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あちこちオードリーにみる松田好花論「温もりに乾かされる涙」

タイトルの通り、日向坂46のメンバーである松田好花さんに関する雑感です(約3,500字

松田好花さんの特徴とは

ラヴィットのシーズンレギュラー、カップリング曲のフロントなど、最近波に乗っている松田好花さん。アイドルとしての彼女の特徴とは何か?もし今私が誰かにそれを伝えるとしたら「涙」という言葉を使って説明することになるのではないかなと思います。ただこの方法は、わかりやすく伝えやすい反面、同時にもやもやしたものが頭をよぎります、、

想像で語ってしまい申し訳ないですが、なんとなく本人は涙による説明をあまり良くおもわないような気もしています。「涙」にも色々な種類があると思うのですが、私が松田さんを通じて涙を語るとしたら「本人の誠実さ」を表すものであり、決して「弱さの象徴」ではない。ということでここからは「松田さんの誠実さ」をさらに深掘りしていければと思います。

「いつもありがとうございます」と彼女は言った

先日放送された、あちこちオードリーの日向坂出演回。

佐久間さんが「感動的な回」「番宣写真の謎」と評している様に、この日の主役は松田さんで、番組のハイライトは、3度の涙を経たうえでの「いつもありがとうございます」だったように思います。もしかしたら、23時台のテレビ番組のハイライトとしては、あまりにも平易でありふれた言葉だったかもしれません。ただ、そこに至るまでに彼女が見せた3度の涙と、(もうこういう言葉しか残らないよな)と観る側も納得してしまうほどの、それまでのやり取りにあふれる人間味が、その言葉に説得力をもたらしていました。

ワンシャープで3回、且つ、冒頭で「(泣くのが)早いよ!」と若さんもツッコミを入れる程度には、何度も涙していた松田さんですが、ただもちろん彼女は泣くことを目的にしているわけではなく、、、

そういえば、と印象的だった過去の松田さんを思い出します。それはHINABINGOのとある回。ゲームの敗者に向けた罰ゲームがまぁまぁ強烈で、ざっくり言うと年頃の女性、ましてやアイドルにとっては、なかなかハードなメイクが彼女の顔に施されました。その瞬間は視聴者としても(これちょっと大丈夫か、、?)とハラハラしたのですが、いざ鏡で自分の姿を確認した松田さんはあっけらかんと笑っていました。まだ彼女のパーソナリティをよく知らなかったその時でも(よく泣かずに笑顔でいられるなぁ、芯の強い子なんやろなぁ)と思わされましたし、今そのシーンを思い返すと(いや、泣くとしたらここやろ)と言いたくなってしまうような、なんだか微笑ましい気分に包まれます。

柔らかく俯瞰する力

あちこちオードリーの出演時にはどういうシーンで涙していたのか?という説明は割愛しますが(本編を見ている方がほとんどかと思いますので)、要するに松田さんは「自己保身」ではなく、「自分を支える周りへの感謝」に涙をしているという風に見えます。

それを証明するように、主に前者の涙が持つ「過剰な場の支配力」が松田さんの涙にはないし、後者だからこそ「いつもありがとうございます」という言葉が特別な響きになった。若さんが彼女を評する言葉として使った「理屈でも考えられる人間」である彼女が、感受性の柔らかさも保ち続けられているという事実は、れっきとしたアイドルとしての彼女の特徴ではないかと思います。過去何度かライブ中にも涙を見せたシーンがありましたが、進行が滞ることもなく、涙が新たな笑顔を生んだシーンばかりでした。

休養を経て、新しい流れに

話は変わりますが、冒頭書いた通り、最近の松田さんは活動が活発で「好調の波に乗っている」状態かと思います。この好調の波、側(ハタ)からみていると、少し前の体調不良による休養を追い風に変えているという風にも見えます。(ちゃんとしたデータではなく申し訳ないですが、少なくとも大きなビハインドだと感じているおひさまはほとんどいないのではないでしょうか)

活動が止まっている期間が、好調のきっかけに、ということはにわかには考えづらいことで、もちろん狙ってできるものではなく、誰でもできるものでもない。個人的にはこのあたりにも松田さんのパーソナリティが一役買っているのではないかと感じています。

