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教科書という洗脳

 今の高校生はどういう教科書を使っているのかを確認するために、山川の日本史の教科書を買ってみた。

 なんか、爺の世代(50年以上前か……)のときより分厚くて重くて、カラー版になってる。あと、爺の世代では歴史の教科書は縦書きだったような……? 記憶違いかな。
 横書きというだけでなく、読点が「、」ではなくカンマ「,」というのも驚いた。横書きの学術書はカンマを使うというようなルールができているのかしら。

山川出版社 新日本史B 改定版

 パッと見た印象は、嘘は書いてないものの、出来事の羅列だけで、その背景が書き込まれていない。
 幕末史あたりは大雑把すぎて分かりづらい。伊藤博文が英国大使館焼き討ちに参加するなど様々なテロ活動をしていたことや、西郷隆盛が江戸市中で一般市民相手に略奪、殺人などのテロ活動を命じて幕府を戦いに引き込んだこと、長州が私怨で、恭順を表明していた会津をなぶり殺しにしたことなどはまったく書かれていない。

 しかしまあ、全体量が分厚すぎて、生徒はこの教科書を手にしただけで嫌になること間違いなし。
 その結果、歴史嫌いが増えて、深く考えることなく大人になり、仕事に追われ……また歴史上の間違いを繰り返すのだろう。

 爺にとってはつい先日の出来事である原発爆発も、歴史の教科書に記載されるとまったくお粗末な記述になる。

「福島県の原子力発電所が被災したため、放射能汚染が広がり、震災の被害はさらにふくらんだ。菅内閣は、原発事故による放射能汚染の情報を十分に国民に開示しなかったことや、震災からの復興計画の立案と実行が遅れたことから、国民の批判を浴びて倒れた。」

(358ページより)

 これはひどい。 
 原発爆発が人災であること、東電や、電力会社の杜撰かつ独占的な経営を助長した自民党政権の責任がきちんと問われることなく、逆に、たまたま民主党政権時だったために、自民党が政争の道具にしたこと。東電がいかに責任逃れをしたか……などなど、肝心なことが何も書かれていない。

 今高校1年生の子供は、多感な中学生時代にコロナ茶番&ワクチン禍というトンデモな経験を強いられた。
 3.11のときはまだ小学校にも入っていない。
 世の中の巨悪というものの構造を知らないまま、瞞され続ける青春時代……か。

 問題が大きすぎて、なんも言えね~……だなぁ。

書店に並ばない本 タヌパックブックス

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