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消え掛かる真実・戊辰戦争: 敗者の明治維新

明治維新辺りは薩摩と長州がなんかパワー付けて慶喜が大政奉還して王政復古の大号令からの江戸城無血開城で明治政府誕生ぜよ!ぐらいの教科書認識でいるのは、完全に勝者の歴史である。戊辰戦争という凄まじい新旧の争いを知るとマジで負けた奴らの子孫は今でも悔しいだろうなと思えちゃうこと間違いなし。

孝明天皇とか政治利用されて異説あるものの途中で都合良くログアウトされていたり、公家・薩長・幕府の三つ巴の権力争いは実は2回クーデター起きているという歴史も抑えとかなければならない。鳥羽伏見の戦いなんて結構近代日本の内戦としては凄まじいコンバット合戦であるし、たまたま京都守護職に就いていた会津藩主・松平容保なんて慶喜と一緒に江戸に逃げちゃっただけで、新政府軍から鬼のように猛追を受ける様は本当に歴史の非情で面白いところである。

そして「錦の御旗」のパワーは戦闘時だけ能力値常時1.5倍ぐらいのアクセサリである。結局今までの日本の歴史上皇族お取り潰しにならなかったのはやっぱ、錦の御旗と三種の神器という正当性アイテムに公式認定の征夷大将軍というブランディングがみんな本当に欲しかったんだと思うのね。

実際西日本はほとんどが尊王派に恭順して結構フランクに鞍替えしているのだけれども、特に東北は奥羽列藩同盟という佐幕派の超連合体を組み、アナザー日本に別れかけてたという事実はあまり知らなかった。東北鎮圧部隊に対して連対して(あんま一枚岩ではないけど)交渉と闘争を行い、いつしか鞍替えする藩も出てきて武力で解決されていく様は本当に力こそ正義である。

というかこいつら鎖国してた癖にどんだけ近代式の武器持ってんねんという印象が強く、もうちょい調べると薩摩長州は完全に外資パトロン就いて制圧できたんだなあと思えるし、江戸幕府だって軍艦何隻も余裕で保持してるし、欧米列挙が極東の島国を新たなハブとして無茶苦茶欲しがってたという世界史から見た時の、日本の存在性みたいのにフォーカスすると形はどうであれ、リビルドせざるを得ない時期だったんだろうと思う。

そしてあまり概要を知らない白虎隊の悲劇に加え、二本松少年隊の悲劇などの存在はそりゃ悲劇的な演目になるわと納得できる程の戦争残酷物語である。会津は最後まで何の因果かボコられていく様は滅びの哀愁が止まらない。今で言う「絶許」である。

そして大阪も江戸も抑えられ、上野戦争も終結した後は東北で一代バトルが開戦。結局北へ北へ旧幕府側は流れ着いていき、幕府・榎本武揚の軍艦で残党や佐幕勢力を引き連れ、北の大地で新たな国家を樹立しようとする展開は激アツすぎる。ファイナルステージ五稜郭の戦いはもしこれで旧幕府側が勝利し自治権でも与えられていたとしたら…という歴史のifを考えるとなかなかのクライマックスぷり。

ここから明治新政府が始まりキャスティングボードはそりゃ勝者の維新側が大半を占め、我々日本は大日本帝国へと向かうのであった。もう少しグラバー商会とか武器商人から見た諸外国の各潘への煽り方や東北の細かいその後も気になる次第でございましす。やっぱ話し合いかジャンケンかサッカーで決めるのが1番素敵やね。

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