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【S2ダブル最終55位】百折不撓ヤミガブサーフ

こんにちは、たっぴーです。

S2お疲れ様でした。
新シーズンとなりパラドックスが解禁されたことでこの構築は使わないとは思いますが、備忘録として簡単に書いていきます。

【構築経緯】

これまでに様々な寿司構築を使っていたものの、ガブリアス入りが厳しいと感じていた。

これまでの使用構築


前期でバルドルさんが公開したタイカイデン+ガブリアスの構築をどう突破するかを常に考えて続けていたもののなかなか解決策が見えてこなかった。
そんな中でシーズン終盤でヤミカラス+ガブリアスの構築が流行り出した。カ・エールさんが終盤にレート1位を取った配信をしたことが決定的になった。

へイラッシャ自体はガブリアスに強く出れるものの、対面に寄せた前座が対面の強いガブリアスに弱く、それに加えて後発にヤミカラスを置かれることで寿司で合体するプランも通りにくい。


タイカイデン+ガブリアスが苦手

また、前期で強かったスタン寿司は対策されているとも感じた。
初手の「こだわりメガネ」サーフゴーに全力で意識を向けた構築をいくつも組んだものの、相手はガブリアスやカイリューなどの耐久の高いドラゴンを出して全体技+先制技で攻めてきて、テラスタルじゃんけんになることもあり安定しなかった。

唯一「こだわりメガネ」ウルガモス初手の寿司は強かった。
イッカネズミ+コノヨザルに対して「いかりのこな」を匂わせつつ「ねっぷう」を打つ流れはかなり強かった。
ただ、これも「こだわりスカーフ」サーフゴーの「パワージェム」で崩されてしまうこともあり安定しなかったし、やはりガブリアスがキツイことには変わりなかった。

ガブリアスを意識しながらも寿司構築やイエッサン+グレンアルマに対しても戦える構築をまとめ上げることができず、寿司構築で行く方針は破綻した。


また、毒寿司も一定数存在し、これに対してシャリタツ+サーフゴーなどの初手で解決する動きも相手視点で分かっていて、カイリューやドドゲザンを合わされたりとキツイシーンが多かった。


毒寿司も課題の一つだった

前期よりも対面の練度が上がっていて、試行錯誤の末、自分の実力で寿司構築を使っていくのは厳しいと感じた。

また、分かっていてもガブリアスが強いと感じたため、自分でも使うこととなった。

そんな中で対戦相手が使ってきた硬いイッカネズミ+コノヨザルの叩き偽装、ヤミカラス+ガブリアス+サーフゴーの並びの強さ、そこに添えた「くだけるよろい」グレンアルマの初見殺し性能や型の多さから、この6匹の並びに魅力を感じて使ってことにした。

切り替えたのがシーズン終了3日前だったので、結果を第一目標とするのであれば今日勝てる構築(=練度の高い寿司)を使うべきではあった。最後まで納得の行く形やプレイングに仕上がるとは思っていなかったし、最後まで寿司構築を使い続けたほうが勝てるとも感じていた。

ただ、S2はこれまでも気になった構築があればその都度着手していたため、それがたまたまシーズンの終わりだったというだけだった。
自分のポケモンの取り組み方のベースが「考察すること」「メタゲームの推移を楽しむこと」「その最中で試行錯誤すること」なので、目先の順位を意識してというよりかは、単にガブリアス構築視点ではどういう風にメタゲームを意識しているんだろうという好奇心ベースでの取り組みのほうが強かった。


【個別解説】






ヤミカラス

Murkrow @ Eviolite
Ability: Prankster
Level: 50
Tera Type: Ghost
EVs: 252 HP / 244 Def / 12 SpD
Bold Nature
IVs: 0 Atk

Tailwind
Foul Play  
Quash  
Haze  

先制技を受けることを意識してHBベース。もちものは耐久を上げる「しんかのきせき」。

カ・エールさんが使っていたHDベースで「ゴールドラッシュ」を耐える調整も魅力的ではあったものの、あまり使用感を変えたくなくて以前使っていた形にした。
またへイラッシャに対して後出しする際に「ウェーブタックル」を耐えてくれることも期待した。
攻撃に降っていなければ耐えるし、振られていても「フレンドガード」込で耐えてくれる。
イッカネズミとヤミカラスというサポートポケモン二匹ではあるものの、共に「いかりのまえば」と「イカサマ」で一定の打点があるため並ぶことも少なくなかった。

