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【4人目】初めての一目惚れ(18歳)

 ある日、いつものように街を歩いていると、凄くタイプなロン毛の男性がいた。どこかで会った事がある気がして、声をかけた。どうやら初対面だった。名前はヒデと言うらしい。もう30手前で彫師をしていた。連絡先だけ交換して別れたが、ヒデの事が頭から離れられなくなった。


 元彼の偉王とのことがひと段落して、直ぐに連絡した。ヒデと過ごす時間だけは、大人になった気がした。

 刺青入れてみたいと言うと、入れてもいい事ないと言った。ヒデから大麻吸ったことあるかと聞かれたが、ないと答えた。それ以上何もなかった。外国に旅行に行く時は、必ず現地での写真を送ってくれたし、お土産を買ってきてくれた。

 ある日、彼の家には子供用のおもちゃがあった。どうやらバツイチで、子供は母親の方にいるようだった。俺は結婚に向いてないから、もう結婚はしないと言っていた。


 ある日、ちょっと遠いところに旅行しようか、と言ってきた。すごく嬉しかった反面、これ以上好きになっていいのか不安であった。

 結局、友達の紹介で知り合った蒼大に告白されて、ヒデを忘れるために付き合った。

 ヒデに別に彼氏できたって言うと、もう会えないねと言った。そんな誠実な人だったんだ、とその時初めて知った。


 蒼大と別れた時、まず思い出したのはヒデだった。ヒデに別れたから会いたいと言うと、直ぐに会ってくれた。
 でも、会ってから私がもうヒデの事好きじゃないことに気がついた。前みたいな気持ちにはなれないし、楽しくもなかった。


 私がロン毛好きと言うことだけが分かった。

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