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【SVダブル】S1最高10位 バンギルガンドラパ寿司

こんにちは、たっぴーです。

S1の中期で使用していた「バンギルガンドラパ寿司」の構築紹介記事です。

記事自体は事前に自分用の言語化として残していたのですが、シーズン中の変化が目まぐるしく推敲する余裕がありませんでした。
シーズン終盤は以下の構築をずっと使っていました。


今回の構築は今となっては情報が古いと思うかもしれませんが、そのぶん思考過程には自信があります。
シーズン開始から爆速のメタゲームを追いつつも新要素のテラスタルを含めた思考過程について参考になればと思い投稿することにしました。

それではどうぞ!

【戦績】

最高10位(12/20時点)
月末の結果ではないものの、強者の情報がそこまで出回らない上にメタゲームが速い雑多環境で難しい中で、SVから復帰した身としては充分な結果だったかなと思います。


【構築経緯】

これまでにヤミカラス入りスタン(ヤミカラスサザンドラガブリアスサーフゴーマスカーニャニンフィア)で2桁順位をウロウロしていたが、ある日を堺にびっくりするように勝てなくなってしまった。

理由としては以下の要素が考えられる。

・ヤミカラス入りの並びへの対策がしっかりしてきた
・へイラッシャの数が減った
・全体的にプレイヤーの練度が上がった
・上位帯の強いプレイヤーと当たる機会が増えて「これまで勝てていた小手先の立ち回り」では通用しなくなってきた
・テラピース等の準備もできてレンタルを使ってみるフェーズが終わったことで新たな構築がでてきて、決めた選出通りで勝てる試合が減った
・自分自身が順位を意識して負けたくないという気持ちが保守的な選出や立ち回りになってしまった
・対戦経験を積んだ結果、知れば知るほど対策が必要なポケモンや新たな可能性が増えてきて、新しい構築や個体に踏み切るのに時間がかかってしまった

ヤミカラス入りスタンはヤミカラスサザンドラガブリアスサーフゴーマスカーニャまでは良くて、残りの1枠を悩んでいて、友人とも議論したがあちらが立てばこちらが立たずといった状況で停滞していた。
そのため一旦手放すことにして、新たな構築を探す旅に出た。

新たな構築では、ざっくりと以下の要素を満たしたいと考えた。

①シャリタツ+へイラッシャが強力なので使いたい
②その上でシャリタツ+へイラッシャにも強く出れるパターンを用意しておきたい
③ヤミカラスを中心とした「くろいきり」持ちへの選出誘導力を活かした選出をしたい
④ヤミカラス入り、シャリタツ+へイラッシャ以外(壁、天候、トリル)に対しても勝ちきれるパワーのある構築に仕上げたい
⑤「テラスタルじゃんけん」にならないようにしつつも高圧的な並びを保持して、受けに回りすぎないようにしたい

①シャリタツ+へイラッシャが強力なので使いたい

これはいわゆる「カ・エール寿司(シャリタツへイラッシャニンフィアマスカーニャウインディサーフゴー)」を使っていた時に感触が良かった。

また、使い手側に回ることでメタの視点も学ぶことができると感じたものの、常にシャリタツ+へイラッシャ側に択が有利なシーンが多いと感じた。

へイラッシャを倒した後のシャリタツが強い点、へイラッシャ+何かの時にシャリタツ交代とへイラッシャの横を動かす二択を迫ることができる点が強力で、後者については自分視点では裏目が少ないものの相手視点では外す可能性が出てくる。サイドチェンジのような状況を押し付けられていて強い。

②その上でシャリタツ+へイラッシャにも強く出れるパターンを用意しておきたい

ミラーマッチでは大抵の場合高圧的な2体+後発でシャリタツ+へイラッシャなことが多く、初手で1体倒して残りはへイラッシャミラーでTODするのが一般的になりつつある。

そういった状況では初手の噛み合いゲーになってしまいあまりに不安定なため、改善する必要がある。初手で勝てるかどうかは難しいし、「くろいきり」や「クリアスモッグ」での対策は選出のパワーが足りなくなったりパーティの枠を狭めてしまうことにも繋がりなかなか難しい。

それであれば初手の高圧的な選出で競り勝つための研究をしつつも、仮にダメだった場合にもなんとかできるアプローチを用意できれば最善だと判断して取り組むことにした。

③ヤミカラスを中心とした「くろいきり」持ちへの選出誘導力を活かした選出をしたい

へイラッシャ対策として相手は後発に「くろいきり」持ちを出していることが多い。自分自身も初手から高圧的な並びを作って倒し、合体を余儀なくさせることで、死に出しからヤミカラスを投げて勝つといったイージーウィンの試合を何度も繰り返してきた。

先発だと倒した後でへイラッシャを展開すれば良いため問題ないが、後発にヤミカラスを置くのはまだ未開拓だったため刺さっていた。ただこれも開拓されてきたことで、先発で高圧的+後発ヤミカラスの流れを見るようになった。

そのため、選出にシャリタツ+へイラッシャを入れないことで成り立つ並びができれば強いだろうと感じた。

④ヤミカラス入り、シャリタツ+へイラッシャ以外(壁、天候、トリル)に対しても勝ちきれるパワーのある構築に仕上げたい

どの構築にも言えることではあるが、トップメタを意識しすぎて構築のパワーが落ちてしまうことはよくある。

追い風スタンはファイアローやタイカイデン、壁であればオーロンゲ、天候であれば雨と砂、トリルであればイエッサン+グレンアルマに勝てる形を意識したい。

ただしどれにも勝てるようにして中途半端になるのは良くないし、完璧に対応するのは難しい。すべてを切るのは厳しいが、何が厳しくて把握しておく必要がある。

メタを予測して切るところを決めたり、基本選出のパワーでなんとかするといったように塩梅を効かせた調整をしたい。

⑤「テラスタルじゃんけん」にならないようにしつつも高圧的な並びを保持して、受けに回りすぎないようにしたい

「テラスタルじゃんけん」の例えとして、サザンドラ同士の対面で、テラスタルを切らないか鋼か炎か、それを見越して「りゅうせいぐん」や「ねっぷう」を打つか、といった択が存在する。

同速が発生する上で、受け身でテラスタルを切らざるを得ないような展開は次に繋がらないし、噛み合いや運もあるのでなかなか反省しにくく、構築の発展が見込めなければプレイヤースキルも上がりにくい。仮にメタを理解して最適な行動を身に着けたとしてもそれはそのメタでの動きであり、環境初期なのもあって現に3日もすればメタが変わってしまう。