ワザは基本の「イカサマ」「くろいきり」「おいかぜ」は確定。
無難に「イカサマ」が強く、ガブリアスやカイリューと良く打ち合ってくれた。ヤミカラスは弱いと言われ続けていたが、体力を削れていないヤミカラスを放置すると「イカサマ」で案外きつくなる。
ラストは「おいかぜ」ミラーでガブリアスにサーフゴーが先制できたり、「おいかぜ」を必要とせずとも逆転できる「さきおくり」とした。

テラスタルはゴーストで、「しんそく」を耐えるために稀に使った。明確に倒し切ることも重要なので、悪も一考の余地があったと感じる。

サーフゴー

Gholdengo @ Choice Specs
Ability: Good as Gold
Level: 50
Tera Type: Steel
EVs: 164 HP / 4 Def / 212 SpA / 4 SpD / 124 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
Make It Rain
Shadow Ball
Thunderbolt
Trick  

H-B:マスカーニャの「はたきおとす」確定耐え
S:大抵の耐久サーフゴー、「くだけるよろい」グレンアルマ抜き(実数値120)
C:残り

おいかぜ時にこだわりスカーフコノヨザル抜きの118~119ラインのサーフゴーやグレンアルマが多かったため、最低限の耐久を確保してすばやさに降った。
耐久はBに回すことでよりCを伸ばせるものの、サーフゴー対面でゴールドラッシュを打ち合ったり、半減の「ぼうふう」や「ハイパーボイス」などを被弾し続けることからHを優先した。

以前のイッカサーフではS115で、「こごえるかぜ」でガブリアス抜きの114ラインを抜けるようにしていたものの、今期は「おいかぜ」を使うことや、耐久サーフゴーミラーが多発すると感じなるべく早くした。
火力面はそこまで困らなかった。以前まではC全振りで使っていたものの、大抵のメガネサーフゴーが火力を削って耐久とすばやさに回していた事を見て、多少削っても問題ないだろうと推測した。
むしろ倒しきれないぐらいでも「フェイント」で倒す動きで盤面に縛れてありがたいこともあった。
前後直前で公開されたがはくさんのビビヨンサーフ構築のサーフゴーのすばやさが119なのもあって後押しになった。

ワザは「ゴールドラッシュ」「シャドーボール」は確定で、雨パーティや水テラスタルに強い「10まんボルト」、残りはキョジオーン対策として「トリック」を採用した。
基本ワザは2つでいいため、他のワザは自由。「10まんボルト」はその中でもかなり重宝した。

「まもる」は「トリック」した後に奇襲で使えるもいいし、「トリック」前に使って「こだわりメガネ」でないと思わせるため強そうだったものの、練度が足りていないのもあり実際に使うイメージが沸かなかったため不採用。

「パワージェム」は主にウルガモスに対して使うものの、大抵はテラスタルを切られてしまうし、ガブリアスで見ていることのほうが多いので打つシーンは少なく不採用とした。

テラスタルタイプは「はがね」。
単に火力を上げるのが偉く、相手視点で分かっていても強い。一度使うと他のテラスタイプには戻れないぐらい爽快で、今シリーズを代表するポケモンたりえるスペックだと再認識した。

ガブリアス

Garchomp @ Life Orb
Ability: Rough Skin
Level: 50
Tera Type: Ground
EVs: 252 Atk / 4 Def / 252 Spe
Jolly Nature

Earthquake
Dragon Claw
Rock Slide
Protect  

一般ポケモンに対して絶大な強さを誇る最強ポケモン。
配分は無難にAS。

ワザは基本の3つと「いわなだれ」。
「いわなだれ」はヤミカラスを削ったりウルガモスに打ったり、体力ミリのポケモンを削り切りながら横を削るのに偉かった。とりあえずワンチャンスを作るワザとしても偉かった。
ウルガモスに対しては大抵はテラスタルを切られることと、HBだと耐えられてしまうことからもあまり良くなかったかもしれない。

持ち物は雑に強い「いのちのたま」。
ただ耐久が減るのも痛いシーンが多く、イッカネズミでのサポートがあることか意外と行動保証があるため他の持ち物でも良いかもしれないとも感じた。
実際に上位プレイヤーは「じだんだ」+「やわらかいすな」を採用していたのを見て、「じだんだ」であれば横のイッカネズミやサーフゴーを巻き込まずとも削れるし、ヤミカラスやカイリューで透かされた後も強く使えることから確かにとなった。

