ばない様に気をつけて歩いていた主人公が、遂に、外の世界へ一歩踏み出す勇気を手に入れたのです!


まとめ:価値観を共有できる人と出会い、勇気を手に入れる主人公の物語

いかがだったでしょうか?
解釈は人それぞれ異なると思うので、
「ここはこういう意味なんじゃないか?」
「こういう考え方もあるよ!」
など、様々な意見を頂けると幸いです。

民奈涼介



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