最初はSuicaさんの毒テラスメガネサザンのレンタルが流行り、炎がないためそこに合わせて鋼を切る展開が良かったのが、今度は炎テラスタルでドラゴン弱点を消しつつ全体技でもある「ねっぷう」で鋼に対して対抗するという動きも見られた。

それを見越してテラスタルなしで「りゅうせいぐん」を通しに行ったり、「ハバンのみ」を持たせて「おいかぜ」をするサザンドラも出てきた。

毒テラスタルは、ニンフィアに強く出れた上で鋼と違って炎に弱くなくなるのが良い点で、鋼はそのカウンターとしても、ガブリアスやサーフゴー対策としても評価された。

「ハバンのみ」サザンドラの背景として、後発ヤミカラスやゲンガー等の「くろいきり」持ちが評価されてからはヤミカラス+サザンドラというおいかぜの並びではなくそれ以外の並びで強く動くほうが良いとなってきたように感じる。ただサザンドラだけに注目するだけでなく、このようにトレンドを追っていくことも重要だと感じる。

ただそれは人によってメタの捉え方は変わってしまうし、実際はぶつかるのは怖い。

先に切らせて後から対応するほうが安定するだろうし、実際に高圧的な並びを押し付けられてテラスタルを切らざるを得ない状況に持ち込まれたのが嫌だった経験があるため、そのような構築を目指せると良いと感じた。


環境調査

上記を満たせるようなパーティをすぐには思いつかなかったので、まずは他の方の並びを参考にすることにした。

「カ・エール寿司」では初手からスカーフやハチマキ持ちを並べて圧をかける動きが強かったので、取り入れていきたい。

シャリタツ+へイラッシャであればマスカーニャに対してテラスタルを強要されるため、切らされてからの動きも意識したい。

いい並びはないかと調べていたところ、海外の大会で勝ち上がっていたバンギラス+ルガルガン+ヘイラッシャ+シャリタツの並びに興味を持った。



1枚目と4枚目はtop8の中に2人で優勝、3枚目はtop8の中に3人で優勝と、@2の並びは違えど強力な並びであると推測して使ってみることにした。

横並びで強いポケモンを入れる構築は、一つだけでなくそれ以外も横並びを強くするのが良いと思っていて、シャリタツ+へイラッシャの並びにも同じことが言えると思っていたのでちょうど当てはまりそうな並びが出てきてよかった。

過去に雨サナバレルやリザバナクレセドサイを見てきた経験も大きい。

グレンアルマ+イエッサンしかり、マスカーニャ+ニンフィアも並びとしての強さを感じていたところだった。

@2のレパートリーはいくつかある。イエッサングレンアルマは試しに使ってみたものの選出パターンに慣れていないのもあって難しかった。

カ・エール寿司でも強かったニンフィアマスカーニャは気になったものの、ある程度は強いだろうというのは分かっていた。

何よりコノヨザルが気になったのでコノヨザル+ヒートロトムを選んだ。
バンギルガンの並びを使う上でまけんきコノヨザルを置くことで威嚇を牽制できるのが良いと判断した。スカーフいのちがけ型だとバレたとしてもウインディやギャラドス、ケンタロスなどではなかなか初手から出せなくなるし、元々バレた上で強いというのはパワーがある証拠だとも感じた。


使用感

・コノヨザル

選出をせざるを得ない時にいのちがけを使ってしまい、ヘイラッシャとシャリタツの合体を余儀なくされ、くろいきりやクリアスモッグで詰められるといったシーンが多かった。

かといって相手のコノヨザルの処理はバンギラスの飛行テラスタルやなだれ怯みなどの強引な手段になってしまうし、壁や猫騙し、まもるの透かしなども踏まえると安定しないと判断し、違う並びを探すことにした。

バンギラス+ルガルガン+コノヨザルの並びは強く、ルガルガン+コノヨザルからスタートしてスカーフ「とんぼがえり」からバンギラス後出しする動きで「すなかき」を発動させる動きは良くて、そこは活かしつつ違う並びを模索した。

・ヒートロトム

ニンフィアやサーフゴーに対してのクッションとして作用するが、受け身に回るため択が発生しなかなか安定しなかった。

最初は使い慣れていないからなのもあると判断したが、使い慣れていくうちに1ミスが命取りになったり選出段階でリスクを背負わなければいけないのは強くない証だと感じた。

とはいえニンフィア+サーフゴーの対策自体は必要だと感じ、これらには炎タイプが適任なため模索していくことにする。

要素の分析

求められる要素

①マスカーニャより速く「とんぼがえり」ができる
②崩し性能かスイーパー性能がある
③他の並びとの相性がいい

メタ対象

①へイラッシャの障壁
・くろいきり
ヤミカラス、トリトドン、シャワーズ
シャリタツ+へイラッシャ選出の場合に、これらの前に出てくるポケモンに不利を取りにくく場持ちが良いこと
・弱点タイプ
草:マスカーニャ、草テラスタル系統(グレンアルマ等)
電気:パーモット、水ロトム、タイカイデン

②バンギラス+ルガルガンの障壁
・弱点タイプ
格闘:コノヨザル、パーモット、キノガッサ
トリックルーム:イエッサン、グレンアルマ等
・全体技+先制技、素早さ操作+全体技の並びでへイラッシャが苦手とする相手を含むもの
マスカーニャ+ニンフィア、ヤミカラス+サーフゴー、タイカイデン+ガブリアス

改善案①ドラパルトの採用

このあたりを解消できるポケモンを模索した結果、マスカーニャを素で抜けるドラパルトが良いとなった。

持ち物はハチマキが強く、オーロンゲ+コノヨザルに対して「すりぬけ」+ハチマキ「ドラゴンアロー」で「リフレクター」を無視してH振りコノヨザルを落とし切るという性能があり、パーティの苦手なところをカバーしてくれて非常に良いと感じ、このイージーウィン性能を評価した。

ドラパルトはコノヨザルと違って撃ち合えることで物理か特殊かも分からない上に、ねこだましも効かないといった点でオーロンゲの前での行動が裏目りにくく、「クリアボディ」なこともあるため「すてゼリフ」は打ちにくく、相手の出したい行動に対して相当マッチすると判断した。

