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ネパール旅行記1


ネパールでもいくか

2023年5月末。4年間勤めた会社を辞めた。新卒で入った会社なので、それなりに思い入れもあったし、良い会社だったとも思う。
でも、周り(上層部)のレベルや業務の難易度に嫌気が差して辞めた。

次の会社はもう決まっていて入社は7月。少し早めの夏休みである。
最終出社日までは仕事の引き継ぎや辞めるための準備に精一杯で、休み中のことなどあんまり考えていなかった。何もしないをダラダラと満喫するか〜とか考えていた。
ただふと気がつき、「あれ?こんな休みって俺にとって向こう20年くらい来ないのでは?」と考えるようになった。
社会人として働き始めて5年目。ありがたいことに順当にお金も増え、時間もある。しかもまだ27歳と体力もバッチリある。だいたいこの3つってどれか欠けた状態が常だと思うが、今は全部ある。この先子どもができたら、そんな3拍子揃った一人の時間なんて来ないだろうなと思うと、急に何か今のうちにできることをしようと思えた。

海外に行くのは割と好きだ。22歳くらいの時にバーレーンに一人で旅行に行った記憶が蘇り、この貴重な時間を使ってまたよく知らない国に行こうと決めた。ネットでなんでも知れる現代において、「知らない」を知りにいくことが楽しかったからだ。
Google Mapを開いて、現在地を示す横浜からどんどんピンチアウトしていき、アジア圏から順番に国名を見ていく。そこでよく分からない国をリストアップしていく。
確か、挙げた国が「ブルネイ・ダルサラーム(マジで名前しか聞いたことないしダルサラームってなんだよ)」「東ティモール(ってことは西があんのか?)」「ブータン(幸せの国だ!何故幸せ?)」「パプアニューギニア(綺麗な鳥がいそう、暑そう)」「ネパール(インドと何が違うんだ?)」みたいなラインナップだったと思う。
その中から、ビザ情報やコロナによる渡航制限、ワクチン接種の義務、航空券の値段などを調べて最終的に「ネパール」に行くことにした。
(決め手は色々あったと思うが、覚えている理由としては自分の好きな「カトマンズ」というアウトドアブランドがあり、ネパールの首都と同じ名前だったからだ)

その場で、エクスペディアからチケットを予約。インドのデリーでトランジット
をし、ネパールの首都カトマンズへ向かう航空券だ。
東京からデリーまで9時間、デリーからカトマンズまでは2時間くらいらしい。期間はとりあえず10日間。急いで色々な都市を回るのはイヤだし、とにかくのんびりしよ〜と思い10日間にした。
合わせて到着初日は、夜に着くのでホテルも取っておいた。
だいぶざっくりで、計画性のない決め方だがそれでもなんの問題ないのが一人旅の良いところだ。

ということで、渡航の2週間くらい前に急遽チケットをとると、急に楽しみになってきた。ネパールのことは上記記載したくらいの情報しか知らないので、最低限の情報は知っておこうと思い図書館でネパールの本を借りた。
地球の歩き方 的な旅行本ではなく、歴史や政治情勢、宗教、地理、文化などについて書かれた本である。
半分くらい読んでみるとヒンディー教をベースとしながらも、チベット仏教やネワール仏教、イスラーム教などさまざまな文化が混ざっているらしい。
ただ、知らない国に行くのに、これ以上知りすぎてもつまらないので、本も半分だけ読んで残りはとっておいた。(ネットで調べるのは基本なしにしていた。)

急に決まった旅ではあるが、会社の人や友人に「有給中は何するの?」と聞かれ
「ネパールに行こうと思います」と答えると、とても驚かれると同時に色々心配の声をかけられてた

何にそんなに驚くんだろうと 正直思う。「一人で行く」ということにも驚かれるし、ネパールということにも驚かれる。そして次に聞かれるのは決まって「なんで?」である。
上述した通り、理由なんて理由はなく、まさか「好きなアウトドアブランドと同じ名前の首都だからです」なんてバカ丸出しもしくは、僕変わってるんですアピールみたいな理由は言えないので、「宗教や文化に興味があって」とかいうそれっぽい後付けの理由で濁した。

飛行機事故が多いや、治安が悪い、食べ物が悪いから気をつけて なんて声も結構もらった。チケットを取った後にそんなことを言われても困るし、自分も不安になるので、そういうことは言わないでほしい。

そういったやり取りもあり結局「有給中は何するの?」という質問に対しては、「のんびりリフレッシュしようと思います(嘘ではない)」と答えるようになった。
(心配されそうな家族とかにも何も言わなかった)

こういった厚意で言ってくれている言葉に対してもちゃんと「うるせーな」と思ってしまう自分に苦笑をしつつ、だから他人に自分のことは喋るもんじゃないなと再確認をした。普段なら、「何するの?」という質問に対して具体的に答えない自分だが、多分ネパールに行くことに浮かれていたのだと思い、反省をした。



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