テラスタルタイプはドラゴンを消せて火力を上げる「じめん」。
ただこれも水や草が弱点になることから、「はがね」も良い。じめんで一旦は受けてもその先が繋がらないのはケンタロス、マスカーニャ、セグレイブあたりを相手していて強く感じた。
ただ「じしん」と「ドラゴンクロー」の駆け引きは怖かったし、安定して雑多に強くありたいと感じていた。

持ち物、ワザ、テラスタイプ共に全体的に雑に使っていたため、勝ちきれなかったのも当然で、思考停止で使っていたなと感じさせられたが、それでも余りある強さが解決してくれていた。


イッカネズミ

Maushold-Four @ Rocky Helmet
Ability: Friend Guard
Level: 50
Tera Type: Ghost
EVs: 252 HP / 244 Def / 12 Spe  
Impish Nature

Protect
Feint
Super Fang
Follow Me  

HBイッカネズミ。コノヨザル入りであるものの叩かない形。

ワザは前期から使っていた4枠。叩きコンボも使っていたものの、「まもる」や「このゆびとまれ」などの択がわからなかったため、サーフゴーと並べて強い形に。
慣れている構成であることで立ち回りが見えてきやすくて解決できる部分が多かったと感じる。

テラスタイプは前期と変わらず「ゴースト」で、これも雑にカイリューの「しんそく」を意識した。

よくガブリアスと並べることがあったものの、攻撃技が「フェイント」と「いかりのまえば」で噛み合わずテンポが悪いなと感じていた。
上位プレイヤーが殴れる上に叩ける「こうかくレンズ」+「ねずみざん」を採用しているのを見て明確な差を感じた。

たしかに大抵のプレイヤーが「ゴツゴツメット」警戒で攻撃してくる相手は少ないし、「はたきおとす」を受けて「ゴールドラッシュ」で倒すようなイージーウィンはすでに使えないものになっていたことに気づけなかった。

思考停止していたのでその先に進めなかったと感じるが、ただそれも手探りの状態だったためやむなしだったようにも思える。先に進んで勝つべくして勝っていたプレイヤーの努力を素直に褒め称えたい。


(さしすとじーん強すぎ!!)


コノヨザル

Annihilape @ Sitrus Berry
Ability: Defiant
Level: 50
Tera Type: Water
EVs: 252 HP / 36 Atk / 44 Def / 52 SpD / 124 Spe
Adamant Nature

Protect
Drain Punch
Rage Fist
Bulk Up  

イッカネズミの横で並べて選出圧があること、格闘打点としてサーフゴーが通りにくいドドゲザン入りに対しての活躍を期待した。

配分は雑に投げて強いHAベースで、SはS120付近のポケモンが多いためそれ以上は振りたくて、カ・エールさんが使っていた個体を抜く個体とした。

Aは11n、耐久はHに全振りし、雑にBDに振り分けた。

イッカネズミ+コノヨザルは叩きコンボをしてこそだと思っていて、実際に後発から投げるような展開は強くなかったため選出率も圧倒的に低かった。
以下の記事を読んでいてもそう感じさせられる。


形から入ったものの、あまりにもこの並びでの耐久イッカネズミを使うプレイヤーが多かったことから実際に「ふくろだたき」コンボをしてこないと踏んだ上で動かれると感じ、採用率も低くなった。
また相手視点でもイエッサンやウルガモスやモロバレルから入るのが安定する上に、こちら側がきつくなることが多く、自然とイッカネズミ+サーフゴーorイッカネズミ+ガブリアスのような選出を強いられた。
変える選択肢も充分にあったものの、選出誘導力が変わってしまうと噛み合わなくなることを嫌ったこと、目先の立ち回りの向上を優先させたかったため、結果的に「なんちゃって偽装」という形になってしまった。

グレンアルマ

Armarouge @ Psychic Seed
Ability: Flash Fire
Level: 50
Tera Type: Dark
EVs: 244 HP / 212 SpA / 52 SpD
Quiet Nature
IVs: 0 Atk / 0 Spe

Armor Cannon
Expanding Force
Ally Switch
Protect

イエッサン+グレンアルマへのピンポイント対策として採用した。

「くだけるよろい」+「じゃくてんほけん」型は警戒されるだろうという点、「おいかぜ」パーティではイエッサン+グレンアルマがあまりにもしんどかったため、一枠で解決することを期待した。

配分はHCベースで「トリックルーム」相手を意識して最遅。
Cを削ってDに回しても良かったが、特にこれといった配分も思いつかなかったため、ボックスに居たサザンドラの「りゅうせいぐん」を耐える個体をそのまま使った。