ルガルガンと合わせて高圧的に攻撃していくことでそのまま勝つこともできて、選出誘導力が高いこのパーティの強みが活きていると感じた。

ワザ構成は範囲削りの「ドラゴンアロー」、一致打点でニンフィアに使える「ゴーストダイブ」、対面操作やマスカーニャへの打点としての「とんぼがえり」、ラスト一枠は「ふいうち」も悩んだが、相手の「ふいうち」を透かしながら動けてマスカーニャ対面が安定したりへイラッシャにも使えるため、ハチマキながら「おにび」を採用することにした。

一方でドラパルトだと倒しきれない相手も出てきて、ねこだまし+すばやさ操作+全体技に対しての耐性が低く、パーティ的に「いかく」を誘うことからも「すりぬけ」のドラパルトの攻撃が下がってしまい、相手との噛み合いが悪い時もあった。

ヒートロトムでのサイクルを前提とすると上手くいかないシーンもあり、相手もそれは分かっていて、初手の2匹から裏の2匹を想像されると読まれてしまいがちだとも感じた。

「トリック」での崩しや貴重な特殊打点でオーロンゲへの遂行もできて悪くもなく良くもないという感想。

ただほのおタイプ自体はニンフィアやサーフゴーに対して強いと感じたため、模索していくことにする。

苦手の洗い出し

ここまでで厳しい相手は以下の通り。

・「ねこだまし」or「このゆびとまれ」or「いのちがけ」等のサポート+「トリックルーム」

展開役:
ハリテヤマ+リキキリン
イエッサン+グレンアルマ
ヤレユータン+コノヨザル

アタッカー:
ドドゲザン、ニンフィア、サーフゴー、コータス

「クリアスモッグ」枠:
グレンアルマ、モロバレル、トリトドン

詰ませ役:
キョジオーン、ラウドボーン

・先発でドラパルトが苦手な相手+後発で「くろいきり」
先発:マスカーニャ、ニンフィア、サーフゴー(テラスタルやハバンサザンドラ)
後発:ヤミカラス、ゲンガー等

・炎タイプ+草タイプ
グレンアルマ、ウルガモスなどの草テラスタル
マスカーニャ+サザンドラor炎テラスタルニンフィア

耐性を持たせるためにへイラッシャが草テラスタルをすると炎で倒されてしまうし、打点がなくなる上に打点を持たれてしまうのが懸念点

前者に関しては完全に打ち負けてしまう事が多く後者に関しては打ち合い自体はできるものの厳しいシーンが多い。
草タイプに対して明確に対策を施す必要がある。

・フェアリータイプ
ドラパルトの「ドラゴンアロー」で削れず、弱点で倒されてしまうため

・マスカーニャの驚異

マスカーニャ単体は草テラスタルを切ることでなんとかなっていたが、それ以外の相手も加味すると安定しない。

半減でも「トリックフラワー」のダメージは痛いし、テラスタルを読まれて「はたきおとす」を打たれるのも回復量が減って厳しくなる。

「いっちょうあがり」ですばやさを上げて攻撃しようにもいのちのたま反動込で耐えられるし、「ふいうち」の削りや「まもる」の択もあって安定しない。

これを対策するためにドラパルトの「とんぼがえり」からすなあらしやルガルガンで倒そうとしたものの、「まもる」でスカされたり、強化アイテム持ち「ふいうち」で倒されたり、スカーフ持ちのへんげんじざい「じゃれつく」や「はたきおとす」で虫ワザの耐性を付けながら倒しに来たりとやりたい放題されてしまい安定しない。

最初は「とんぼがえり」でマスカーニャを倒す流れで順調だったものの、途中から安定しないことに気づいた。

マスカーニャがきあいのタスキを持っている場合が多く、「とんぼがえり」を打っても耐えられてしまうし、強化アイテムやこだわりスカーフの場合は「ふいうち」や「じゃれつく」などで倒されてしまう。

コノヨザルからドラパルトに変えたことで自分視点はやっていることが一緒なので気づかなかったものの、相手視点ではテラスタルを切られてしまったり補助ワザを使われてしまうと思うと迂闊に攻撃ができず、たまたま噛み合って通っていただけだと気づいた。

またバンギラスの選出を強要されるとシャリタツ+へイラッシャを出せずパーティパワーが落ちてしまうし、ドラパルトのテラスタルを切ってしまうとバンギラスの打ち合い性能が落ちて、ただ上から殴られ続けてしまう枠として一枠を無駄にしているようにも感じた。

マスカーニャの数は非常に多く、ここに向き合わないと勝ちきれないと感じたため考察を進めることにした。

改善案②ウインディの採用

くさタイプとフェアリータイプに強いウインディを採用することにした。

いかくで強化アイテム持ちの「ふいうち」を耐え、「しんそく」できあいのタスキで耐えたマスカーニャを倒せて、「バークアウト」でイエッサン+グレンアルマを牽制できるのが強みで、非常に構築にマッチしていた。

現環境は特殊に寄っている上に「まけんき」のドドゲザンやコノヨザル、「かちき」のタイカイデンも居るためあまり使われていないポケモンではあるが、「まけんき」に対しては選出パターン的に発動させても問題なく、「かちき」のタイカイデンに対してはバンギラス+ルガルガンの選出で対応するため問題ない。

残りのワザは一致打点としての炎で、「しんそく」の威力を加味して物理打点で採用したいと感じたため「フレアドライブ」、ドラパルトの火力を押し上げる「てだすけ」とした。

ヒートロトムを使っている時に「まもる」がなかったのが気になったので「まもる」を採用していたものの、柔軟に対応するよりかは押し付けの幅を広げたほうが強いと感じたためなしで採用することに。

また、最初は草テラスタルで「おにび」を持たせてへイラッシャやガブリアスを意識したような型にしていたものの、その立ち回りは弱いと判断したため不採用に。

そもそもそれらの相手に草テラスタルを切って打つことが少ないし、ドラゴンテラスタルを切ったりへイラッシャ用に残したいシーンも多く、違う選出で対応するべき。

コンボの並びであれば個体としての汎用性よりも出すよりも役割対象を意識することが大切だと感じた。

また、ドラパルト+ウインディと並べることで、見せ合い段階で「ふくろだたき」+「せいぎのこころ」コンボを勝手に想像してくれる付加価値もあった。実際には今作のドラパルトは「ふくろだたき」を覚えないものの、対戦した相手の動画を見たところ、そのコンボかもしれないと悩ませていた。それもただのコンボではなく通したら負けレベルでもあるコンボでもあったため、ミスリードを誘発できていたのも推しポイント。
実際にバンギラス+ルガルガンやへイラッシャにも強い「いかりのこな」持ちモロバレルから入られるシーンもあったものの、全て「ドラゴンアロー」で破壊した。

