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子育ての強制終了

かわいい一人息子がこの4月から東京の大学に進学するために家を出て行ったことで、私の子育ても無事終了となりました。「地方都市に住む親はこういう形で強制的に子離れするのかあ」と、参考にでもなれば。

東京に旅立つ前夜は息子の好物をたくさん作って、思い出話をしながらゆっくり食べて、当日の朝は家族全員しんみりとなって涙が溢れ出て。。みたいな感傷的な別れのシーンをイメージしてたんですが、実際はこうでした。

まず東京に行く2週間前に息子が風邪で体調を崩す。次の週に旦那が同じく体調を崩す。そして出発2日前になって私も同じ病で倒れ寝込む。最後の晩餐はというと、手作り好物料理どころか適当にテイクアウトを買ってきて、私は高熱のために同席すらできず。なんとか翌朝体調が戻り、でもギリギリまで寝ていたので大慌てで空港へ(入寮などの手伝いのため私も同行)。。。とまあ、涙もクソもないとんでもねえ結果でした。

でも本当の怒涛の悲しみはここからです。

東京在住の妹も合流し3人で2日ほど遊んだりした後、入寮手続きをして日用品の買い出しやらを済ませ、気づけば寮の門の前で「じゃあね、お母さん」と手を振られている自分がいた。あれっ?!あっそうか!これから私は一人で帰るのか!息子はここ東京に残り、私は地元へ。束の間のバタバタのせいですっかり現実を忘れてた。そっかそっか。そうだよね、なんて思いながら電車に乗り羽田に向かう。慣れない東京の人ごみの喧騒のせいもあって、ただソワソワするばかり。今、自分に何が起こっているのがこの時点ではまだよく分かっていない。

飛行機が離陸後、窓から息子の住む東京の街を見下ろしていたら、そこで初めて「物理的に」本当に離れ離れになるんだという実感が襲ってきて、涙がボロボロ流れた。千尋がハクからもらったおにぎりを食べる時のように。こんな風にあっけなく私の子育て終了。

子供というのは18年も一緒に生活すれば、もう自分の一部のようになります。もう切っても切り離せないのです。本当に離すことができなかったらどうしようと高3になった時から不安でしょうがなかった。「浪人したらもう1年一緒に暮らせるからいいかも」なんて共通テスト前に密かに思うほど頭がおかしい母親にとっては、このような「強制終了」に近いかたちで子育てが終われたのは良かったと思ってます。

息子が小学生だった時、大っ嫌いなクソPTAや運動会の場所取りやお弁当、宿題の手伝い、習い事の送り迎え。。。毎日がイライラ・バタバタ、子育てが永遠に続く苦行のように思っていたあの頃、でもこの頃のことが、婆さんになった時に人生で1番幸せだったと思うかもしれません。もう1回やりたいかと言われればもちろん!やりたくねえ!笑

よく子育てが終わって「何をしたらいいのか分からない」という親御さんがいると聞きますが、幸いなことに私にはやりたいことがたくさんあります。足腰丈夫なうちに中米一人旅したいし、そのためにはスペイン語だし、妹と組んで何か金もうけしたいし、Netflixに見たいドラマがたっくさんある。あー忙しいなぁ!!。。。なんて、正直これ強がってるだけなんですけど。忙しいフリでもしとかなきゃ正気を保てないですから。息子のいない日常がフツーの何でもない日常に早くなりますように。


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