【Private Opinion】作業療法 新定義について
先日、日本の作業療法の定義が改定されたのでそれにまつわる個人的あれこれを書いてみる。
以前の定義↓↓
『作業療法とは,身体又は精神に障害のある者,またはそれが予測される者に対し,その主体的な生活の獲得を図るため,諸機能の回復,維持及び開発を促す作業活動を用いて,治療,指導及び援助を行うことをいう.』
今回改定された新定義↓↓
『作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持 つ生活行為を指す。』(http://www.jaot.or.jp/about/definition.html)
そもそもの『作業』という言葉の定義づけで悩んできた、私を含めた多くの作業療法士にとって、『作業とは何か』の説明まで入れてくれたのは本当にありがたいな、と。
作業療法の作業、『work』でも、『activity』でもなく、『occupational』-therapyだからこそ、どう伝えて良いか難しかった。
大学で学んでいた当時、私の学科では当時では恐らく珍しかった『作業科学』がカリキュラムに取り入れられていて、『作業とは』みたいな話をよく課題でしていた。
でも学生の私にとって『作業とは』なんて言われても、私自身『作業』=『手工芸的な何か』だと思っていたから、「よくわからんな???」と思いながらとりあえず学んでいたように思う。
その後実習や就職先で『OTとは、作業療法とは何か』の説明をするときに、先輩OTが、
「上肢を診るのが得意です」
とか
「応用動作の練習をする専門家です」
とか患者さんに伝えているのを見て、
「なんか学校で習ったのと違うな??でもじゃあ何が違うのかいまいち言葉にできないな…」
と漠然と思う事しかできなくて。
今なら、ここ2-3年は言葉に詰まることもなく、自分なりの言葉で、
「あなたにとって大切なこと、楽しい人生を過ごすためのサポートを医療や福祉の視点で行いますよ」
って伝えれるけれど。
そういう、自分なりの言葉で伝えれるようになるために何年も費やしたことを考えると、今回の改定は最初から「作業って、『コレ』ですよ!」ってある程度イメージに近い形の指針を示してくれて本当に嬉しい。
OTのPT化、OTのアイデンティティクライシス、ここ何年かずっと話題に挙がってきたことが、今回の新定義改定を経て少しでも薄まることを願います。
おわり。
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