純情参考人

私に結婚することを伝えた時、あなたは、___、は、何を考えていましたか?

「本当は直接伝えたかったんだけど」といってくれましたよね。でも、私は直接の報告でなくてよかったと、心の底から思っていました。
「おめでとう」と、うまくいえなかったかもしれないから。


私が□□に引っ越して、仲良くなったのが___、そしてあなたの家でした。当時は幼稚園生で、どうやってあなたと仲良くなったのかはよく覚えていません。
ただ、あなたと過ごす日々は毎日新鮮で、楽しく、いつだって少しでもあなたと一緒にいることを考えていました。 親が迎えに来たら隠れたり、逃げてみたり、幼いなりに無い知恵を絞ってたことを覚えています。
小学校に行ってもその気持ちは健在で、学年集会があれば___を探していたし、クラス替えのたびに同じクラスになることを念じていたし、クラス合同でのイベントではなんとか同じ班になろうと画策していました。最後の移動教室だっけ?一緒の班になれたよね。うれしかったなあ。

そんな我々の思いも虚しく、一度も同じクラスになることがないまま、私の転校が決まりました。
転校する前は、離れてしまってもなんとか会えるだろう、と思っていたのですが、悲しいかな、小学生はあまりにも無力。 目の前の一日を過ごすことに精一杯で、とても□□に行く余裕はありませんでした。


私は転校先に馴染むことなく小学校を卒業しました。小学校の卒業アルバムになんの思い出もありません。だって、あなたがいないから。


あなたはあの頃を振り返るとき、「あの頃はすいどうちゃんが世界だった」といっていましたが、それは私も同じだったんですよ。

携帯がまだ大人の持ち物であり、県を移動することが国境を越えるように思えたあの頃から時が経ち、大学生になって私たちは親の力を借りずに再会しました。 久しぶりに会ったあなたは見違えるように明るく、素敵になっていて、とても楽しそうでした。

私はそれがとても嬉しく、それ以上に寂しかったんです。 色んな経験をして、あなたは変っていったんでしょう。その時、横に、傍にいられなかったこと、とても悔しかったんです。
そう、私あなたのことが大好きなんです。 多分あなたが思っているよりも、ずっと。


そして、この結婚式は、私にとっても大切な式だと気づきました。

あなたが決めた人生の節目その瞬間、その場にいられるのですから。

愛しいあなたが少し遠くなるようで寂しいけれど、ちゃんと、その瞬間を絶対に、自分の目に
焼き付けてやるって決めました。最高の私で見届けて、最高の「おめでとう」で送り出そうと決めました。


あなたが結婚するときいてから、あなたの名前の由来をあなたのご両親にききました。
あなたをみたとき、例え誰かを傷つけても、ズバリと本質を突くような人になるんだ、と思ったんだって。空間的にも時間的にも確実にただ一つの正解の一点を指す,刺す、そういう人だと思ったんだって。

なんでも自分で決めて進んでいくあなた。幼いころからまったく変わらないその姿は、いつまで経っても私の憧れです。

今日この場に呼んでくれてありがとう。
あなたの世界に私が存在していることを誇りに思
います。

あなたの一番近くは新郎さんに託します。 私にはできないことをやってあげてください。 そしてどうか、 二人で幸せになってください。 

これからも、いつまでも、「___」でいてくださいね。
本当に、結婚、おめでとう。


あなたの姿に一生恋する参考人より

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