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星とたち

ある夏の日。

八ヶ岳で住み込みのシーズンバイトをしていたときがあった。


忙しい昼間の仕事のあと、そのあたりで一番標高の高いところへ行ってみようと車を走らせた。

長野県と山梨県の境にある標高1500mの牧場。

 

その広大な牧場の芝生に寝転び

静寂な空気を肌に感じ

夜空を見上げると



そこには息を呑むような光景が広がっていた。








これまで見てきたことのない無数の星。


奥行きを感じるほど深く澄んだ天の川。


まるで、溢れたソーダ水のように光が散りばめられていた。


遠く、懐かしい、愛おしい宇宙の存在。


星の瞬きがふるさとから手を振ってくれているようだった。



星空のなかに一際光り輝く星。



その星の瞬きを心に刻んでいると、ふと、あることが浮かんできた。

 


〝ダイヤモンドのようだ〟



これまで無縁だった宝石。

買うと高価なダイヤモンド。

世のセレブたちがより磨かれたダイヤモンドを身に付けたいという理由がわかる気がした。

それは、自分を美しくみせたり、価値を着飾るということじゃなく。

地球の時が作り出した鉱物が

その歴史を超えて

純粋で緻密な光を発する存在。

そこに憧れるドラマがあるから。

すべてがひとつながりになって
光の粒がわたしのなかでも瞬いている。





思い出した。

星も、私たちも

宇宙のイチブであることを。

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