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好きだけど、ちゃんと「嫌だなぁ」と思いながら観てる

私はホラー作品が好きなんだけど、最近、ホラーを観てると少なからずストレスというか「やな感じ」みたいなダメージは食らってるよなってことに気付いた。

前にも書いたけど、私は子供のとき病的なレベルの怖がりで、それを自力で克服した結果「全く何も驚かないし、ほぼ怖がらない人」になった。
そのお陰でホラーを楽しめるようにもなった。
今は、上手く怖がらせたり絶妙に嫌な演出をする作品を見ると、テンション上がって「よっ!いいよ!うまい!」てなる。

ミッドサマーを見た時なんか、綺麗な映像と嫌な感じのバランスが良すぎて、心の中で「イエエエェーイ!サイコー!!!」つってサンバの人が踊り出したもんね。
映画館だから声こそ出さなかったけど、「待望のゲームの新作発表を観た海外の反応」みたいな顔してたと思う。

とはいえ「これは凄く嫌な感じが上手いですね!」て判断してるってことは、私は「嫌だなぁ」を毎回ちゃんと感知してるってことだから、みんなと同じくらい「嫌だなぁ」とは思ってるのよね。
怖い場面を見て「嫌だなぁ、すごーく嫌だなぁ」と思って見てる。
嫌なことには変わりない。
ノーダメなわけでも、残酷さを楽しんでるのでもなく、「嫌だなぁ」を上手く逃がしてガツンと食らわないようにしてるだけなのよ。
だから、ホラーは好きだけど、観てて幸せな気持ちになってるわけじゃない。
嫌な気持ちになって面白がってるだけなんだわ。

好きなのに幸せな気持ちにならないの不思議よね。
ダメな恋愛してる人みたいね。
好きだなーと思いながら、テンション上がりながら、ダメージ受けてるのね。


私の場合は「ホラー怖くない!楽しい!嫌な気持ちになるの面白い!」だけど、世の中には「ホラーを興味深く観るけど、ちゃんと凄く嫌な気持ちになってダメージ受ける」て人も多いのね。
力一さんは多分そのタイプで、ミッドサマー観た後にしばらくダメージ受けたり、玄関が暗いの怖がったりするって言ってた。
だからって、力一さんは別に悲鳴あげたり逃げたりしないんだろうな。
怖さを飲み込めるんだと思う。

この前、力一さんが「偽夢」てゲームのホラー演出で驚かされたとき、最初「わー、なんだよー!ビックリしたね」みたいなリアクションして笑ってたのに、しばらくしてから「嫌だったなぁ…」てずっと言ってて「あの場面で、そんなにダメージ受けるんだ」て驚いた。

自分の中に残った「嫌な感じ」をちゃんと拾える人なんだな。
それって多分、すごくだいじよね。
後からでも「嫌だった。なんでこんな嫌な気持ちにされたの?やだ」て思えて、それを表現出来るのってだいじよ。
それを流したら、なんか心が良くないことになると思うから。

それを思うと、自分が「ホラーめっちゃ楽しいけど、”嫌だなダメージ”が溜まってることに気づいた」てのは良い事な気もする。
だからといって、それでどう対処していいのかは分からないけども。

驚かされたあとの感情の変化が、繊細な子供のそれ

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