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人生を深く生きるための『六中観』 -後篇

 前回に引き続き、『六中観』(りくちゅうかん)の後編(残り三つ)をご紹介する。六中観とは

一、忙中閑あり(ぼうちゅうかんあり)

二、苦中楽あり(くちゅうらくあり)

三、死中活あり(しちゅうかつあり)

四、壷中天あり(こちゅうてんあり)

五、意中人あり(いちゅうひとあり)

六、腹中書あり(ふくちゅうしょあり)

という六つの物の見方を指す。これらは、日本では安岡 正篤 翁によって世に広まった側面が強いため「安岡 正篤が考案した」と考えられがちだが、彼は中国の古典から、それぞれ抜き出して纏めたのであり、実は出典がある。

4. 壺中天あり

 六中観の中では、最も耳に馴染まない、聞きなれていないものが「壺中天あり」かもしれない。

 これは後漢の方士、費長房(ひちょうぼう)の逸話が出典である。

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