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米国経済の見通し

 円高円安に振り回されている最近ですが、大統領選挙も控えた米国の見通しについてAREKOREを。

 2023年の米国経済は、多くの予測を上回る成長を示し、リセッション(景気後退)の予測を覆しました。予想以上の経済成長は、家計の健全な状況と、金利の引き上げが効きにくい環境という2つの主要な要因に支えられたと考えられています。

つまり2023年の米国経済の成長要因は

  • 家計の強さ: コロナ禍で消費されずに蓄積された余剰貯蓄が、高インフレに対するバッファーとして機能しました。さらに、賃金上昇率が4%台で推移し、実質賃金の増加が消費を後押ししました。

  • 金利の引き上げが効きにくい環境: 米国の家計事情として住宅ローンの多くを固定金利で借りていたため、金利上昇の影響を受けにくく、企業も同様に社債の借り換えなどで資金調達の影響を最小化できました。

 このような要因の結果、2023年の実質GDP成長率は2.5%となり、元々予測されていた潜在成長率である1.8%を上回る高い経済成長を米国は達成したのです。

では2024年の見通しというと

  2024年の米国経済は、2023年の高成長を支えた要因(コロナ禍の貯蓄を使い果たしたこと、金利の上昇が想像異常なこと)が剥落するため、緩やかな景気減速が見込まれます。

 以下、2024年の主要な見通しとなります。

  • 消費の動向: 余剰貯蓄が減少し、クレジットカードローンなどの利用が増加しているため、家計の財務状況は悪化しつつあります。クレジットカードの90日以上延滞率も上昇しており、2024年は金利高が家計に本格的な影響を及ぼす可能性があります。

  • 賃金と労働市場: 2024年の労働需要は緩やかに減少すると予想されていますが、政府の施策効果による建設業や一部の製造業では労働需要が堅調です。一方、金融業や情報通信業などでは人員削減の傾向が見られます。賃金上昇率は徐々に低下するものの、労働需給の緩和ペースほどではないと予想されます。

  • 金利の影響: 2024年には、企業部門で金利高の影響が顕在化する見込みです。家計では、住宅ローン金利の上昇により、中古住宅価格が上昇し、ローンの長期化などの影響が見られます。

 2024年の米国経済のシナリオ

 メインシナリオとして、年半ばにかけて金融引き締め効果が顕在化し、経済は緩やかに減速し、年後半から利下げなどに伴って回復するという、いわゆるソフトランディングが予想されています。

 しかし、これは賃金上昇と物価の動向に大きく左右されるため、さまざまなシナリオがあり得ます。大統領選挙はバイデンが勝つか、トランプが勝つかで採用される政策が異なってくるため確実な予想も困難です。

 2024年の米国経済には不確実性が存在します。引き続き、動向を注視しながら、経済成長の展望を見極める必要があります。

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