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酸っぱい梅干しを2種類

 以前、のり弁について書いたときに、素朴な和の味が好きだといったが、“海苔”に続いて思い浮かぶのが、梅干しだ。いつから好きだとかまったく覚えていなくて、そんなわけはないのだけどもはや生まれたときから好きだったような気がするほど、好き。

 “梅干し好き”は皆公言しているような気がするが、なんといっても、酸っぱい梅干しがいい。

 若い頃は甘い梅干しもわりと食べていたような気もする。でも、思い返してみれば私が10代の頃くらいまで甘い梅干しは今よりはまだ少なかったような気がする。だからこそ、「食べやすーい」と美味しく感じたのではないか。それに、あの頃はまだ天然の甘味料が使われている「はちみつ梅」みたいなものがわりとあって、今売っているものよりも、もう少し甘さもマイルドだった気がする。時代が進むにすれて、ブドウ糖果糖液といった人工甘味料を使ったものが増え、どんどん甘くなっている、気がする。
 だから、梅干し好きは、今や貴重品となった、塩だけ、もしくは塩と紫蘇のみでつけた梅干しをますます好むようになっている。Xなどでも、昔ながらの酸っぱい梅干しを求める声が少なくないし、スーパーの梅干しは添加物だらけだから自分でつけるという人も周りにわりと多い。

 我が家でも、甘い梅干しは頂き物くらいで、これがあるときは完全にお菓子代わりに食べる。駄菓子のスモモ的な感じ。

 最近、我が家に常備しているのは、酸っぱい梅干しが2種類。

 ひとつは大粒の昔ながらのしょっぱめ梅干し。主に、おにぎりやお茶漬け、それから梅和えなどの料理に使っている。塩分がほしいときに白湯にいれたりもする。これは実は隣に住む大家さんの手作りで、去年いただいたもの。ありがたいことに、まだたくさん残っている。中粒くらいだとは思うが、まるまる一粒は食べられないくらいしょっぱい。蓋の堅いタッパーに入れていたが取り出すのが面倒だなと思って、小さな壺を買った。使いたい分量にちぎって使うことが多いので、ハサミで適当な大きさに切って壺に入れている。壺は、益子焼きだった気がする。色合いといい、大きさといい、手触りといい、すべてが好みで、一目惚れしたもの。開け閉めもスムーズ。

 もう一つの梅干しは、小粒で食べやすいタイプ。これは湯河原に行ったときに温泉施設で買ったもの。こちらも添加物なしの塩と紫蘇でつけられた梅干し。

 旅先で梅干し見るとつい購入したくなるというのは、私だけではないと思う。手作りのものや添加物なしのシンプルな(といっても本来は保存食だしこれが普通なんだけど)ものが多くて、値段も手頃。旅先で買って旅行中にちょっとつまんだりもしている。梅干しってシンプルだけどシンプルなだけに、意外と風味の違いもわかるし、大きさによって食感がぜんぜん違うし、いつものスーパーにない梅干しを買うのは結構楽しい。

 で、この小粒の小さな梅干しは、おやつの代わりに、さっぱりしたいときに、パクッと口に放り込むことが多い。酸っぱさと同時に、梅の爽やかさも感じられて、気分もすっきり。
 最近、遠出するときは、小瓶に入れたこの梅干しを持ち歩いている。仲がいい友人もまた梅干しが好きで、彼女が梅干しをパックのまま持ち歩いているのを見て、真似をした。外出時でもこのシュッとした酸っぱさとすっきり感を楽しめる。飲食後のリフレッシュや、朝のお茶請けなどとして食べている。

 こんな感じで、酸っぱい梅干しは、私の日常になくてはならないものなのだ。



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