改善案③へイラッシャの考察

最初は原型のままで「おにび」「キノコのほうし」「クリアスモッグ」などをケアる「みがわり」採用型で、草半減の草テラスタルで採用していた。

ただそういった保守的な思考では勝ちきれないことが多く、必要になるのはワザでの対応ではなく立ち回りや選出の問題だと感じた。

・「テラバースト」(飛行)+「じしん」

草タイプについては飛行テラスタルのテラバーストで倒したほうが早くて、被弾が少なくて済むと良いと判断した。

グレンアルマについては「エナジーボール」をケアしても倒しきれなければ「アーマーキャノン」を受けてしまうし、マスカーニャに至ってはテラスタル読みで「はたきおとす」を使ってくる。「いっちょうあがり」ですばやさを上げて倒そうにも、「まもる」の択まで考えると安定しないし、「いっちょうあがり」「みがわり」型では「じしん」の採用の枠が無くて、ギリギリまで削ったマスカーニャを倒せないかもしれない。

横の攻撃が急所に当たってしまったり、「まもる」の択を考えると「じしん」は採用したい。

ひこうテラスタルと「みがわり」の両立は厳しい

炎タイプ+草タイプに対しては草テラスタルでは不利で、そういった驚異をケアしながら立ち回りや選出をするからこそ「みがわり」がいいと思っていたことに気づいた。

また、へイラッシャミラーのTODで「みがわり」が強いと聞いて居たものの、相手のワザ構成次第では一体倒して「まもる」するだけで間に合ってしまうので必要ないと感じた。

「みがわり」があると急所のリスクを排除しつつ確定でTODできるものの、無くてもTODされた時に、必要ないのでは?と感じ始めた。

また、テラスタルしてマスカーニャの「トリックフラワー」を耐えようとしても、「はたきおとす」でたべのこしを奪われてしまうと、こちらからのTODができなくなってしまう。

ひこうテラスタルの場合だと相手の水技が等倍で通るようになってしまうし、ひこうの場合だと明確に「テラバースト」を入れたいため、「みがわり」とは相性が悪い。

そして相手のTODに対してもひこう「テラバースト」であれば高乱数で「みがわり」を壊すことができる。

このように、テラスタルのタイミングはある程度想定でき、詰将棋のような形で想定することもできるが、

テラスタルの種類や「はたきおとす」などが絡むと様々な状況が想定され、机上で考えるには収拾が付かないと感じるため、一旦は目先の炎+草に強いという形を優先することにした。

「ウェーブタックル」「いっちょうあがり」も選択で、マスカーニャに対して「いっちょうあがり」から入って上を取り「じしん」という択も良いが、雑多な相手に負けないほうが良くタイプ一致技として持っておきたいし、きあいのタスキでなければひこう「テラバースト」で一発で倒せるし、隣の「いわなだれ」や「バークアウト」、「しんそく」などで削れた後に合体せずに単体で落としにいけるなど、パーティのポテンシャルは相当に高いし、やってみないと分からないことは多い。

「みがわり」をなくしたカバー

立ち回りや選出でカバーできると判断したので言語化していく。

1.妨害ワザを打ってくる相手に対応する
2.シャリタツ+へイラッシャ選出をしなくて済むパターンを作る
3.へイラッシャミラーでTODに持ち込まれないような選出をする

1.妨害してくる相手に対応する

モロバレルやグレンアルマの「クリアスモッグ」は、飛行テラスタルの「テラバースト」で倒す

トリトドンの「クリアスモッグ」、シャワーズの「くろいきり」、ゲンガーの「くろいきり」は「ドラゴンアロー」で倒す

「クリアスモッグ」や「くろいきり」は事前に「トリックルーム」や「おいかぜ」を絡めて打ってくるパターンが多く、それらに対してドラパルト+ウインディで対処することで、相手に綺麗に動かせないようにする。

「ドラゴンアロー」や「いわなだれ」で上から攻撃してひるみや急所を狙ったり、ウインディのいかくや「バークアウト」でデバフをかけることで交代出しを許さなくしたりと、常に何らかの圧力をかけることが重要。

・トリックルーム

リキキリン+ハリテヤマであれば「てだすけ」+「とんぼがえり」で「ねこだまし」+「トリックルーム」に合わせてリキキリンを倒しに行ける。

ヤレユータン相手はBに厚く振っている事が多く、コノヨザルで確実に「トリックルーム」を通そうとしてくるので、バンギラス+ルガルガンで「いわなだれ」+飛行テラスタルしながら「ダメおし」で倒すのを狙う。

いわなだれを当てないといけないため81%ではあるが、「いのちがけ」も「インファイト」も両方ケアできるし、万が一どちらかに外れても「インファイト」であれば耐えたり「いわなだれ」で怯んだりしてコノヨザルが退場できなくて、「トリックルーム」ターンを消費しながらバンギラスで上手く立ち回れるパターンもある。

イエッサン+グレンアルマに関しては「バークアウト」を打ちつつ「トリックルーム」のターンを稼ぐ動きが強く。

イエッサンの「トリックルーム」+グレンアルマの「ワイドガード」のパターンもあるため、バンギラス+ウインディのような露骨な選出だと防がれてしまうため、ドラパルトでドラゴンアローを打ちながらのほうが、ゴーストワザの「シャドーボール」をケアしてグレンアルマのエスパーを消すために草テラスタルを切らせたり、「このゆびとまれ」を誘発できて圧がかかるのが良い。

特攻が下がってもサイコフィールド下での「ワイドフォース」は手痛いので、悪タイプのバンギラスを後出ししたり、ウインディで悪テラスタルする動きで切り返すと良い。

・おいかぜ

「おいかぜ」については両立するのがヤミカラスぐらいで、すばやさ操作を持ちながら対策してくるのは「スキルスワップ」ドータクンや、「こごえるかぜ」ゲンガーぐらい。先発であれば「おいかぜ」をされても倒してしまってへイラッシャを通したり、後発であればすばやさ操作がないうちに残数有利を取るといったパターンで対処できる。

