新型コロナ:9月20日時点での状況把握
前回エントリから2ヶ月経ってしまいました…
上記のエントリの中で私は、4月・5月の第1波に比較して7月以降の死亡者・重症者比率が低いことに関し、次の2点を仮説として置きました。
・皆マスクをして距離を取っているので、感染しても軽症で済んでいる
・重症化しやすい人への医療体制が確立され、治療が進んでいる
医療体制の拡充については、色々なところで指摘があり間違いないところだと思います。最近ですと庄司智春氏のYouTubeで、感染入院した際の様子が詳細に語られていましたが、酸素濃度や血栓などに常に注意を払って重症化を防ぐ手立てが確立されていることをうかがわせる内容でした。
また、マスクによる効果は昨日忽那先生が以下の記事を投稿しています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200920-00197964/
実は、マスク(および濃厚接触防止)が重症化防止(ウイルス曝露量の低減)に役立つのではないかと言う仮説は、東京慈恵会医科大学の近藤一博教授によって5月に既に示されていました。あくまでウイルス学の一般的推測…と言う観点でしたが、私はこれをずっと記憶に留めていました(そのため「ウイルスの弱毒化」というのも可能性としてはアリだな…と思っていました。この点は否定されたようですが)。
https://jikei-tropmed2.wixsite.com/covid-19/what-s-corona
さて、私は7月28日のエントリで60歳以上の高齢者感染数に着目し、これと重症者数を比較する「重症化率(高齢者限定)」という指標を独自にモニタリングしてきました。年代別感染者がオープンデータで示されているのは東京都・大阪府にほぼ限られるようなので、この2箇所を主に見てきました。
と言うことで、まずは東京都の推移です。9月18日時点です。
60歳以上の高齢者感染数は、8月13日週がおそらくピークで1日50人を超えるレベルでした、それ以降、一応減少傾向には見えますが先週は連日30人を超えるような状況で、油断できないと思います。東京都全体の感染者は昨日時点で実効再生産数が1を切るところにピークアウトしていますが、暫く一進一退の攻防が続くでしょう。
重症化率は以前のエントリでも書いたとおり不備の多い単なる推測値ですが、8月後半は重症者数と重症化率がピッタリ一致しておりまして、我ながら良く出来た指標と考えておりますww
9月以降重症化率はジリジリ増加していますが、これは「重症者数横ばい・感染者数減少」を表している状況です。60歳以上の感染者は中期的には減少傾向にあることが現れていると思います ※重症化率は「感染者絶対数が増加傾向にあるときに有意な指標」と考えています。
次に大阪府です。9月17日現在です(大阪府のオープンデータは東京のように毎日更新されていません。不満のあるところです)。
8月上旬の大阪府、重症者の上昇カーブは恐怖でした。第1波と変わらない・ヘタしたらそれ以上の急峻なカーブでした。死者も大阪では8月で63人と、東京都(31人)の倍以上でした。人口を考えると死亡率は3倍近くになります。危機的状況だったと思います。
この間、重症化率も10%を超える時期がありました。東京都は4%を超えない状況が続いていますので、その深刻度が解ると思います。
8月22日をピークに重症者は減少に転じました。高齢感染者数もそれ以降順調に減ってきているのが見て取れると思います。東京よりも早い減少率です。先週見られる重症化率の上昇は、東京と同じ傾向です。
何で大阪がこんなに死者・重症者・重症化率が多い(高い)のか、やっぱり年寄りとの距離が近いんですかねえ。同居率が高いとか、マスクせずに狭い部屋で話し込んでるとか(喫茶店とか)、やたらベタベタ触ってるとか、ああ大阪やったらそれあるやろな…と編に納得してしまいますね。
重症者は減ってきたと言ってもまだ30人以上いますし、重症化率も5%を切ったことはありません。大阪こそマスク+濃厚接触回避です。感染を完全に防ぐことは出来なくても、重症化リスクを抑えられる。これ極めて重要です。
新型コロナについては相当知見が溜まってきており、感染リスクは接触感染より飛沫感染の方が高いことも解ってきました。ですので撮るべき対策優先順位は
1) 3密の場を避ける(接待を伴う飲食店、カラオケが代表例)
2) 近い距離・大人数での会食を避ける。
3) マスク・手洗い。出来たらうがい
となるかと思います。
後、COCOAは絶対インストールして下さい。絶対です。スマホのBluetooth有効にしておくことも忘れずに!
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html
この冬を何とか乗り切って、来年のワクチン普及まで持ちこたえれば収束が見えてきます。気を抜かず生活を続けていきましょう!
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