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小説 コーチ物語

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コーチングのコーチ、羽賀純一。 彼のもとには多くのクライアントがやってくる。 この物語は、羽賀コーチによってクライアントがどのように成長し、羽ばたいていくのかをクライアントの視点…
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#スパイ

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その8

「お前は何者なんだ?」  青年は味方だと言っているが、まだ信用出来ない。その青年は名刺を…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その7

「どうなってほしい、か………まぁ無理な話でしょうが、その力を自分にために使うのではなく、…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その6

「大磯さん、ボクから一言感じたことを言わせてもらってもよろしいでしょうか?」  羽賀コー…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その5

「そうはならないって、どうしてなんですか?」  私は率直にその疑問を、大柄の男にぶつけて…

古賀弘規
3か月前

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その4

「あまり無理はしないで。今は身体を十分休めてくださいね」  私はそう言うのが精一杯だった…

古賀弘規
3か月前

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その3

「大磯さん、これでも飲んで」  羽賀コーチは私に冷たい水をさし出してくれた。私はそれを一…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その2

「大磯さん、今不安、ですか?」  羽賀コーチの言葉で私は今の自分の気持をもう一度考えてみた。  不安、確かにそれもある。が、それ以上に私の中から湧きでてくるもの。それは坂口さんに対しての期待感と信頼感である。彼以外にパートナーを組むことは考えられないし、彼がいてくれれば思ったとおり進みそうだという感じがする。 「羽賀さん、坂口さんをなんとか説得していただけないでしょうか?」 「うぅん、残念ながらそれはできません」  スパッと羽賀さんに断られてしまった。自分で何とかしろ、という

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その1

「そうですか。ありがとうございます。この度はいろいろとご協力を頂き感謝します」  私は羽…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第三章 真実とともに その8

「私は、私は自分を救いたかったんだと思います」  これが本音かもしれない。いや、間違いな…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第三章 真実とともに その7

「兵庫、きさまどうして、どうして石塚さんを……」 「決まってるじゃないですか。日本がこれ…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第三章 真実とともに その6

 その日の夜、妻が帰った後にモバイルパソコンを開く。そこで羽賀さんからもらったマイクロS…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第三章 真実とともに その5

「あなた、あなた」  私が次に目を開けたときに目にしたもの、それは今にも泣きそうな妻の顔…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第三章 真実とともに その4

 今回の大磯との打ち合わせは、今回の人工衛星に関する情報が羽賀さんたちの手によって友民党…

古賀弘規
3か月前

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第三章 真実とともに その3

 羽賀さんのコーチング、それは一見すると優しい口調で私に語りかけるものでもあるけれど、内容としてはとても厳しいものであった。 「では坂口さんが本当に欲しかったもの、それは家族とのゆっくりとした時間ということですね?」 「はい。私は家族を愛しています」 「家族を愛している。だからゆっくりした時間が欲しかったのか。本当にそうなんですね」  ここで羽賀さんはにこりと笑って、語尾を上げて私の目を見る。とても穏やかな表情なのに、「そうなんですね」と質問をされると考え込んでしまう。本当に