また、後述するようにへイラッシャを合体する前提の選出をしなくて済むパターンを作ることでも対策できる。

2.そもそもへイラッシャを合体する前提の選出をしなくて済むパターンを作る

シャワーズやトリトドンはちょすいやよびみずで、草テラスタルの「テラバースト」に合わせてテラスタルを切って、明確にへイラッシャを対策してくる。

てんねんのラウドボーンで詰ませに来るパターン、「スキルスワップ」+ものまねハーブのフラージェスなど、パーティ内になんらかの対策が入っていることが多い。

そうした相手にへイラッシャで突撃するのは無謀なので、様々な選出パターンを持っておくと良い。

ヤミカラスに対してはバンギラス+ルガルガンが強く、ドラパルト+ウインディ+バンギラス+ルガルガンという4匹を様々な組み合わせで選出できる。

中速のスタンやコンボパーティ、壁パーティにはドラパルト+ウインディ、ドラパルト+ルガルガンという選出も強い。

ウインディが入ったことでドラパルトのパワーが上がり、ウインディを受け回してドラパルトを通したり、ドラパルトのこだわりを解除して通すことでも勝てるようになるため、シャリタツ+へイラッシャ選出をしたとしても、どちらかを雑に扱ってしまうも良い。

相手視点はそういった動きは怖くてできないと思っているため案外通ってしまう。

水に対してシャリタツを受けだしてスカーフ「りゅうせいぐん」で切り返すのは驚異だし、へイラッシャを出せばラスト1体がシャリタツだと想定して動いて来ればへイラッシャの横を攻撃しにくかったり、残りのバンギラスやルガルガンの選択肢を捨ててくれることにも繋がる。

3.へイラッシャミラーでTODに持ち込まれないような選出をする

ルガルガンの「がむしゃら」が非常に強力で、一体落とされてTODの流れを作られても、合体したへイラッシャVS合体していないへイラッシャ+ルガルガンを並べて攻撃し続けることで、

ルガルガンが放置されればダメージレースで有利orルガルガンが攻撃されればきあいのタスキで耐えて「がむしゃら」を入れる

といった押し付けが可能になる。

対戦ではマスカーニャの持ち物次第であったり出し負けであったりワザ外しであったり、上手くいかないことは多々あるものの、ルガルガンを実質「いのちがけ」要因のように扱える。

こうして6匹の並びが出来上がった。

鋼やフェアリーに対しては厳しいもののそれらにはへイラッシャが強く、へイラッシャが苦手な相手にはバンギラス+ドラパルトが強く、バンギラス+ドラパルトがキツい格闘相手にはドラパルトが強い、というように3択持っている。
相手がグーとチョキであればグー側を出す、ドラパルトを意識されていなくて初見殺しできそうならドラパルトで行く、わからないけど上を取れているならドラパルト+ルガルガンでゴリ押すなど様々な択がある。

最初に目標として挙げた要素もしっかり満たしている構築に仕上がったと感じられる。

①シャリタツ+へイラッシャが強力なので使いたい
②その上でシャリタツ+へイラッシャにも強く出れるパターンを用意しておきたい
③ヤミカラスを中心とした「くろいきり」持ちへの選出誘導力を活かした選出をしたい
④ヤミカラス入り、シャリタツ+へイラッシャ以外(壁、天候、トリル)に対しても勝ちきれるパワーのある構築に仕上げたい
⑤「テラスタルじゃんけん」にならないようにしつつも高圧的な並びを保持して、受けに回りすぎないようにしたい

【個別解説】

ドラパルト

Dragapult @ Choice Band
Ability: Infiltrator
Level: 50
Tera Type: Dragon
EVs: 4 HP / 252 Atk / 252 Spe
Adamant Nature

  • Dragon Darts

  • Phantom Force

  • U-turn

  • Sucker Punch

初手から出して崩す枠。「てだすけ」と合わせて様々な範囲を見ることができる。配分は最速である必要はなく、マスカーニャを抜ける準速で、なるべく削り切るためにAに振り切った。

マスカーニャのタイプ一致の「ふいうち」は耐えるし、火力アイテム持ちの「ふいうち」は耐えないがウインディと合わせることで耐えられるラインになっている。ドドゲザンは厳しいものの、そもそもルガルガンを出して格闘を打ったり、事前に出していたウインディで炎ワザを打つなどして対策したい。

ドラゴンテラスタル+「ドラゴンアロー」でH振りコノヨザルが2発(横にオーロンゲがいるとコノヨザルに集中する)

「てだすけ」+「ゴーストダイブ」でH振りサーフゴー(テラスタルで等倍)に高乱数1発

ダメージ:187~222
割合:96.4%~114.4%
確定数:乱1 (13/16)

「てだすけ」+「ゴーストダイブ」でHB(201-111)ニンフィアに高乱数1発

ダメージ:195~229
割合:97.0%~113.9%
確定数:乱1 (13/16)

単体でも乱数な上、CSベースであれば確定、「バークアウト」など込であれば確定で倒せる

「てだすけ」+「とんぼがえり」でH振りリキキリン、アマージョなど1発

「てだすけ」+「ふいうち」でH振りサーフゴー1発(100%~)

ダメージ:194~230
割合:100.0%~118.6%
確定数:確1

「てだすけ」+「ふいうち」でH4振りドラパルトを高乱数1発

ダメージ:158~186
割合:96.3%~113.4%
確定数:乱1 (12/16)


ウインディ

Arcanine @ Sitrus Berry
Ability: Intimidate
Level: 50
Tera Type: Grass
EVs: 252 HP / 76 Atk / 4 Def / 4 SpD / 172 Spe
Adamant Nature

  • Flare Blitz

  • Snarl

  • Extreme Speed

  • Helping Hand

配分はHぶっぱ、準速サーフゴー抜き、残りをA11nとして綺麗になったためこの配分とした。ワザ配分は上記の通り。

珠臆病サザンの「りゅうせいぐん」を最高乱数以外耐え

具体的に耐えたいラインはないため雑に振っているが、特殊相手に繰り出すことが多いためAは削っても良いかもしれない。

ニンフィアには「てだすけ」+「ゴーストダイブ」でいいし、マスカーニャやサーフゴーは特に困らず倒せる。

へんげんじざいやテラスタルで等倍になった時の「フレアドライブ」+「しんそく」がどれほど変わるかは重要ではあるが、これから流行るであろうピントレンズ持ちサザンドラの「りゅうせいぐん」を耐えるように施しても良い(H197D117で確定耐え、D115で最高乱数以外耐え)

H197D117でニンフィアの特化珠水テラスタルが8/16ではあるが、「バークアウト」もあるし、速い「おいかぜ」+ニンフィアに対してはバンギラス+ルガルガンを出していそうなので訪れる機会は少なそうではある。

