環境にいいだけじゃなくて無印良品の「インフラゼロハウス」が気になる理由
無印良品開発の「インフラゼロハウス」
すでに知っている方も多いかもしれない。少し前にYouTubeで無印良品開発の「インフラゼロハウス」なる心躍る“住まい”を発見した。
「インフラゼロハウス」とは、その名の通り、電気、ガス、水道にはつながっていない家。キャンピングカーのように移動も可能で、気に入った場所に気軽に住まいを移すことができるという夢のある住まいでもある。法律上は車両に分類されているらしい。
この住まい、調理器具などはガスがなくても電気で代用できるし、その電気はソーラーシステムでまかなえるというところまではなんとなく想像がつくが、水道につながずとも水が使える? いったいどんな仕組みか。
まず、トイレ。こちらは「バイオトイレ」を採用しているそう。バイオトイレとは、簡単にいうとおかくずが仕込まれた便器。微生物が排泄物を分解してくれるといい、一年間交換不要だそう。使用済みのおがくずは肥料として再利用できるので環境にも優しい。つまり、トイレは水不要。
インフラゼロハウスには、水道やシャワー設備もある。これは「水循環システム」というものが備えられていて、200lの水を蓄えており、この水の浄化し循環させており排水も水道管も不要というから驚き。企業などでは大規模な「水循環システム」がすでに使用されているそう。
そして、もちろん、無印良品らしく、シンプルかつおしゃれな外観・インテリア。
現在は実証実験中だそうで、2025年には実用化を目指しているそうだ。
“自立可能社会”をつくるものが気になる
税金や社会保障は上がるばかりで、物価も上昇する昨今。不安に思う人もいるかもしれないが、最近、常々思う。空き家を安く買うなどして家さえあればなんとかなる。そして、インフラを自給でき野菜でも育てていれば、別に生活を犠牲にまでして働かなくても、税金を払うためにあくせくしなくても生きていけるはずなのだ。
まあ、もちろん、すべての人がそういった生活をもとめているわけではないし、一度都心を生活の基盤にしてしまうと、そういった生活にスライドしていくのは結構なハードルだということもわかる。このインフラゼロハウスだって、実用化されたとしても最初は「個人で買うにはとてもとても」な金額になるだろうし。
それでも、多くの人がいざとなったら、「生きていくための大部分は自給できる」ということを知っているだけでも、未来のあり方が違ってくると思う。できるかできないかなどの次元ではなく、企業や国、お金に依存しないと生きていけない、それなしで生きていくことができるということに1ミリも気がつかないという人も多いと思うので。
noteでも人気の作家、坂口恭平さんなんかもそんなような哲学を著書やnoteで語っているけど。この無印良品のインフラゼロハウスもまさにそれに一歩近づくものではと思う。他に『ザイム真理教』や『書いてはいけない』が話題の経済学者森永 卓郎さんも、地方の郊外田舎暮らし最高だ(子育ても終了し人生の終末期を迎えているということもあるが)といって、おすすめしている。金はかからないしいろいろタブーな話題を話題を詰め込んだ本を出しても税務署にいじめれるリスクもなく、生きていける、と。
無印良品のインフラゼロハウスが紹介されているYouTubeのコメント欄には「建築業界は利権の塊なので某大手たちに潰されないことを祈ります」「その前に国につぶされそう」なんてコメントがあって、あり得そうで笑ってしまった。
だからこそ、こういったこと(持続可能社会というより“自立可能社会”に近づくこと)をやる企業も個人も、どんどん出てほしいな、と思っている。
無印良品も森永さんも坂口さんも、わりと大勢にアプローチできるってところがいい。
まあ無印良品は、消費者に自給自足してほしいわけじゃなくて、「災害時にも安心かつ、おしゃれで環境にいい家」をフックに売り出しているわけだし。
坂口さんは、センス抜群なので、絵をみて彼を知る人もいるだろうし、POPEYE(ポパイ)で連載しているし、結構な鋭い視点をふんわりした文章で綴りちょっとおしゃれな感じの本になって多くの人に届いてるのがすごいなあと思っているのである。
もっとそういったものを紹介していかねばー、と思うのだが、やりたいことが多くて時間が足りない〜。
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