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帰省する度に

ああ、こわい。飛行機が怖い。
安全なこともわかるし、そうそう事故なんかに合わないってわかっているのに、やっぱりこの「地に足がつかない」感覚が苦手だ。空の上で何が起こってるのか。全然わからないし。
というか、わたしは鉄道が好きで、とりわけ新幹線が大好きなのだ。でも、LCCが出てきてから、費用対効果のバランスがおかしくなってしまった。
しかも悲しいことに、わたしのふるさとは新幹線が走ってない。在来線に乗り換えてさらに30分とか45分とか、かかるのだ。悲しい。そして、その「うちの町にはない夢の乗り物」が、わたしの子供心をがっつり掴んだという背景もあるんだけども。

昭和の終わりに生まれたが、ふるさとにはまだ連絡船がいた。橋の上を電車が走ったのはギリギリ昭和、1988年だ。わたしは駅で勤めていた母と、連絡船を見たのを覚えている。色とりどりキレイなテープがなびく、国鉄のマークがついた大きな大きな船。

あと10年、生まれるのが早かったら、海の上にいる連絡船が見れたろうに。見たかったなあ。山側の生まれ育ちだけど、あの穏やかな海は大好き。空とも違う青、島の緑も美しく、優しく静かな海。
新幹線から在来線に乗り換えて、橋の上を行くときに大きな窓から見える海も素敵だ。飛行機だと窓際にいないとなにもわからないから。あの海を見ると「帰ってきた」と強く思う。風光明媚って、瀬戸内海のためにある言葉じゃない?って思う。美しさ。船もたくさん乗ったな。神戸や岡山へ行くのに。

あーしかし飛行機はこわい。あんまり空の上だって考えないようにしてるんだ。だってやっぱり落ちたらどうしようとか、すぐネガティブなこと考えちゃうから。お金持ちになったら、絶対新幹線でのんびり帰りたい。
そしたら、あの在来線に乗って窓から夕暮れでも見たいなあ。オレンジと青の混じり合う空と海がとっても綺麗だから。

気持ちを綴ってみます。