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たみな涼介 | シナリオライター(たまにエンジニア)
2021年7月16日 21:30
目が覚めた時、まず視界に入ったのは、真っ白な屋根だった。遊びのない無機質なその色は、学校の保健室を彷彿とさせた。私は昔から病弱で、保健室のベッドにはよくお世話になっていたのである。…と、そこまでは思い出すことが出来たが、私は肝心なことを忘れてしまっていた。それは、”私の名前”だ。名前どころか、何故自分がここにいるのかもわからない。いわゆる”記憶喪失”の類だろうか。しかし、大事なことは忘れてい