松田さんファンの当事者性

ちゃんとした心理学のモデルを元に、、とかではなく個人的イメージをまとめたものになりますが、ご了承ください。
全体の主旨としては「松田さんの魅力には発見の喜びがある」というものです。もっと言えば、「松田さんの魅力自体がそう感じさせる構造になっているのではないか?」という仮説です。言葉での説明が難しいので図解しますが、グループを外から俯瞰したときに、松田さんという人物の魅力は一段中に入ったところに大きく溢れている状態で「そのPrivateさも相まって一度惹かれてしまえば止まらなくなる」と言う特徴があるのではないか?と推測しています。

日向坂遊び (2)

図1.「大人数アイドルグループと芸能界」の魅力マップ

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図2.マップにメンバーごとの魅力をプロットしてみた図

いわゆるセンター|在籍段階でグループの外に波及できる魅力の持ち主
いわゆるフロント|特にグループ内で絶対的な魅力を持つ存在

そして最後に松田さん(表題フロントは未経験ということでここにプロットしました)。円のかかり方はざっくりと書きましたが、ともかく松田さんは「魅力の総面積が大きい」ということです。ということでどんどん本題に入っていきたいのですが、、、この図は誤解を招いてもしょうがない表現に見えるので、注釈を追加で入れさせてください。しつこくてすいません。(読み飛ばしていただいても本筋には影響はありません

注釈:図の意図の前提となる考え方として、私はセンター、フロント、n列目は「序列ではなく役割分担」であると考えています。また本当に大切なことは「序列という認識のもとで上を目指すこと」ではなく「グループ活動の中で自己を存分に発揮し、絶対的(周囲の環境に脅かされない強さ)なものを見つけること」。見つけたものの種類によっては、いるべき舞台がテレビや芸能界ではなかった、という結果になったとしても、それぞれの人生の中での素晴らしいプロセスであって欲しいと考えています。

本筋に戻ります。改めてとなりますが、「松田さんは魅力の総面積の大きさによって、いわゆるつよつよルックスと言ったような”多くの人にとってわかりやすいタイプの魅力”の持ち主に匹敵、あるいは一部、凌駕している」ということがこの図の主旨となります。

「似てると思う」と彼は言った

図で示した構造は、オードリーにもあてはめられるのかもしれません。コンビの外にも通じるようなわかりやすい力が「ピンクベスト、胸張り、テクノカット」であり、奥行きのある魅力の総面積が「IPPONグランプリ優勝、ラジオでの立ち回り、切れ味エッセイ、バイブスラップ」と言った具合に。

後者の方がファンが「当事者性」を持ちやすく、平たい言葉で言えば「この人のためなら、他ならぬ自分が何かをしなければ」という心理が産まれやすい。特に松田さんは、明確でわかりやすいキャラがあるわけでもない(「リトルトゥース」が挙げられるかもしれませんが)ため、体調不良による療養期間が、ある意味きっかけになり得たのかなと感じます。

これまでのグループ活動でファンが自然に触れた誠実さの蓄積に対して何かを返そうとすると言う心理が働いた。一部で物議(?)を醸した、師匠の「衣類」をめぐるやり取りも、もしかしたら「なにかしらでお見舞いがしたいファンの代弁」であったのかもしれませんし、ともすれば今回のあちこちオードリーの出演も、番組プロデューサーである佐久間さんからの快気祝いの要素を含んでいるようにも思います。松田さんの誠実さが心を打つ範囲はファンやメンバーのみならず共演者、関係者もその範疇であるということが言えるのではないかと思います。

君が幸せならばそう僕も幸せな気がする

そろそろまとめます。現時点では表題曲のフロント未経験でありながら、握手会人気はトップオブトップの集団。5thSingleの企画である個人PVの再生回数はメンバー随一と、もはや数字でも証明されている、彼女の特異性。それをもし言葉で言い表すならば「ファンやメンバー、共演者、関係者の温もりに乾かされる涙」なのではないでしょうか。

過度に抒情的な例えで恐縮ではあるのですが、私には思い出されるシーンがひとつ。以前のSHOWROOM配信で、彼女が「JOYFULLOVE」の弾き語りを試みたときに、涙が滲んでしまい曲が進められなくなってしまったことがあります。恋愛というよりも親愛に近しい、分かち合いの愛の歌。グループにとっても大切なこの歌の歌詞が、私には非常に松田好花さん的なものに聞こえます。そう考えたときに、弾き語りもままならないほど、本人が感情移入してしまう様にも納得できてしまいました。

以上です!最後まで読んでくださってありがとうございました!

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