サーフゴーの処理が大変だと感じたらSに振っても良いが、「ゴーストダイブ」+「インファイト」でテラスタルを無視して落としに行くルート、「てだすけ」+「ゴーストダイブ」で倒すルートもあるので問題ない。

キノガッサ抜きであることは重要で、テラスタルなし「ドラゴンアロー」+炎技で落ちるのは重要。

場持ちして欲しいので「フレアドライブ」の反動が気になることが多いが、「しんそく」の火力がどれぐらい欲しいかわからないため物理で運用する形で問題ないと判断。

モロバレルへの遂行が早いと「ドラゴンアロー」+「フレアドライブ」で落としきれることもありそうで眠りにならなくて済むし、オッカも貫通できるかもしれない。「しんそく」の火力があることでシャリタツや中途半端に削れたマスカーニャを落とせて嬉しいのかもしれない。

もちものは発動機会の多い「オボンのみ」で、確定で耐えた上で反動ダメージや砂ダメージを耐えてくれるのは嬉しい。

以下のウインディの考察は雑多で冗長になってしまったため、飛ばしてもらって構わない。

~~

パーティが物理に寄っていることから「リフレクター」を貼られると打点が出なくなる点、現状はそこまで居ないが、現状のマスカーニャの流行や、リバティCSの結果から今後は増えていきそうな積み系統に入るモロバレルの対策としていかくのウインディにモロ刺さってしまう点、「バークアウト」でのビートでイエッサンにもグレンアルマにも弱点を突けて火力が意外とあってもいいかもしれない点、「しんそく」がタスキのケアがメインだという点を見ると、特殊にしても良いかもしれない。


ちなみに「バークアウト」を打たずともバンギで勝ってしまうため要らないかもしれないが、イエッサン+グレンアルマがその対策をしていないわけがないのであったほうが良さそうではある。

イエッサン+グレンアルマに「バークアウト」でゴリ押していくことが減るし、「ワイドガード」での対策もあるため、初撃ぐらいかもしれない。ただ追撃を耐えて「トリックルーム」ターンを枯らせられるのは強い。

後は強引なおいかぜに対してターンを稼げないのは厳しいため、「まもる」の採用もありかもしれない。へイラッシャ合体までの時間稼ぎとしても、採用率の低い「まもる」は強いこと、パーティに「まもる」持ちが少ないことからも動きの幅が広がりそうではある。

また、「まもる」にする場合はマリルリや水テラスタルモロバレル、「トリックルーム」中のモロバレルに対しても強く動けるように「キノコのほうし」に強い草テラスタルはありかもしれない。

最近は「このゆびとまれ」系を使いながら横を動かす構築が流行っているが、全体技を打つ機会もあるし、サーフゴーへの明確なメタであれば、ノーマルテラスタルもありかもしれない。
ただ横を殴っていそうではあるが…。「しんそく」のダメージが上がるとかなり変わりそうではあるため気になるところ。

壁を壊すのは大事だが、「すりぬけ」である程度は無効化できること、「てだすけ」と合わせて崩しきってしまうこともある。「ソウルクラッシュ」はいかくのおかげで軽減できているし、そもそもオーロンゲが邪魔になること自体は緩和できていない。

ただ「サイコファング」がオーロンゲに当たらないのがかなり致命傷。

ただ、壁+マリルリ+滅びのようなメンツはかなり厄介で、しずくオフ準優勝のパーティのようなゴチルゼル+「いかく」のような並びもかなり苦手としているので、そこに対して上手く機能するかもしれない。

「まもる」でドラゴンアローを見てから、マリルリに交代するという動きもあり、こちらはそこにへイラッシャを出しながらオーロンゲを削るといった動きがある。

そこでマリルリからの打点がかなり痛く、とはいえかべ+「すてゼリフ」からの「ねこだまし」+「ほろびのうた」があるので、迂闊に動けない。

相手視点も「シャドーボール」の可能性もあるため、壁の貼り方は慎重にしたいはず。

そういったパーティに実際負けているので、穴埋めとしてはありなのかもしれない。

ただいろいろな噛み合いもある。硬いコノヨザルがいるから「しんそく」を打たなければならず、マリルリ読みで上手く交代をあわせないと行けないとか、壁を壊してもまた貼り直されるとか、色々ある。そこで草テラスタルしながら「サイコファング」をすることでマリルリに強く出れるのはいいのかもしれない。

ただそういったパーティは少なく、択を通して勝ちのこともあるので、ノーマルテラスタル「しんそく」を絡めながら壁を切らして、といった動きを狙ってもいいのかもしれない。ドラパルトは「ほろびのうた」に対して強いため、もっと上手く立ち回れないか研究する。 マリルリは「ゴーストダイブ」+「てだすけ」で落ちるので、上手くサイクルしながら狙っていきたいところ。それこそウインディ「まもる」+へイラッシャ交換、ウインディをドラパルトに変え、「ゴーストダイブ」しながらウインディを出す、なんて流れもありそう。「ウェーブタックル」+「ゴーストダイブ」ではたぶん壁なので厳しいはず。オーロンゲを腐らせて残数有利を作って勝つための「まもる」としたい。

特殊の場合は補正の関係でおくびょうのほうが配分効率が良い。

Arcanine @ Sitrus Berry
Ability: Intimidate
Level: 50
Tera Type: Dark
EVs: 252 HP / 4 Def / 44 SpA / 132 SpD / 76 Spe
Timid Nature

  • Flamethrower

  • Snarl

  • Extreme Speed

  • Helping Hand

へイラッシャ

Dondozo @ Leftovers
Ability: Unaware
Level: 50
Tera Type: Flying
EVs: 252 Atk / 4 SpD / 252 Spe
Adamant Nature

  • Wave Crash

  • Tera Blast

  • Earthquake

  • Protect

ワザは前述の通りの3つ+「まもる」。持ち物は耐久の高さを活かせるたべのこし。

配分は「みがわり」で粘るわけではないのと、ひこう「テラバースト」で相手のへイラッシャへの「みがわり」への乱数が変わるためAぶっぱ。Sは最速でもマスカーニャを抜けるわけでないので、準速でパーモット抜き。

マスカーニャへのアプローチですばやさを上げる「いっちょうあがり」+「じしん」でも良いが、炎テラスタルサザンドラや、「ワイドガード」をしてくるかもしれないエルレイドやペリッパーに対しての遂行打点としての水技を持っておくことで他のテラスタルを活かせるのは偉い。特に単出しする機会にその際に横を巻き込まずに打てて物理でしっかり殴れるのは偉かった。

