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小説 コーチ物語

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コーチングのコーチ、羽賀純一。 彼のもとには多くのクライアントがやってくる。 この物語は、羽賀コーチによってクライアントがどのように成長し、羽ばたいていくのかをクライアントの視点…
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2024年7月の記事一覧

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第五章 過去、そして未来 その7

「さて、蒼樹さんどうしますか?」 「どうしますかって………」  なにをどうすればいいのか、…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第五章 過去、そして未来 その6

 その翌日、ボクは羽賀さんに呼ばれて事務所へと足を運んだ。もちろん、昨日のお礼もしなけれ…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第五章 過去、そして未来 その5

 ドアの外が妙に騒がしい。どうやら部屋は囲まれたみたいだ。 「陰に隠れてろ」  ジンは指を…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第五章 過去、そして未来 その4

 その後、僕は大柄な二人の男に連れられて、ロイヤルホテルのスイートルームへ軟禁されること…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第五章 過去、そして未来 その3

「こんにちは」  ボクはタクシーに向かって、正面から挨拶をした。 「あぁ、先程はどうも」 …

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第五章 過去、そして未来 その2

「ど、どうしてあのタクシーが?」 「蒼樹さん、あなた目立ちすぎているんですよ」 「そ、そん…

古賀弘規
3か月前

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第五章 過去、そして未来 その1

 今朝、テレビをつけて初めて知った。 「大磯さん、殺されたのか………」  ボクはベッドから起きてタバコに火をつけようとしたときにそれをみて、動きが止まってしまった。  テレビのテロップには、会社員が何者かに射殺されたとの報道がなされており、現場からレポーターが早口で状況を説明していた。  ショックだった。  何がショックかって。大磯さんが殺されたことではない。佐伯孝蔵に近づくための道筋が閉ざされてしまったこと。それがショックだった。せっかくここまでつかんで、あと一歩というとこ

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その8

「お前は何者なんだ?」  青年は味方だと言っているが、まだ信用出来ない。その青年は名刺を…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その7

「どうなってほしい、か………まぁ無理な話でしょうが、その力を自分にために使うのではなく、…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その6

「大磯さん、ボクから一言感じたことを言わせてもらってもよろしいでしょうか?」  羽賀コー…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その5

「そうはならないって、どうしてなんですか?」  私は率直にその疑問を、大柄の男にぶつけて…

古賀弘規
3か月前

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その4

「あまり無理はしないで。今は身体を十分休めてくださいね」  私はそう言うのが精一杯だった…

古賀弘規
3か月前

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その3

「大磯さん、これでも飲んで」  羽賀コーチは私に冷たい水をさし出してくれた。私はそれを一…

古賀弘規
3か月前
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コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第四章 本当の心 その2

「大磯さん、今不安、ですか?」  羽賀コーチの言葉で私は今の自分の気持をもう一度考えてみた。  不安、確かにそれもある。が、それ以上に私の中から湧きでてくるもの。それは坂口さんに対しての期待感と信頼感である。彼以外にパートナーを組むことは考えられないし、彼がいてくれれば思ったとおり進みそうだという感じがする。 「羽賀さん、坂口さんをなんとか説得していただけないでしょうか?」 「うぅん、残念ながらそれはできません」  スパッと羽賀さんに断られてしまった。自分で何とかしろ、という