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負動産テック ~ツーブロックゴリラ達の頭脳戦①~

 NICOICHIプレゼンッ!
というこで本年のクソ物件オブザイヤーも大賞が発表されたわけですが、個人的に「法律を犯さなければ良いとかいう話ではないんだよ?」と諭したくなるような法の盲点をつく案件についてとりまとめようと思います。億単位の金儲けの前に倫理観や道徳は無力なんですよ。


宗教VS国 これは節税か脱税か

 寺院の正門に当たる「山門」を高層ビル化してホテルが入る国内初の「山門一体型ホテル」で話題となった大阪の寺院が、ビルの土地に課された固定資産税額を不服として大阪市を提訴し、二審大阪高裁で係争中でしたが、6月29日宗教法人の訴えを全面的に認める判決が出ました。大阪高裁は寺院側の訴えを認め、約480万円の課税を取り消しました。 宗教法人の「境内地」は地方税法で非課税とされていますが、市と一審判決は課税対象の「収益事業用地」と判断した判決を、二審の高裁でひっくり返したという、個人的にはウルトラCの案件です。優秀な弁護人を囲える宗教強い!
 なお現在最高裁まで争っており判決はいまだ出ていません。


争点の元ネタ大阪御堂筋にある御堂ビル

法的な殴り合いの経緯

 争いの焦点となったのは南御堂(真宗大谷派難波別院)の敷地内に立つ山門一体型ホテルとなります。南御堂は1595年に創建され、参道が「御堂筋由来にもなっている由緒ある寺院です。2019年に正門となる「山門」と、ホテルが一体となったビルがオープン、寺院は土地をビル側に貸し出しし空洞になった部分を「山門」として使用していました。大阪市はこの「山門」の土地も含め、ホテルの収益事業で使用していると主張して固定資産税を算出し、2020年度に、およそ3億1800万円を寺院に課しました。 
 
 これを不服とした南御堂側は裁判を起こします。山門の土地のうち約200平方メートルが宗教活動で使用している「参道」にあたり非課税の対象となるとして約590万円の課税の取り消しを求めてきました。

 1審の大阪地裁は、「空洞部分も収益事業にあたる」と認定して、寺院側の訴えを棄却していました。控訴審で大阪高裁は空洞部分について「敷石が

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