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毎日の有酸素運動と筋トレで肺炎の死亡リスクを下げられる

英国スポーツ医学雑誌British Journal of Sports Medicineの研究論文の紹介。

今回は余暇時間にする運動活動とインフルエンザや肺炎の死亡率の関係を調査したものです。原文はこちら。

Leisure-time physical activity and mortality from influenza and pneumonia: a cohort study of 577 909 US adults

対象は18歳以上、577,909人を運動強度によって5段階に分類し、運動の強度によってインフルエンザや肺炎死亡のリスクが下がるかを調査したものです。ただし運動強度の申告は自己申告なので、もしかしたら記憶が曖昧な人もいるかもしれません(バイアス)。

集まった577,909人のうち約半分が筋トレ、有酸素またはその両方の運動をしていました。データを見ていて面白いなと思ったのが、運動している人の中にもそれなりにかなりの肥満(BMI30超え)がいるということ、そして運動していないグループ(正確には今回の調査の運動のクライテリアに満たないグループ)と比べると、運動しているグループは循環器疾患(高血圧、虚血性心疾患、脳卒中)や糖尿病、がんの割合が少ないです。今回の調査においてはこれらの因果関係は分かりません。

結果としては、有酸素運動に関しては週に10分も運動していない人たちと比べると、週に5〜10時間運動するグループ(軽度の汗をかく程度の運動)はリスクが50%下がったとのこと。有酸素10時間以上だと41%リスクが下がるようで、毎日1時間程度の適度な運動だと1週間に5時間になりそうです。

また週2回未満の筋トレしていたグループと比べると、週2回筋トレのグループは47%リスクが下がり、逆に週7回以上は41%上がっていたようです。

この研究では週3回以上だとあまりリスク低減のエビデンスがなく、週7回の筋トレでむしろリスクが上がっているように見えますが、筋トレそのものが肺炎死亡のリスクというわけではなく、やりすぎは禁物ということでしょうか…。

まとめると、週2回の筋トレと毎日1日30分から1時間くらい有酸素運動をするのがいいのかなと思います。ちょっとの運動でもやらないよりやったほうがいいというのが今回の論文には示されているかもしれません。

これくらいだとちょっと時間を作ればなんとか続けることができそうです。

毎日なんらかの運動をするとして、週の7日のうち、5日は有酸素運動、2日は筋トレにあてるくらいがいいのかなと思いました。

image: pixarbay