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初秋に想う 〜秋ピリカGPに応募してみた雑感〜


■秋ピリカGP

「秋ピリカグランプリ」は、ピリカさんが主催されているnote企画で、界隈では有名な企画。ただ私は今回が初参加で、この企画を知った理由も「たまたまタイムラインで応募した方の記事を見たから」でした。

ピリカグランプリはテーマと文字数縛りがあり、今回のテーマは「紙」で文字数は1200文字。「面白そう!」と言う、単純な興味半分で参加したわけであります😅

■自作紹介

ってことで、特に深く案を練ることもなく、思いつきでサラサラ〜と書いて応募。適当に書いたわけじゃないんですよ! ただ「紙」と聞いて最初に浮かんだイメージを文章にしました。1200字……これが意外と短くて、書き終わった時点で2000字ぐらいあったのを何とか範囲内に。普段10万字とかの小説を書いてますからね、どうしても冗長になっちゃうんです💦

秋ピリカGPは既に応募期間を終えていて、只今絶賛審査中。まあ、何かしら賞を取ろうと思って参加したわけでもないので気楽なもんですが、最終的には189名の方が参加されたそうで、人気の高さに驚くと共に「1/189」になれたことを嬉しく思ってます♪

さて、189作もあるわけですから、これはアレだな、一覧あった方がいいよな、と性懲りもなく一覧を作成😆

黄色い画像!(笑)。これを作ったお陰でビュー数が1000を超えました!(作者&作品一覧のnoteが、ですが)。因みにたおたおの作品は164番です。自分でurl_name順にしておきながら、taotao_marudoraっていつも最後の方なんですよね。aoaoとかにしておけば良かったかな😅

■他の方の作品を読んでみて

一作1200文字と言うこともあり、他の方の作品もざっと一通り読ませて頂いたんですが、正直な感想は「自分は文学作品を書くのに向いてないな」でした😭。だって皆さん力作ぞろいで、設定が深かったり、描写が繊細だったり……なんか自分の作品が少々場違いなのでは!? とさえ思えたわけですよ。

秋ピリカGPは「物語」と言う縛り以外は「文学」とも何も決まっていないんですが、他の方の作品はしっかり文学してるんですよねー。中には少々ホラーっぽい設定のものや「後味が悪い」内容のものもありました。「紙」と聞いた時に作者の方がイメージされたのがそういう内容の物語だとすると、「怖さ」とか「後味の悪さ」も文学の範疇なんだろうなあ、としみじみ。

他にも比喩的な内容であったり、視点が独特だったり……「紙」と言う1ワードから連想されるものがここまで様々なのか!? と、ど直球に「ラブレター」みたいな内容書いた自分としては感心せざるを得ないものでした。同時に自分の書く文章は、一言で言えば「あっさり」してるんだなーと気付かされた次第です🤔

■いいわけ

まあ、何を言っても言い訳になるんですが、自分は理系でバリバリのプログラマー。普段読むものと言えば技術書がメインであとは漫画とか。書く方も大半はプログラムと技術文書なんですよねー💻

技術文書って、「背景」「目的」「実施内容」「結果」「結論」を端的に書くことが多くて、そこに私情や感想を挟む余地がない。事実だけを伝えることがメインなので、そりゃこんなものを書き続ければ文章もあっさりしてしまうわけです。これを書いてて思いましたが、確かに長編小説を書いても「読みやすい」「スラスラ読める」って感想をもらうことが多いもんなあ。自分で考えたストーリーで、たとえ一人称で書いてるものであっても、どこか客観的になっちゃってるんでしょうね。

だからかどうか、個人的にはいわゆる「文学的な表現」を使わないです。よく見かける、「難しい熟語で彩られた比喩的表現」を見ても、それが面白いのか、文章として美しいのかを判断する基準を持ち合わせていないので、漢字も少なめで白っぽい文字列になってしまうんでしょうね。「あっさり」「読みやすい」と言うはこれが原因なのかな。

ただ、ですね。例えば夏目漱石の「吾輩は猫である」の文章は

吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している

夏目漱石 「吾輩は猫である」

って感じで別に難しい表現があるわけではないですし、芥川龍之介の羅生門でも

ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている

芥川龍之介 「羅生門」

割と状況をあっさり表現しているわけですよ。時代はもっと遡って方丈記では

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

鴨長明 「方丈記」

と、川の様子をサラっと描いているわけですよね。まあ、これの後に「人とそのすみかが、川とそこのうたかた(泡)に似ている」ってあるので、秀逸な比喩ではあるんですが。でもまあ、何か難しいことを言っているわけでもない。「文学」の解釈は人それぞれな訳ですが、自分的には「割とあっさりした表現でも文学は成立する」のでは? と思う訳です(いや、決して過去の偉人・文豪と同じって言ってるわけではないですよ😅 そういう表現方法の文学もある、って感じたって雑感です)


私個人は難しい文学よりも「読んでて楽しいラノベみたいなの」が好きで、日頃小難しい技術文書読んでるんだから、プライベートで読むものは楽しくハッピーエンドがいいと思ってるんですよね。だから自分で書く小説もそっち寄り。書いてて楽しいがモットーであります😤 読んでくれた方が楽しかどうかは微妙なんですが……

話が少し逸れましたが、秋ピリカGPにはもちろん私好みの作品も沢山ありました。文学に対する捉え方は人それぞれでしょうけど、189作の中にはきっとあなたに合う作品が含まれているハズ。1作品1200字と非常に読みやすいですし、秋の夜長、秋ピリカGPの応募作を読み耽ってみるのはいかがでしょうか?