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日和田山(岩トレ)

所属山岳会の正規の岩トレには、日程の都合がつけられずに不参加となったが、初級会員2名の技術確認の場も兼ねてもう1名の正規日程欠席の会員とともに、定番の日和田山の岩場で岩トレの補講を行った。

日和田山の岩場は、男岩・女岩というふたつの岩があり、今日は小さい方の女岩でのトレーニングとしたが、珍しく岩場が空いていて女岩を使うのは我々だけの様だ。
易しい正面にロープを張るが、初級会員用にトップロープの支点の構築から手順や注意点を伝えながら実習。設置したロープで懸垂下降をしてから、岩場の下でロープワークの復習をする。
そして、その後にいよいよ本番開始である。

一番最初に設置したバックアップ用のトップロープで懸垂下降
岩場の基部で、まずはロープワークを復習

主には、①トップでランニング・ビレイを取りながら登攀、②登ったら上部で自己確保・確保支点の構築、③セカンド以降を確保する、という流れを手際よくできるようにすることが一つの課題。
トップの登攀をビレイする際のポイントの確認と実習がもう一つの課題。
さらに、懸垂下降と懸垂下降の途中で仮固定をして確実に停止する手順の確認も行った。
最初に張ったロープは、トレーニング中のバックアップとして使う。

バックアップがあるので、トップロープでの登攀なのだが、一応トップで登るという想定でランニングビレイを取りながらロープを引いて登る。
登り切ったら、上で改めて支点を取って自己確保と後続の確保の準備を「手際よく」行う。準備ができたら後続に合図して、登攀を始めてもらう。上で自己確保を取ったら「ビレイ解除」の合図も忘れずに…。

初級会員ふたりは、基本的な流れは理解しているものの、セッティングにややもたつく場面も散見される。ビレイの仕方も、姿勢がちょっと危なっかしかったり、ビレイデバイスが手元に近すぎたりしてもう少し慣れが必要な印象である。

午前の後半から、午後にかけてそれぞれ、トップ、セカンド、ラストの役割を交代しながら登ったり降りたりを繰り返す。
また、バックアップのビレイもそれぞれが体験。

ラストが登ったら、懸垂下降用にロープをセットし直して懸垂下降で基部までもどり、役割を交代して da capo…

最後は、女岩正面前の緩い斜面を使って、初級会員に肩がらみ確保の手順を確認してもらった。
正規の岩トレの際に、初級会員が肩がらみ確保をきちんとできていなかったことが判明したのでその練習である。普通のクライミングでは絶対に使わないだろうが、沢登りの滝場の登攀では時々肩がらみでの確保を行うケースがある。
主には高さがそれほどでもなく、まず落ちることはないが保険で確保して登りたい場合など、時間の節約のために活用するワザである。ので、通常はトップがフリーで登った後に、セカンド以降(特に、初心者)が確保されるという場面が多い。

初級会員ふたりに順番で確保態勢を取ってもらい、ぼくが登攀者として確保される役目。途中で、わざとテンションをかけてちゃんと止めることができるか…というと、やはりなかなか難しい。特に、確保者と登攀者の体重差があると肩がらみでの確保は、確保の方法としては現実的ではないようだ。
…ということも、体験を通じて初級会員には理解してもらえたと思う。
ただ、技術として肩がらみの方法もきちんと実践できるように引き出しを増やしておくことも重要なので、また折を見て実践してもらうといいと感じた。

肩がらみ確保の型を確認する。緩斜面だが、敢えて後ろに倒れてテンションをかけてみてしっかり確保できているかを確かめるが…

沢登りは、整備された岩場を登るのとは異なり、自然の立木や岩などを活用して登攀、確保を行うことが多い。そのため、岩場での基本の確認・練習も大事だが、実際の沢の中で体験を積むことが大切である。
ということで、翌日は奥多摩の小さな沢でトレーニング山行を実施する。


  • 日程:2024年3月2日(土)

  • 天候:晴

  • メンバー:sm(L)、tapiola(SL)、hm、wr

  • 地形図:飯能

  • コースタイム:訓練開始(8:30)-訓練終了(16:45)

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