持ち物はサイコフィールドタダ乗り用の「サイコシード」。
ワザは「ワイドフォース」は確定で、「トリックルーム」ターンを凌ぐ「まもる」、「ワイドガード」に影響されない打点として「アーマーキャノン」、残りは隣を動かせる「サイドチェンジ」を採用した。

特性はグレンアルマとコータスに強い「もらいび」で、テラスタイプはエスパーワザを無効にできる「あく」。
炎エスパー無効で、これだけで相手のグレンアルマを詰ませることもできた。

「あくのはどう」で遂行速度を上げることもできたが、それよりも「サイドチェンジ」を使ってみたい好奇心のほうが勝った。


サイドチェンジで被害にあった皆様、大変申し訳ございませんでした。
^^v


【選出パターン】


イッカネズミ+サーフゴーorガブリアス
後発でヤミカラス+サーフゴーorガブリアス
がほとんどだった。

対「トリックルーム」に対してはグレンアルマ+サーフゴーから入り、雑に削りながら「サイドチェンジ」を絡めてガブリアスで〆る動きをした。

ヤミカラス+サーフゴーの並びから、ヤミカラス+ガブリアスで「じしん」を強く使ったり、これまでにもやってきた硬いイッカネズミ+サーフゴーもできる。イッカネズミ+ガブリアスの並びも強かった。

コノヨザルもグレンアルマもコンボに寄与していなく、選出率が著しく低かった。後発からイッカネズミを投げてサポートする展開もあったものの、あまりイメージがつかずにできなかった。

この6匹の並びでガブリアス+「くだけるよろい」グレンアルマで「じしん」+「じゃくてんほけん」の動きもされた。初見殺しでどうしようもなく、ミラーにも様々な対面にも強い動きで感動した。
他の構築に比べてプレイングでどうにかする割合が高い構築であると感じるものの、それにしては構築が弱くプレイの比重が高かった。


【結果】

30位~100位をうろうろして勝ちきれないシーズンだった。
勝率は6割ほどで、最上位帯では1勝1敗の試合が多かった。

【おわりに】

取り急ぎ、シーズン最後に使用した構築記事でした。

最上位帯での試合は読み合いが非常に難しかったものの、TOP100まではレート2000だったことを踏まえると、競技的に6年振りにポケモンに取り組んだ身としては妥当な結果にも思えます。
むしろ、即興でトライしたにしては頑張ったほうかなとも思えます。

リバティ圏内と言われる30位代に行ければいいぐらいで取り組んではいましたが、むしろS1のが出来すぎでした。
一度高い順位が出てしまうと以後はそれに引きづられてしまいがちですが、大切なのは相対的な結果よりも過程だと感じていて、右往左往しながらも充実した取り組み方ができて過程にも概ね満足しています。

結果面では、最終日に高レート帯で1勝1敗を繰り返すよりかは高い勝率での2桁フィニッシュができることのほうが重要です。
試合数の限られるINCではランクマッチのように戦い続けて傾向を知るということはできないし、競技志向をするのであれば量よりも質を意識していくべきです。
「対戦数を重ねて構築に慣れて勝つ」よりも「細かいプレイミスをしないぐらいの判断力と論理的思考力を磨く」「意味のあるプレイをする癖を付ける」ことのほうが本質的だと感じます。

事前の組み立てで勝ててしまう寿司に甘えず、目先の負けを受け入れながらも先を意識して取り組めたことでしっかりと自分の実力不足を認識できて、まだまだこれから成長していけると感じた、実りのあるシーズンでした。

今期の取り組みは以下のようなマインドマップでまとめてはいましたが、シーズンの最中では整理するのが精一杯で、分析する余裕はなかなかありませんでした。


上記の考察は配信内で作ったもので、対戦以外にも考察したり分析したりもしています。
大抵世にでてくる記事とかってシーズン終わりでまとめのものが多くて、こういったリアルタイムのアウトプットを見れる機会ってなかなかないよな~と自分でも思ってます。
シーズン中のまとめも現状を整理したものだったりで、その後に繋がる仮説検証だったりまで追求までしているのはなかなかないと思います。

なかなか本質的なものに繋がる機会は少ないですが、100個作って1個当たりが出れば良いぐらいでやってますし、なによりその考察の過程が楽しくてやっているので全然苦じゃないのも好きポイントです。

なにか一つでも気づきのきっかけになれば嬉しいです。気になった方は遊びにきてください!

S2のメタの振り返りと、そこから傾向を分析して次シーズン以降に活かせるような考察も別の記事で書きたいと思ってます。そちらもよければよろしくお願いします。


ということで以上です!最後まで読んで頂きありがとうございました!


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