コンガラ池
昔、とある山の麓の集落にコンガラ池という池がありました。
池にはタニシやアメンボ、おたまじゃくし、ガマ、アヤメといった動植物たちが住んでおりました。コンガラ池の住人たちは、平和な時間を楽しんでいました。
しかし、ある日、おたまじゃくしがカラスに襲われてしまいました。
**おたまじゃくし:** 「きゃー、助けてー!」
おたまじゃくしが助けを求めます。
**ゲンゴロウ:** 「みんな、急ごう!」
ゲンゴロウがみんなに声をかけ、カラスを相手に必死に抵抗をしました。
しかし、みんなの努力も虚しくおたまじゃくしはカラスに食べられてしまいました。
仲間たちは悲しみに包まれました。
生き残った仲間たちは協力し、カラスに立ち向かうことを決意しました。
ゲンゴロウ: 「さて、どうやってカラスに立ち向かおうか?」
アメンボ: 「みんなで力を合わせて、一緒に考えようよ!」
おたまじゃくし: 「私たちも手伝うから、どうすればいいのか教えて!」
生き残った仲間たちは、一丸となってカラスに対抗する方法を模索しました。
1匹目のタニシ: 「みんなで協力して、カラスが来たら一緒に叫ぼう!」
2匹目のタニシ: 「そうだ!声を大にして、カラスを追い払おう!」
3匹目のタニシ: 「それに加えて、巣に近づく前にカラスを驚かせる方法も考えよう。」
ゲンゴロウ、アメンボ、おたまじゃくし、そして3匹のタニシが、団結してカラスに対抗する新しい計画を練り始めました。
しかし、昆虫や植物は陸に上がれず、声も届かないため、困難な状況でした。
ゲンゴロウ: 「みんな、計画が上手くいかないみたいだね。」
アメンボ: 「でも、諦めるわけにはいかないよ。」
おたまじゃくし: 「ええ、せっかくみんなで協力してるんだもん。」
生き残った仲間たちは努力しても、カラスに対抗する方法が見つからなかった時、希望を失うことなく力強く言いました。
1匹目のタニシ: 「仕方ないね。でも、諦めずに最後の手段を試そう。」
2匹目のタニシ: 「そうだ、陸に上がって巣に近づいて、話しかけるしかないかもしれない。」
3匹目のタニシ: 「みんなで力を合わせれば、何かできるかもしれないよ。」
そこで、3匹のタニシが陸に上がる訓練を始め、成功すると決意を固めました。
**1匹目のタニシ:** 「陸に上がれるようになったよ!」
**2匹目のタニシ:** 「カラスの元へ行こう!」
彼らは近くの杉の木の上に巣を作るカラスの元へと向かうことにしました。
陸に上がり、カラスの巣の前に立つと、予想外のことが起こりました。
**3匹目のタニシ:** 「カラスさん、ちょっとお話があるんだよ。」
すると、カラスはびっくりして、「な、なんだい?」
**1匹目のタニシ:** 「なんでおたまじゃくしを食べちゃったの?」
すると、カラスはちょっと考え込んで、
「ごめんなさい。おなかがすいてるこどもたちに食べ物を持って帰りたかったんだ。ほら、巣にこどもがいるでしょう?うちのこどもたちも育てなきゃいけないから。君たちには申し訳ないことをしたよ。ごめんね。」
攻撃されることを覚悟していたタニシたちは、その言葉に驚きました。そしてカラスを許して池に戻りました。
帰還した3匹のタニシは、その真相を池の仲間たちに伝えました。
**ゲンゴロウ:** 「お疲れ様。」
**アメンボ:** 「すごい冒険だったね。」
カラスが持つ命の尊さに気づいた彼らは、お互いの命を大切にすることを改めて認識しました。
一匹のタニシが語りかけました。
**1匹目のタニシ:** 「カラスにも守るべき命があったんだ。おたまじゃくしは食べられてしまったけれど、無事にカエルになれたし、我々も無事に帰還できた。生きていることに感謝しよう!」
そういうと池の仲間たちは次々と声を上げました。
**ガマ:** 「みんなで協力しないとね。」
**アヤメ:** 「大切なのは仲間だよ。」
**3匹目のタニシ:** 「みんな、ありがとう。」
池の仲間たちは涙しました。
彼らは共に生きる大切さを学び、コンガラ池はさらに団結し、調和のとれた場となりました。
**アヤメ:** 「これからも一緒に幸せな時間を過ごそうね。」
**ガマ:** 「仲間がいるって素晴らしいことだよ。」
**全員:** 「うん、一緒にいることが一番の宝物だね!」
そして、満ち足りた笑顔でコンガラ池の住人たちは手を取り合いました。
**全員:** 「みんな、ありがとう。これからもずっと、仲良くね!」
そして、コンガラ池は笑顔に包まれ、幸せな時間が続いていったのでした。
おしまい
あとがき
この物語では池の住民たちの仲間であるおたまじゃくしの一匹がカラスに食べられてしまいます。自然とは残酷にできている一面があります。カラスも家族のために行った行為でした。
この場面をどう捉えるか。タニシたちのように受け入れて次に進んだり、今生きていることに感謝したりできる人は決して多くはないと思います。
もし、自分がタニシだったら、もしくはカラスだったらどんな考えになってどんな行動をしていたでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
これからも子供向けの温かいお話や大人がクスッと笑えるような童話を作っていきますので応援していただけると嬉しいです。
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作者:たま
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