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対峙

久しぶりに映画を見て強く心を動かされたので感想を残しておきたい

事件の加害者家族と被害者家族、教会の一室で4人が対話するだけの2時間、自分もその場にいるような錯覚を覚えた

特に日本ではいまだに根強い復讐意識や、やられたらやり返す的な価値観をわたしは常々疑問に思っている
それって誰も救われないしなんの問題も解決しないのでは?と

事件が起きた時に加害者を擁護するわけではなく背景を知ることは絶対に必要なことだと思うし、ニュースを見ただけのまったくの部外者が犯罪者は死刑にするべき!というような短絡的な意見を言っているのを見るたびにもやもやした気持ちが募る
そして悲しいことにそういう考え方をする人が想像以上に多い

この映画はそういう人にこそ見てほしい

当事者が相手を憎み、罰を受けてほしいと願うのは当然のことで、自分だってきっと愛する家族や恋人を奪われたら人権だの、犯人の生い立ちだの、聞きたくもないし殺したいとまで思うかもしれない

だけど、だからこそ、関係のない私たちがもっと他の方法を考えなければいけないんじゃないかと思う

理解できない悪に接した時にシャットダウンするのは一番楽だと思うけれど、それってほんとうになんの意味もないから

かといって自分に何かできるかと言ったら何もできないのだけど、ひとりひとりの視野を広げることで少しずつ世界は変わっていくと信じたい

被害者の母親が加害者を許したら息子を失うような気がしたと言っていたのが印象に残った

憎しみを手放すことは時に苦しいけれど、そこから解放され、赦したときにのこるのは不純物のない愛なのかもしれない

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