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ストーカーされたら?身を守る方法は?警察は?|ストーカーを探偵目線で見る

ストーカーから身を守るには一択しかありません。

今すぐにでも逃げてください。

探偵はストーカーとも接します。というか、接してしまうことがあります。

今回は、過去にストーカーからの依頼を受けてしまった経験などを交えて書きます。ストーカーで悩まれている方に、ほんの少しでもお役に立てれば幸いです。

探偵社には、一方的に恋心を頂いた人、つまりストーカー(これからストーカーになってしまいそうな方も含めて)からの相談があります。

もちろん、この時点で「わたしはストーカーです」なんていう人は一人もいません。

多くのストーカーと話すと、共通していることがあります。

それは、異常なまでの執着心と、自分をストーカーと思っていない、この2点です。

1 ストーカーから受けてしまった調査

わたしはかつて、ストーカーから調査の依頼を受けてしまった経験をしています。

実際にストーカーと話して感じたことは、「ことの重大性を認識していない」ということです。

まずは『ストーカーの感覚』がどういうものかを知って頂きたいです。

1-1 実際にあったストーカーからの調査

その調査はこのようなものでした(設定は変えています)。

お世話になった英会話教室の✕✕先生にお礼が言いたいから探してほしい

その✕✕先生はすでに辞められていましたが、依頼人に違和感を感じなかったので、お受けすることになりました。

もちろん、住所や勤務先がわかっても、いきなり伝えることはしません。探されている方の同意があって伝えます。

1-2 警察署からかかってきた1本の電話

調査をはじめて数日が経った頃、とある警察署から電話があり、その案件の責任者だった私に電話がまわってきました。

基本的には、依頼人の個人情報は、たとえ警察であっても公開しません。

警察)〇〇さん(依頼人)って知ってます?

わたし)その方がどうされたんですか?

警察)今、調査してますよね。✕✕さん(先生)のことで。

わたし)(ここでアウトとわかったので協力します)はい、〇〇さんは依頼人です。

警察)ストーカーの被害届が出ているんですよね。✕✕さんから。どうされます?

わたし)もちろん調査は中止します。〇〇さん(依頼人)、呼び出ししますよね?。その前に依頼人と話したいので、呼び出す日が決まったら教えてください。

1-3 ストーカー当人との話し合い

後日、警察の方から呼び出す日時を教えてもらい、その前に当人と話しをしました。

わたし)何か隠していることありませんか?

依頼人)特に、、なんだろ。

わたし)△△警察署。届け、出されていますよね?。

依頼人)あ、、、それですか(照れ笑い)、すいません。

「やべ、ばれた」くらいの感覚で照れ笑いを浮かべるその依頼人に、自覚はまったく感じませんでした。

これがストーカーです。

契約書に則り、調査の強制終了をお伝えしました。もちろんお金はお返しません。むしろ、虚偽の契約でリスクを背負わされたのですから、違約金を頂きたいくらいです。

この案件は、教室の他の先生から警察に通報されたことで発覚しました。探偵であってもすべての依頼人を疑うことはできません。

金銭的に困窮している探偵社があったら、受けてしまうケースもあると思います。

2 ストーカーから身を守るには

実際にストーカーから身を守るにはどうしたらいいのでしょうか?

それは、ストーカーの心理を理解していただくことが重要です。

2-1 自分自身で守るしかない

ストーカーから身を守るには、自分自身でどうにかするしかありません。

警察に相談したとしても、常に一緒にいてくれるわけではありません。

わたしがかつて勤めていた大手探偵社は「総合探偵社」をうたっていたので、色々な方からの相談がありました。

明らかに一方的な恋心をいだいている人からの相談もありました。

怪しい相談のほとんどは、ほんの少し突っ込めば、辻褄が合わなくなってくるので直ぐにわかります。もちろんお断りします。

細心の注意を払っていても、前述のようにすり抜けられてしまこともあります。

探偵に依頼してまで探したい、これがストーカーの思考です。

2-2 ストーカーに共通している『ふたつ』のこと

ストーカーには共通している『ふたつ』のことがあります。

異常なまでの執着心 と 自分をストーカーと思っていない

本当に簡単に考えないでください。多くのストーカーと話してきたわたしはそう思っています。

元カノ・元カレが今何をしているか調べてほしいといったものから、タレントの住所が知りたいまで、本当に様々な問い合わせがあります。

あなたの知らないところで、ストーカーは色々な行動をしています。

2-3 あなたの周りに常にいると思ってください

強引に離されれば離されるほど、どんどん執着心は増します。一度芽生えた執着心はそんなに簡単に消えません。

家を出たら、会社を出たら、駅で待ち伏せしているかも、頻繁に立ち寄る場所を知っているかも、ストーカーはあなたの立ち寄り先のどこにでもいると思ってください。

決着するまで警戒心は持ってください。

2-4 近しい人には伝えてください

会社の同僚、上司、社長、友人など、相談できる近しい人には必ず伝えておいてください。「迷惑かけるから」などと考えなくて大丈夫です。

『必ず』伝えておいてください。

近所の子供たちを地域の大人が見守るのと同じです。監視の目が多いのは防犯の基本です。

3 ストーカーされたらどうしたいいのか

あなたが「あの人にストーカーされている」と思った時点でストーカーは成立します。では、実際にストーカーされてしまったら、、、。

されてしまった原因を探す必要も、相手と交渉する必要も、悩み続ける必要もありません。話し合ってやめてもらう、なんて考えることは時間の無駄です。

あなたが今やるべきことはその先のことです。今すぐこれから説明することをやってください。

3-1 警察に相談する

「警察に相談って大事にしたくない」「警察に相談して逆上されたら怖い」「気のせいかも」などは考えないでください。

警察への相談はマストです。絶対にしてください。意味がある、ない、ではなく、必ず相談してください。

その場合、管轄の警察署だけでなく、勤務先と自宅の最寄りの交番にも相談してください。これは絶対です。面倒でも行ってください。

「今、警察署にこういったストーカーの件で相談しています。家はここで、仕事場はここです」と伝えるだけで大丈夫です。

その理由は、何かあったらすぐに駆けつけてくれるのは、近くの交番の警察官です。110番で来てくれる警察官に知っておいてもらうこと、気にかけてもらうことは、とても大事なことです。

