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"The LEPLI" ARCHIVES-62/ 「なぜ,僕が”ユダヤ人”にこだわる発言を するか?について。 」

文責/平川武治:
初稿2011年12月14日:

「“世間知らず”という言葉が有るが,
”世界知らず”にはならないで欲しい。」

 はじめに:
 僕の25年間の巴里生活でお世話になった人,恋に落ちた人,
友人になった人,知り合った人たちの80%以上はユダヤ人かユダヤ人系の外国人たちであり,彼らたちから大変にお世話になり,とても素晴らしい、
いい”関係性”を築かせて頂いて、今が在る僕です。
そして、彼らたちがすべてで、現在の僕が在ると感謝しています。
 そんな経験からなぜ,僕が”ユダヤ人”についての発言を多くするかを
整理してみようと思う。

 幾つかの理由:
1)ファッションビジネスにおける"世界”という立ち居場所を求める為には,世界レベルを知らなければならない。
 世界のファッション産業界とはどのような人たちと彼らたちが作った
”構造”であるか,という最も基本的な認識の一つとしてである。

2)僕の体験で知り合った,このファッションの世界での多くのユダヤ人たちは人間的にも能力的にも大変に”優れ,学び、努力もする魅力のある”民族の人たちである。
 その最もたるところが,彼らたちの”宗教観”と”家族意識”そして、
”経済意識”。そこから生まれた”家庭教育”の行き届いている事である。
かつての日本人がそうであってように、今の日本人は彼らたちから“学ぶ”
ところが多く有る。
 そして,彼らたちユダヤ人たちが最も大切に,大事にしているのは
“関係性”である。
従って,彼らたちが認めるレベルの,認められる能力、魅力,知性があれば彼らたちは自分たちの”関係性”へウエルカムしてくれる。
 その関係性のためにも彼らたちを認識しておく必要がある。

3−1)そんなユダヤ人たちが構築した世界のファッション業界でビジネスを
競い合、又、彼らたちと”ビジネスパートナー ”としての”関係性”を持ち、
保つには当然だが、彼らたちの”ルール”を認識しておく必然性がある。
 これは或る意味でこの世界でビジネスを行なう者たちが学び持たなければならない,”責任とリスク”の問題である。
 所謂,“W-スタンダード”を持つ事を意味する。

3−2)なぜ、ファッション産業界にはユダヤ民族の人たちが多いのかは、
彼らたち民族の”歴史”とその”立ち居場所”に関わっている。
衣料/衣服における「素材と縫製工場と販売」を16世紀のギルドの発達と
ともに、生業としてきたのが彼らたちであった。産業革命以後、これが
イギリスに移行するが例えば、16世紀のアントワープはこの時代では、
織物産業で繁栄していたヨオロッパにおける第1の都市であった。
素材は羅紗が中心でありこの生産はスペイン、ポルトガルのスファラディムユダヤ人達のテリトリーで発達してきた。
縫製は東ヨオロッパのアシュケナジムユダヤ人達がテリトリーであった。
 この中世ヨオロッパにおける彼らたちが持ち得た”歴史”がその後、
近世へ受け継がれ、オランダ ロッテルダムから新大陸のアメリカへの
ユダヤ人たちの移民によって発展する。
 そして、彼らたちが現代のファッションビジネスの中枢民族に至るは
「帝国主義」と「植民地政策主義」により、素材の原産国はより、地球規模で発展し、”商売”が拡大したことにも由縁で在る。
 現代のファッションビジネスの祖型をかたち作ったのは、1920年代
以降そして、大恐慌以後の30年代からの合衆国を手中にしたからで在る。
 この近世から近代への、アメリカ合衆国上陸は素材も獣毛に加え、綿素材が加わり、20世紀には化学繊維が加わり現在に至っている。 
 このように、ファッション産業の根幹はやはり「素材と縫製工場と販売」をユダヤ人コネクションによって20世紀も早い時期に構築されていた。
 現在で言えば、素材、工場、デザイナー、メデァ、プレス、小売店、
バイヤー、デパート、ジャーナリスト、学校関係者、フォトグラファー、
ヘヤー、メイクそれに、モデルなど、などの「ファッション業界人」の
世界は90%以上がユダヤ民族の人たちの”関係性”で構造化されてしまって
いるのが現実で在る。
 多分、僕の経験から言って仕舞えば、
歴史的つながりと彼らが大切にしている「関係性」から、
彼らたちユダヤ人はこの”ファッションの世界とビジネス”が
とっても、好きな人種であり、
彼らたちが、一度この「関係性」のサークルの中に入れば
「儲けられる、カッコつけられる、いい生活ができる、もてはやされる等」
”心地よさ”とある種の”安心”を知り尽くした民族なのであろう。
 僕はパリを中心に長年、コレクションを見ていると、
この彼らたちの世界はまさに、「ファッション ゲットー」でしかない。
 その中に”紛れ込んでしまった一人”が僕でしかないと、
異民族ながら感じてしまうことが多い。
(追記/2023年1月15日。)

4)“世間知らず”という言葉が有るが,”世界知らず”にはならないで欲しい。
あなたたち世代が今後”世界”を意識した時にはこの“世界知らず”は
とても恥ずかしい,悔しい状況と”関係性”を生む事になる。
 或る意味では変わらない、”外国人コンプレックス”の要因である。
これは何もこのファッションの世界だけではない,
アート界、メディア界など色々な世界も、全くの彼らたちの世界である。
 例えば,今回の”原発問題”でもそうである。
“原発”という世界を国民の大半が余りにも”無知”で知らなすぎたが故の
事故とその後の現実が”操作”されている事も同様な原因である。

5)これからのあなたたち世代の人たちが”世界”を目指し,渡り歩く時に,
その“世界”の構造とどのような人たちが動かしているかを知っておく権利と義務が有るはずだ。
 ”仲間”をよく理解する事から適正な”コミュニケーション”が可能になり
“堂々とした気骨ある日本人”として胸を張って”自由”に彼らたちと
渡り合える。
 ここに自分の立い場所を知り、正常なビジネス条件が成立する。

6)世界のファッション界は“キャピタリズム”のフレーム内で
存在している限り彼ら、ユダヤ人たちが創成した
”価値観”と”ビジネスマインド”の学ぶべきところは
”学ばなければ”ならない。
 これからの世界は確実に”国家”間のパワーコンペティションではなく
“民族”間における経済戦争が”ポリテカル化”する状況でしかない
時代性だからである。

7)僕の“ユダヤ人”発言のこゝろの根幹はもう一度言うが,
“世間知らず”という言葉が有るが,”世界知らず”にはならないで下さい。
 決して、”表層のヒューマニズム”で、”差別”と認識しないでください。
そして,将来あるみなさんが”気骨ある日本人”として”自信”を持って,
僕たちの”文化を武器”として、堂々と世界で競いあって欲しいからです。
 僕たち,日本人は“モノ造り”に於いてはとても”繊細で優秀”な
穏やかな民族である事に大いなる,”誇り”を持ってください。
 ここに僕が提言する、僕の生き様からの
“YELLO WMIND"の由縁が有ります。
僕たちの國を僕たち自身で救い、愛せる国家にしましょう。
 ありがとう。

参考/例えば、「アメリカのビジネス界で活躍するユダヤ人たち」。

文責/平川武治。
平成二三年師走吉日。


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