マガジンのカバー画像

小説 コーチ物語

300
コーチングのコーチ、羽賀純一。 彼のもとには多くのクライアントがやってくる。 この物語は、羽賀コーチによってクライアントがどのように成長し、羽ばたいていくのかをクライアントの視点…
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

コーチ物語 クライアント17「届け、この想い」その3

「あらぁ、トシくん。久しぶりね」  ボクを待ち構えていたのは、ミクではなく舞衣さんだった…

古賀弘規
5か月前
1

コーチ物語 クライアント17「届け、この想い」その2

「あらぁ、敏博じゃない。早かったわね」  そこには笑いながらお茶をすすっている母さんの姿…

古賀弘規
5か月前

コーチ物語 クライアント17「届け、この想い」その1

 サイクルショップ・サトヤマ。ここはプロショップとして、地元で自転車を趣味としている人が…

古賀弘規
5か月前
1

コーチ物語 クライアント16「落日のあとに」その8

「あらやだ、もうこんな時間。そろそろ家に帰らないと。子どもたちが待っているわ」  しずえ…

古賀弘規
5か月前

コーチ物語 クライアント16「落日のあとに」その7

 それからは羽賀さんの協力のもと、計画づくりを進行させた。  まず、しずえはいま自力で歩…

古賀弘規
5か月前
1

コーチ物語 クライアント16「落日のあとに」その6

 翌日の朝、羽賀さんから病院へ同行してくれるという電話があった。私もまだ足の捻挫があるた…

古賀弘規
5か月前

コーチ物語 クライアント16「落日のあとに」その5

「そっか、神島さんってすごく奥さん思いなんですね。あ〜あ、私もそんなふうに思ってくれる彼氏が欲しいなぁ〜」  食事が済んだ後、ミクさんはデザートのりんごを剥きながらそんな話をしてきた。 「ミクさんだったらすぐに彼氏できるんじゃないですか。かわいらしいし、私はそんな女性大好きですよ」 「うふふ、ありがと。まぁ自転車バカの仲の良い友達はいるんだけど。でもいざとなったら私より自転車をとりそうな気がするしなぁ」 「へぇ、ミクさんにもちゃんとそんな人いるんじゃないですか」 「えへっ、ま

コーチ物語 クライアント16「落日のあとに」その4

 そのあとは一度家に帰った。そして唐沢さんに私が前にいた会社の事を説明。説明というよりは…

古賀弘規
5か月前

コーチ物語 クライアント16「落日のあとに」その3

「あら、おはようございます」  息を切らして、足を引きずりながらしずえの病室に駆け込むと…

古賀弘規
5か月前
1

コーチ物語 クライアント16「落日のあとに」その2

 それから病院の談話室で二人と食事をとった。近くのお弁当屋のものではあったが、いつも食べ…

古賀弘規
5か月前
1

コーチ物語 クライアント16「落日のあとに」その1

<作者より> 今回のシリーズは、再編集をして読み直したときに、思わず涙してしまった。そん…

古賀弘規
5か月前
1

コーチ物語 クライアントファイル15「弟子入り志願」その8

「ボクがどうなれば……」  そうだ、ボクが一人前としてオヤジから認められればいいんだ。で…

古賀弘規
5か月前
1

コーチ物語 クライアントファイル15「弟子入り志願」その7

「はい、お茶をどうぞ」 「いやぁ、舞衣さんのお茶はいつ飲んでも最高っ! うまいっ」  家主…

古賀弘規
5か月前

コーチ物語 クライアントファイル15「弟子入り志願」その6

 こうして毎日羽賀さんの事務所に通い、コーチングのコツを少しずつ身につける日々が続いた。その中で時々羽賀さんからボク自身の夢や目標といったことについても触れてくれる。おかげで自分の未来に向かうことが楽しく感じられるようになってきた。  そうして一ヶ月が経ったころ、思いがけない事件が起こった。 「あ、母さん。どうしたの、突然?」  それは一本の電話から始まった。電話の主は広島の実家の母。実家は農業をやっていているのだが、父と母のふたりだけで経営。ボクには弟がいて、実家の隣町にに