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骨髄ドナーになった話 ① (骨髄バンク登録からドナー候補者になるまで)


ここを見てくださってる方は、骨髄バンクに興味のある方は勿論、ドナー候補者やドナーに選定された方も多いと思います。
骨髄ドナー経験者ってそうそう周りにいないので、私がドナーに選ばれた時、ネット上にある経験者の声は本当に参考になりました。
自身の体験を残しておくことで、ドナー登録する方やこれからドナーとなる方の不安を少しでも取り除けたら……というのが、この記事を書いたきっかけです。
詳細な情報等は公式サイトをご覧下さい。
また、規定により採取日、採取場所、その他個人が特定できるような情報は書くことが出来ないので、分からないようにしております。




1. 骨髄バンクに登録(骨髄採取3年前)

かなり前から骨髄バンクというものが存在することは知っていました。
私の父が白血病経験者(抗ガン剤により寛解)であり、関心はあったものの「骨髄を取るときめちゃくちゃ痛いって聞いたことあるし怖い……」と思っていました。
3年ほど前から献血に行くようになったのですが、たしか2回目くらいの献血の時に、骨髄バンク登録会のようなものを献血センターでやっていました。
説明を聞いてみると手軽に登録できそうだし、これも何かの縁かもしれないと思い、登録することにしました。
正直、このときは自分が選ばれるとは思っていませんでしたし、たまに届く広報誌も流し読みする程度でした。


2. ドナー候補者に選ばれる(骨髄採取118日前)

私の趣味は観劇です。
その日も観劇の余韻を胸に、いつものように切ってあったスマホの電源を入れました。
ふと画面を見ると、SMSの通知。
職場かどこかからの不在着信のお知らせだろうか、と思い開いてみると……

あ、怪しい……

見たことの無いフリーダイヤルの番号からでした。
ちょっと怪しすぎて番号やメッセージの内容について検索してみると、どうやら本物のよう。
(観劇の余韻は瞬時に吹き飛びました)
患者さんとのHLA型(白血球の型)が合う確率は、数百~数万分の1です。
まさか自分が……と思い、ドキドキしました。
リンク先でIDを入力すると、提供の意思確認の他、現在の体調や既往歴などを入力するページが出てきます。
また、ドナーのためのハンドブックが閲覧できるようになっていました。
このときの私の気持ちはというと「なかなか体験できない事だし興味ある!やってみたい……!」という感じでした。
好奇心旺盛で、興味のあることは割と何でもやる私の性格はある意味、骨髄ドナーに向いているのかもしれません。
あとは仕事が泊まり勤務だったこと、平日にも休日があることも好都合でした。平日の休日や非番(退勤が午前10時頃)で検査等の予定を入れられるので、骨髄採取の入院以外は仕事を休まずに済みました。
痛いのかな、という不安はまだ少しありましたが確か1~2日後には返答した記憶があります。

ちなみに、同時進行でコーディネートを進められる人数に限りがあり、骨髄バンクとしては提供の意思があるかどうかは早急に確認したい事項なので、早めに回答しましょう。
迷っている場合や不安なこと、不明点は電話で連絡するといいです。

後日、郵送でハンドブックと上記質問に郵送で返答できるよう回答用紙等が送られてきましたが、既にWebで回答を済ませていたので使いませんでした。

オレンジ色の大きな封筒で来ます
ハンドブックは採取までに度々読みました

Webで回答して割とすぐ、骨髄バンクの担当コーディネーターさんから電話で連絡が来ました。
コーディネーターさんからの電話ですが、こちらが出られない時はSMSでメッセージを残してくださるので助かりました。仕事中は休憩時以外にスマホを見られないので。
回答内容についてなど、何点か確認された後、確認検査の日時や場所についての打合せをしました。
この時点で私には1つ不安なことがありました。
下肢静脈瘤と診断されているとドナーにはなれないのですが、私の膝裏やふくらはぎには血管の色が濃く出ている場所が何ヶ所かありました。
ボコボコしてないものの、これは違うのだろうか……?と思ったのでコーディネーターさんに伝えたところ、事前検査の時に医師に確認してもらうことになりました。

担当コーディネーターさんには採取終了までお世話になるのですが、不安な事や疑問点は何でも話してください。特に体調や既往歴については些細なことでもコーディネートを継続できなくなる場合があるので、確認が遅れるとかえって患者さんに迷惑をかけてしまいます。

私の確認検査は、家から電車を使って1時間ほどの病院で行うことになりました。
家からは少し離れていますが、職場から直接行きやすい場所なので助かりました。
希望の病院は一応聞かれますが、患者さんとのスケジュール調整や病院側の都合もあるので、希望が通るとは限りません。また、確認検査をする病院と骨髄採取をする病院が違うこともあるようです。(私の場合はずっと同じ病院でした)


3.この時点でやっておいた方がいいこと

私がこの時点でやっておいて良かったと思ったことは、
家族と職場に、骨髄ドナー候補者に選ばれており提供の意思がある事を伝えたことです。
務めている会社によってはドナー休暇やボランティア休暇が適用されますが、そもそもそんな休暇制度がない場合は特に早めに相談しておいた方が良いです。
また、最終的なドナーとして選ばれると、家族の同意(結婚していれば配偶者、独身であれば親など)が必ず必要となるので、この時点できちんと話をしておいた方が良いです。

あとは体調を崩さないように日々体調管理に気をつけること……これは骨髄採取まで続くのですが、これが人によっては1番しんどいかもです。
私は献血に行ってもたまにヘモグロビン値が低く、献血を断られることがありました。
骨髄ドナーとなるには、最低限献血ができる健康状態でないと厳しいため、意識して鉄分を摂取しました。(ただし、サプリや鉄剤は使用できないので注意)
あとはインフルエンザやコロナに罹らないよう、手洗いうがい消毒等を徹底しました。
こうして確認検査の日を迎えました。

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