サザンドラに対しては「いっちょうあがり」のほうがいいため今後とも検討していきたいが、現状はルガルガンの「いわなだれ」「インファイト」で通常時も鋼テラスタルも炎テラスタルも対応できるので問題ないと判断している。

また、目先のイッカネズミやゲンガーなどを抜く必要はないため、他のパーティに比べたら「いっちょうあがり」である優先度は低い。

シャリタツ

Tatsugiri-Stretchy @ Choice Scarf
Ability: Commander
Level: 50
Tera Type: Water
EVs: 4 Def / 252 SpA / 252 Spe
Timid Nature
IVs: 0 Atk

  • Muddy Water

  • Draco Meteor

  • Icy Wind

  • Dragon Pulse

Sはマスカーニャ抜きまで振って残り4をBでも良いが、相手のスカーフシャリタツや「こごえるかぜ」+タスキシャリタツとの同速を考えて最速に。砂ダメ込みでBが微妙に足りないこともあるが、4程度であれば乱数もあるので気にしすぎないことに。Hは無振りでちょうど16n-1なので振らないこと。

ワザは「りゅうせいぐん」、「だくりゅう」、「こごえるかぜ」は確定で、ラストは命中安定の「りゅうのはどう」に。特攻は限界まで振って、最後に倒し切ることを重視した。「いわなだれ」「ドラゴンアロー」砂ダメージなどで雑に削ることが多く、それらを全体技で倒しきりたいというところもマッチしている。

バンギラス

Tyranitar @ Assault Vest
Ability: Sand Stream
Level: 50
Tera Type: Flying
EVs: 204 HP / 252 Atk / 52 Spe
Adamant Nature

  • Rock Slide

  • Assurance

  • Tera Blast

  • Ice Punch

ルガルガンの相方で、「トリックルーム」なども見れる枠として採用。

一致技で最強ワザの「いわなだれ」は確定。
悪技は「かみくだく」と「ダメおし」の選択。

ルガルガンで「いわなだれ」を打ちながら「ダメおし」で高火力で叩けて、テラスタルや「いかく」などでズレたとしても足りるようになることもある。

オーバーキルかと思ったものの、HBヤレユータンを倒すためには「とんぼがえり」+「てだすけ」では無理で、「いわなだれ」+「ダメおし」に頼るしかないとして採用することにした。

草、格闘、地面タイプを誘うため、そこに切り替えせるひこうテラスタル「テラバースト」を採用。

ドラパルトやひこうへイラッシャで苦手なタイカイデン+ガブリアスに対しては砂選出をしたいので、ガブリアスに強いひこうテラスタル+「れいとうパンチ」を採用。

持ち物は「トリックルーム」相手に数値で押すためにとつげきチョッキ。

「まもる」の技スペースがないこと、一時的に凌ぐよりも強引に受け出ししたり対面で弱点相手にも突っ張れるようになる。

ルガルガン

Lycanroc @ Focus Sash
Ability: Sand Rush
Level: 50
Tera Type: Ghost
EVs: 4 HP / 252 Atk / 252 Spe
Jolly Nature

  • Rock Slide

  • Close Combat

  • Endeavor

  • Protect

ASイッカネズミを考えて最速。ワザは一致の「いわなだれ」、ドドゲザンなどの鋼に対しての「インファイト」、きあいのタスキと相性が良くへイラッシャへのメタで「がむしゃら」は確定。残りは「こらえる」の人も居るが、「ねこだまし」に対してタスキが割れないこと、先制技圏内に入らないほうが嬉しいことなどを考えると「まもる」が無難。

【主な選出】

基本選出

バンギラス+ルガルガン 
シャリタツ+へイラッシャ

基本選出。「いわなだれ」での怯みを狙いつつ削りを入れ、シャリタツ+へイラッシャで押し切る。
「きあいのタスキ」と「とつげきチョッキ」の行動保証と、「いわなだれ」+「ダメおし」などの攻撃でダメージレースを優位に運べる。後ろはシャリタツ+へイラッシャで雑に〆る。
どのような構築に対してもとりあえず出せて、上から攻撃することで急所や怯みなどのアドバンテージがあり、思わぬ勝ちを引き込んでくれる。

バンギラス+ルガルガンの「いわなだれ」は今でこそ運ゲーで悪者呼ばわりされている印象ではあるが、以下の要素を満たしているため充分強い構築だと判断した。

・環境初期で環境が固まっていない時に対話する構築を使うと、思わぬ噛み合いがあるため、押し付けが強い
・ルガルガンでへイラッシャ対策をできること
⑤「テラスタルじゃんけん」にならないようにしつつも高圧的な並びを保持して、受けに回りすぎないようにしたい

対ヤミカラス

初手から出てくる場合には「いわなだれ」で圧をかける。「おいかぜ」をされてもルガルガンは上を取っていることが多いし、バンギラスは「すなあらし」状態と「とつげきチョッキ」のDアップでサーフゴー相手ですら対面が可能。
後発の場合は中速相手(ガブリアス、サザンドラ、ニンフィア、サーフゴー)が多いので、「いわなだれ」を打っているだけで勝てることも多い。唯一苦手なガブリアスに対しては、飛行テラスタル+「れいとうパンチ」で「じしん」を回避してガブリアスを倒すことで楽に進めた。地面テラスタルを使ってくる場合は「れいとうパンチ」で倒せないが、次の「インファイト」で倒せるため、初手「まもる」+飛行テラスタル+「れいとうパンチ」で事足りた。

対へイラッシャ

相手の選出が確立していなく、中速相手には上から「いわなだれ」を打ち、対へイラッシャには「がむしゃら」を通した。今でこそ知られているが、当時は全く知られていなく、それだけで勝てた。


