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「参加するとこんな効果がある」は有効か?_学生を集めたいイベントに学生が集まらない理由3

6/25(水)に登壇する静岡市のここに講座「学生・地域・企業をつなぐ力を身につけよう(第1回)」。タイトルは、可視化でわかる「学生が集まるイベントを作る方法」で、こんな目的で1時間話すことになった。
https://kusanagiculted.or.jp/tunagutikara-1/

目的
大学生を集めたいイベントに学生が集まらないことが増えている。コロナ禍を経て、さらに集まらなくなったのはなぜか?以前と何が変わったのか?それらを最近の事例から明らかにした上で、どんなイベントならば参加するのか、多様な実験クイズを行うことで学生が集まるイベント像を作り上げる。

事前アンケート「イベントに学生が集まらない理由と解決策について、自分の考えがあれば入力ください」で、気になる回答があった。
「参加するとあなたに○○○な効果がある」「イベントの参加後のメリットを伝える」「イベントで何を得れるか提示する」である。
たしかにそんな気がするのはわかる。本当にそうだろうか?

私はそうは思わない。現場感覚で学生と話すとこんな答えの方が多い。
「参加するとコミュニケーション能力が高まる」ならば、「そんな簡単じゃない」。「参加すると社会人と知り合える」ならば、「知り合えなくていいです、面倒なので」だった。つまり、自分への効果は嘘っぽかったり、かえって負担を感じさせることがあると考えるからだ。

一方、社会貢献に関心の高い学生は多いし、増えたと感じる(ただし、お膳立て付きのものほど人気だが今回は触れない)。例えば「困っている人のために協力してくれないか」という依頼には、高確率で賛同してくれる。
実際に、履修相談に困っている1年生のために学生スタッフ募集には、すぐに多くの学生が集まった。スケジュール管理に困っている1年生のための講座登壇学生も声をかけた4人とも即OKだった。
https://www.tokoha-u.ac.jp/news/240408-1/
https://www.tokoha-u.ac.jp/news/240516-1/

しかし、困っているであろう1年生集めには苦労した。履修相談3年目は大勢集まったが、1年目は大学生活相談スタッフ学生34人に対して、参加1年生は25人だったのだ。スケジュール管理講座も、参加しやすい昼休み開催したが、参加1年生は30人ほどで決して多くない。しかも当日、こんな相談があった。「申し込みしなくても参加していいですか、特に困っていないので」。よくよく話を聞くと「困っている人として名簿に登録されてしまうかと思った」とのことだった。

これは、「参加するといいことがある」には、「私はそんなに困っていない(実際は困っていると思われたくない)」意識が高いと考える。つまり、「参加するとこんな効果がある」を使う際には、「困っていると思われたくない」ことも意識しないと逆効果になると考えるのである。
私の感覚的には、「参加すると(自分のために)こんな効果がある」は、参加者が勝手に思う程度ににおわすくらいがいい。「参加すると(自分以外の誰かのために)こんな効果がある」は、思いっきり宣伝するのがいい。
「参加するとこんな効果がある」には、「自分のために」と「誰かのために」の2種があって、どちらも大切だが、「自分のために」は、慎重に使うのがいい。

私が書いた参考記事
「自分のために」と「誰かのために」どっちが必要?
https://tanto.eshizuoka.jp/e1361202.html

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