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大晦日に世界史のお勉強をしている爺

どこまでできるか分からないけれど、クレムナの予言の解読本?執筆に取り組んでいる。

↑鋭意執筆中?

タラビッチは19世紀のセルビア人だから、時代背景を知るためにはどうしてもヨーロッパの近現代史も勉強することになる。
で、つくづく世界史はなんにも知らない自分に呆れる。
例えばオスマン帝国。もちろんそういう国があったことは知っているけれど、第一次世界大戦のときもまだあったという認識ではなかった。
まあ、爺になってからお勉強するのもいいんでないかい。
皮肉なことに、若いときにいちばん苦痛だったこと(お勉強)が、この歳になると娯楽になっている。

「歴史」って、学生のときに勉強しても、上っ面を暗記するだけで、クイズの問題と答えを照合するくらいのことにしかならないように思う。
歳をとってから調べていくと、その時代の社会の空気感や、その時代を生きた人たちの気持ちを想像するようになる。
こんな社会に生きていた人たちの思考回路はどんな感じだったのだろう、とか、この戦争で死んだ人たちは、死ぬまでどう生きて、どう死んだのだろうとか。
で、案外今の社会とあまり変わらないのではないかと思うようになった。
死ぬのは怖い。なんとか生き延びたい。仲間はずれになるのが怖い。周囲に合わせていくしかない……そういう行動原理は、何も変わっていないのだろう、と。
変わったのは、使う道具とか、表面的なことだけ。
もしかすると、精神性という面では今のほうが劣化しているのかもしれない。

先月までは、セルビアといえばノバク・ジョコビッチくらいしか思い浮かばないし、ヨーロッパのどのへんにあるどんな国なのかなんて知らなかったが、お勉強しているので、今はずいぶんイメージが広がった。

 セルビアは1882年、それまでのオスマン帝国の宗主権から独立し、セルビア公国からセルビア王国になった。その後1918年まで36年間存続し、国王はミラン1世(1882-1889在位/オブレノビッチ家)、アレクサンダル1世(1889-1903在位/オブレノビッチ家ミラン1世の子)、ペータル1世(1903-1918在位/カラジョルジェビッチ家)と代わったが、1903年の政権交代は凄絶なクーデターによるものだった。
 アレクサンダル1世が王妃のドラガと共に銃撃され、宮殿の二階の窓から投げ落とされて殺されたのだ。
 タラビッチはこのクーデターによる政変を予言していたため、クレムナの予言はオブレノビッチ家が皇位にあった時代には厳しく取り締まられた。
 クーデターによって王位がオブレノビッチ家からカラジョルジェビッチ家のペータル1世に移った後は、タラビッチの代父であり、予言の証言者でもあったザハリッチはペータル国王から大変な信頼を得た。いつでもアポなしで宮殿を訪れ、国王に面会できた。国王はそのたびにザハリッチに「恩賜の葉巻」を渡して敬愛の情を示した。
 ミロシュとミタールは純粋に自分たちが幻視した近未来を語っただけだっただろうが、それを伝承し、広めたザハリッチは、少なからず政治や権力闘争といったドロドロしたものに関わっていかざるをえなかっただろう。
 このように「クレムナの予言」は時代を経るほどに様々な人の意向や思惑が加わり、少しずつ改変されていった可能性もある。

現在執筆中の原稿より

↑こんな感じで書いているのだが、勉強することが多すぎるのと、原文がセルビア語(しかもまとまりがなく、冗長)なので、とんでもなく時間がかかる。
ま、娯楽だと思ってゆっくり続けられればいいかな。
挫折する可能性が50%くらいあるな。

……そんな感じで年を越す爺であった。

ではみなさま、無事に新年をお迎えくださいね。
来年は大変な年になりそうですよ。

こんなご時世ですが、残りの人生、やれる限り何か意味のあることを残したいと思って執筆・創作活動を続けています。応援していただければこの上ない喜びです。