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インソールは膝蓋大腿関節の負担を軽減するか?

英国の有名なスポーツ医学誌であるBritish Journal of Sports Medicine (BJSM)のブログで面白い記事を見つけました。

膝蓋大腿痛や変形性関節症のある成人とない成人を対象に、ウォーキング、ランニング、またはウォーキングとランニングを組み合わせた際の膝蓋大腿関節(太ももの骨(大腿骨)と膝蓋骨の間の関節:PFJ)の負荷に対する介入(例、シューズやインソールなど)の効果を評価する分析についてです。


今回の研究では33の過去の論文(22のシューズの研究、11のインソールの研究)を分析してこれらの効果の有効性を評価しました。

結果的には、インソールもロッカーシューズ(走り出しの一歩が出やすいソールの丸くなったランニングシューズ)も膝蓋大腿関節(PFJ)の負担を減らすことはできなかったことがわかりました。

シューズの中でもミニマリストシューズ(底がフラットなシューズ)がランニングやウォーキングにおいて、膝蓋大腿関節の負担をわずかに減らすことができました。

なお、足のテーピングや装具が関節の負荷に及ぼす影響を調査した研究はありませんでした。またウォーキングやランニング中のロッカーソールシューズの影響に関する証拠についてもはっきりしたものはなかったようです。

膝蓋大腿痛や変形性関節症のある人には、ランニング中の膝蓋大腿関節への負荷を軽減することを目指すために、ミニマリストシューズがいいかもしれないということでした。

またブログにはクッション性のあるシューズについては記載がありませんでした。そういった研究がなかったのか、また検討されていないのはわかりませんでしたが、今回の研究ではランニング中の膝蓋大腿関節への負荷を軽減することを目指すために、フラットなミニマリストシューズが良さそうということでした。

BJSM Blogから

研究とは直接関係はないですが、Nikeにミニマリストランニングシューズを買うときのヒントが載っていました。

さらに別の論文ではベアフットランナー(裸足で走る)は膝の障害が少なかったという報告もありますが、裸足ランニングについては、次の時に調べてみたいと思います。東京マラソンでも裸足で完走しているランナーをちらほら見かけたのですが、冷たくなかったのでしょうかね…。


References

Do biomechanical foot-based interventions reduce patellofemoral joint loads in adults with and without patellofemoral pain or osteoarthritis? A systematic review and meta-analysis

Do footwear or insoles reduce patellofemoral joint loads in people with or without patellofemoral pain or osteoarthritis?

Take your shoes off to reduce patellofemoral joint stress during running

Prospective comparison of running injuries between shod and barefoot runners

image pixabay