対格闘、草タイプ

ルガルガン+ドラパルト 
シャリタツ+へイラッシャ

「いわなだれ」+「ドラゴンアロー」で広く削りに行く。相手の選出に格闘タイプ+草タイプが居る場合はバンギラスを選出しづらいため、ドラパルトを通していく。
こちらも高圧的な並びで、相手にテラスタルを強要することができる。
特に強い動きが、サーフゴーに対して「ゴーストダイブ」+「まもる」から入り、次のターンに「インファイト」を選択する動き。
サーフゴーがテラスタルを切らない場合は「ゴーストダイブ」で倒せて、切った場合は等倍の「ゴーストダイブ」と「インファイト」で倒せてしまう。
「ゴーストダイブ」で攻撃を避けながら隣は「まもる」をしていて、相手の「まもる」も貫通で攻撃できるため、「おいかぜ」や「このゆびとまれ」系統をされない限りは完全に通る。
その上こちらにはへイラッシャが見えているため、下手に展開ワザを押す動きはダメージレースで不利を取るし、ヤミカラスは後発に温存しておきたいため通りやすい陣形になっている。「おいかぜ」ポケモンとしてタイカイデンやファイアローが居るが、これはバンギラス+ルガルガンが圧倒的ににらみを効かせているので、結果的に通る形になる。

ルガルガン+ドラパルト 
バンギラス+ウインディ

この選出も有効。ヤミカラスや「くろいきり」持ち、雷タイプが居てへイラッシャを出せない相手に対して、先発で圧力をかけつつ、「とんぼがえり」や「いかく」で対面を操作する。
特にドラパルトの「とんぼがえり」からバンギラスを出し、「すなかき」が発動したルガルガンで制圧するのも良い。ドラゴン・ゴーストタイプのドラパルトからバンギラスに引く動きは、ドラパルトが動けない相手の引き先になりながら強い動きを継続できるのも偉い。

対「いかく」、フェアリータイプ

ドラパルト+ウインディ 
シャリタツ+へイラッシャ

相手に「いかく」持ちやフェアリータイプのニンフィア、オーロンゲなどがいる場合はこの選出。
こちらは物理ポケモンが多くて「いかく」を誘いやすい上、「リフレクター」を使う動きが相手視点で安定になる。そこにバンギルガンで闇雲に突っ込むのは厳しいため、ドラパルトで圧をかけたりウインディでデバフをかけてサイクルをする。

特にコノヨザル+オーロンゲに対しては絶大な勝率を出していた。
「いかく」後の「まけんき」で攻撃が上昇し、「リフレクター」+「ふんどのこぶし」で攻めてくるところに、すりぬけ+こだわりハチマキ+ドラゴンテラスタルの「ドラゴンアロー」がフェアリーを無視してコノヨザル方向に2発飛ぶため、H振り程度であれば消し飛ぶ。

「シャドーボール」を嫌って「ひかりのかべ」を押してくる人も居れば、「ふいうち」を打ってくる人も居るが、全部に対応できている。
唯一「オボンのみ」持ちには耐えられてしまい、環境中期からは「オボンのみ」持ちが増えてきたものの、ウインディに「てだすけ」を採用したことでこれも破壊できる。ウインディに「ねこだまし」を打たれていても「てだすけ」のほうが優先度が速いので相手の行動は無駄になる。

鋼テラスタルはほぼ居なく、炎テラスタルか水テラスタルなことが多いため問題ない。オーロンゲに「いかく」が入っていることで、「まもる」+「ソウルクラッシュ」も余裕で耐えるし、「ソウルクラッシュ」+「ふいうち」のような型は存在しなかった。

これで勝ちまくったと言っても過言ではない。

雑多な相手に対しても強くドラパルトは「とんぼがえり」を持っているため、ウインディを引きながら「とんぼがえり」をすることで再度ウインディを展開して「いかく」を使い、安心して動かす土台を構築できるようになる。ウインディ方向の水、地面、岩ワザは、無振りドラパルトでも1発は受けることができる。
特殊方面での攻撃が予想される場合は、ドラパルトで攻撃するか「とんぼがえり」+「バークアウト」で盤面を作っていく。

ドラパルトが刺さっている相手

ドラパルト+へイラッシャ 
シャリタツ+何か

フェアリー相手でもドラパルトを通したい相手が居る時にこの選出をする。
へイラッシャが隣に居ることで交代するかもしれない圧力でドラパルトを通すことができる。ニンフィアやサーフゴーといった全体技も同じように扱えて、へイラッシャを出しているだけで勝手に相手に選択肢を与えることができるのは強力。加えて出し負けた場合でも合体して倒し、ドラパルトをスイーパーとして使うという動きも非常に強力。

イエッサン+グレンアルマ、対トリックルーム

バンギラス+ウインディ 
シャリタツ+へイラッシャ

イエッサン+グレンアルマや、「トリックルーム」パーティにこの選出をする。
バンギラスは「とつげきチョッキ」を持っている上に「すなあらし」状態にできるため、コータスに対して絶大な強さを誇る。ウインディは「いかく」と「バークアウト」によりデバフをかけ、「トリックルーム」ターンを凌ぐことができる。「ねこだまし」+「トリックルーム」に対しては「いわなだれ」+「バークアウト」を選択することで、どちらかが通れば良しと言う選択も可能。イエッサン+グレンアルマにはバンギラスが刺さっている上に、ウインディが悪テラスタルをするため、相手の「ワイドフォース」に耐性を持つことができる。

加えて裏はシャリタツ+へイラッシャなので、どうしようもない場合は両方引くことでシャリタツ方面の攻撃を無効にしながら耐久の高いへイラッシャで「まもる」をすることで、自然と「トリックルーム」ターンを消費することができる。今となっては当たり前のようになっているものの、実際バグレベルの強さ。

ハリテヤマに対してはバンギラスが動きにくく、コータスを考えると後ろにバンギラスを置きたいので、
ドラパルト+ウインディ
バンギラス+へイラッシャ
という選出パターンもあった。



【参考動画】

この構築でビエラさんとキヌガワさんと当たった試合が動画化されているので、良ければご覧ください。
どちらもいい試合でした!



【おわりに】

半月以上前の構築で目新しいことは少なかったかもしれませんが、思考過程が参考になれば嬉しいです。
今回はこの記事の8割がた事前に言語化していましたが、そうしておくことで次の課題に対しても向き合いやすくなります。
思い出として残して置けるのも良いですね。

今の環境ではへイラッシャがお互いメタりあっていたり、グレンアルマ+イエッサンで色々したりと、また整理する必要がありそうです。
シーズン1の終盤に使用したイッカネズミ+サーフゴーの構築は理解するので手一杯でなかなか言語化までは行きませんでしたが、これも書いておきたいです。ちょうど中間の時期(12月末)に使用していた構築についてはまとめてあるので書きたいです。

気になることがあればTwitter(https://twitter.com/tappvp)までお気軽に質問してください。拡散して頂ければ嬉しいです。

以上です。2万字ほどの長い文章にお付き合いいただきありがとうございました!

それではまた!


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