大人になるのが怖かった自分には『よつばと!』が必要だった。
小さい頃、好奇心が止まらなくて、知らないことは知りたいし、目にするものも、体験することも、特にはじめてのことは輝いてみえ、自分は一生この高揚感と一緒に生きていけるんだと思っていた。
両親やまわりの大人は、自分が興味を持つ細かいことには、もう興味を持たなくなっていることを知っていた。
大人になると、この高揚感をほとんど感じなくなってしまうのかもしれない。心が自由じゃなくなるんじゃないか。そんな恐ろしいことってあるの?
小学校の卒業が近づくに連れ、面白いと思っていたことが、どんどんアップデートされていってることを感じていた。いま大事って思ってることを軽率に扱う瞬間が私にもくるんじゃないか?細かいことに気づけない人間になるのかな?そう思うと、すごく怖くて、めっちゃ嫌だった。
そんな時に、友だちとドハマりしていた『あずまんが大王』を描いた あずまきよひこさんが新作を連載するというので、滋賀県のがんこ堂という本屋に立ち読みをしにいった。たぶん小学校5年生の頃。
衝撃を受けた。
じ、自分がいる...!!
自分が大事にしてきたことを主人公の「よつば」が、同じように話してくれ、動いてくれ、楽しんでくれている...!!!
面白くて面白くて、お腹が痛くて、2ページ読んだら、笑いがおさまるまで、『よつばと!』が掲載されている雑誌 電撃コミックスを棚に置き、まためくっては笑いがおさまるまで、置き、あまりにも面白くて、休憩しながら読んだ。そんな読み方は今も昔も『よつばと!』以外したことがない。
「よつばがいれば、今見えてるこの世界を忘れない。」
年齢を重ねるにつれ、大事なことがみえなくなっていくかもしれない。でも、そんなときは彼女に会いにいけばいい。
彼女はいつでも一冊の本の中にいる。
『よつばと!』の世界の住人として世界をみれば、心は自由なまま、この世界で生きていける。だから、もう大丈夫だ。
すごく心が楽になった。「当たり前のことを大事にできる人」になりたかった。今でもその気持ちは変わらず『よつばと!』は自分の考えの指針になっている。
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今まで、好きな本は?と聞かれたとき『よつばと!』を欠かさず答えてきた。
コルクで、みんなが1日替わりにオススメの本を紹介している。自分はどの本にしよう。悩んだけど、『よつばと!』を好きな理由は説明したことがなかったから、『よつばと!』への感謝の気持ちを込めて、ブログを更新。
全部初版で購入して、帯も大好きなので残してる。
(10巻の帯を兄が失くして兄弟喧嘩になった。10巻の帯は「毎日という宝箱を、今日もあける。」という大好きな言葉。お兄ちゃん、、帯なんで失くしたんや涙)
既刊は13巻。もちろん13巻も笑いすぎてお腹がいたくなった。本当に愛しい大切な本。
もう25歳、いよいよ大人の仲間入りを果たしたけど、『よつばと!』の世界はもう自分の一部となっているので、これからも怖がらずに歳を重ねていきます。
ユヒコ
Twitter更新してます。
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