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ゼネラルコントラクター三井住友建設の憂鬱 ~500億の赤字もバッチコイ。ゼネコンの悲哀~

今年もクソ物件オブザイヤーの季節が巡ってきましたが、たった一つの物件開発で500億もの巨額の赤字をたたき出した三井住友建設が、なぜそのような事態に陥ったのか興味を持ったので解説していこうと思います。


上場企業の悲哀。できれば隠しておきたかった・・・っ!!

そもそもなんでこんなやらかしがわかっているのかというと三井住友建設は東証に上場しているため、決算内容などは公開情報でバンバン開示されているためです。実際に確認してみると23年3月期では180億の赤字となっており、肝心の株価も右肩下がり。億り人を夢見る株主たちから株主総会では「お前何しとんねん」と突っ込まれたりするわけです。

株価下がってるなぁ・・・

絶望の調査報告書

そんな株主達から「お前なんでこんなことになっとるんか説明せえや!」と株主総会ですごまれた三井住友建設は11月、調査報告書を公開しました。内容を確認すると国内で施工中の大型建築工事で計534億円の損失を計上するに至ったと記載されており、理由としては難易度が高い地下工事における工法・工期の検討や懸念事項の共有などが不十分だった点や、工場製作部材の図面作成に関する見通しの甘さや体制の不備などが指摘されています。この調査報告書では具体的な物件名も記載されておらず国内で施工中の大型建築工事とった一つの物件工事でやらかしたと明確に記載されています。

その後のお仕事くれなくなるし、受注主への配慮は大事だよね

とまぁそんな建前はどこ吹く風として、この物件は森ビルから受注した東京都港区の「麻布台ヒルズレジデンスB」の話なんですが、いわゆる億ションの建設です。噂では1部屋5億円で売り出される・・・なんてレベルの超高層タワーマンションの建設が遅延につぐ遅延でこんな規模の損失となっているのです。明らかにわかっていることでもあえて明言しないことで、責任の

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