3-2 警察が守ってくれるとは思わない

警察に相談したとしても、警察官が守ってくれると思わないでください。絶対に思わないでください。

よく考えてみてください。

警察には様々な事件や相談があり、それには優先順位があります。警察官お一人が抱える件数は相当なものになります。人口の多い中心地であればあるほど、その件数はもっと増えます。

あなたのストーカーに掛けられる時間はほとんどありません。

警察の方にも様々な方がいます。対応によっては、あらぬ方向に行くことだってあります。

警察から電話がかかってくると、電話番号の下4桁が『0110』です。全国すべてです。これで、警察に相談されたことがわかってしまいます。

「警告したらストーカーをやめる」と、とても簡単に考えている警察の方が多いのも事実です。懇切丁寧に説得してくれればやめてくれるかも知れません。

一見して反省する姿を見せ、謝罪するかも知れません。

しかしその内心は、プライドをズタズタにされ、感情を逆なでされ、職場に報告され、好きな人の目の前で無様な姿を見せられたら「なんで警察に相談しやがったんだ!」となります。

警察に被害届を出されてても、探偵を使って居場所を探そうとしているストーカーもいます。

これがストーカーなんです。自分をストーカーだと思っていないから、このような感情になるんです。

3-3 怨恨(えんこん)に移さない

ある防犯アナリストの方が「警察から通告されたら8割は諦める」と書かれていましたが、わたしはそんなことは絶対にないと思います。

ストーカーは諦めていません。ことを起こした2割と、ことを起こしていない8割に分類されただけです。

『執着心』を『怨恨』に変えないようにしてください。

4 個人情報は知られていると思う

ほとんどのストーカーは、あなたの家、会社、最寄り駅などの情報を知っています。

ストーカーは、あなたのことを知りたがっています。ストーカーされた時点で「個人情報は知られている」と思っておいてください。

4-1 家を知られていたら

元カレ・元カノなら家を知られているでしょう。

家を知られたら、迷わず、引っ越しをしてください。

これ一択です。できるだけ引っ越しをしてると悟られようにしてください。引っ越しトラックのあとを追っていることも想定してください。

お金がかかることなので、簡単には言えませんが、危機が切迫されている方は、今すぐに引っ越してください。

それができない場合は、一時的にでも、実家に身を寄せる、シェルターに避難する、友人宅に泊まる、ホテルに泊まる、ウイークリーマンションを利用するなどの措置を取られてください。

シェルターは行政に相談すれば案内してくれます。地域によっては民間もありますのでご相談されてください。

4-2 勤務先を知られていたら

「転職してください」ということは不可能なので、まず、会社の方に相談されてください。

「常に外にいる」という危機感を持ってください。第三者を使って尾行することを想定してください。

「え、そこまでするの?」・・・はい、そこまでしてください。これでも不十分くらいです。

5 引っ越ししたらやること

無事に引っ越しができたとしたら、やっていただくことがあります。

これから書くことはとても大事なことです。探す術を知っている探偵だから、探されない術もわかっています。探偵だから書ける内容です。

5-1 すぐに住民票は移さない

すぐに住民票は移さないでください。同じ区市町村内でしたら、住民税を支払ってさえいれば、しばらくは問題ありません。

いつまでも、という訳には行きませんので『一時的な措置』ということでご理解ください。

もしご不安でしたら、行政の方にご相談されてください。行政の方はあなたの味方です。きっと良い方法を一緒に考えてくれます。

5-2 行政に住民票の開示請求拒否と本人通知の相談をする

行政に住民票の開示請求拒否と本人通知制度を相談されてください。

開示請求拒否とは第三者が開示を請求しても、請求を却下することが出来る制度です。

本人通知制度はだれが請求をしたかを教えてくれます。

住民票の区市町村と、本籍地の区市町村が別になっている方は、それぞれの行政に相談されてください。

その理由は、戸籍に紐づかれている戸籍の附票(ふひょう)には、住民票の記載がされているからです。

住民票や戸籍は、弁護士、司法書士といった士業の方でしたら、正当性がある場合に限り、取得が可能です。

弁護士さんが、ストーカーからの依頼を受けて住民票の請求をするとは思えませんが、悪用されたことを想定してください。

行政によって対応が異なりますので、管轄の行政に相談してみてください。

5-3 郵便の転送届けは転送先を選ぶ

わたしの経験上、郵便局から転送先の情報が漏れることはまずありません。

ですが、GPSを送りつければ転送先がバレます。

転送先をどこにするか、はとても大事なことです。

実家にする、会社にするなど、一定の期間だけでもいいので、新しい転居先に転送するのは避けてください。

5-4 身に覚えのない宅急便は受け取らない

郵便局と違い、宅配業者は転送先(移転先)は知りません。

万が一、身に覚えのない宅急便がありましたら、発送元がどこかを確認するなどして受け取らないようにしてください。

その場合、発送元をメモなどに取る、写メで撮るなどして証拠として残してください。

6 ばったり出くわしてしまったら

ストーカーにばったり出くわしてしまったら、多くの選択肢はありません。身を守ることを優先するしかありません。

6-1 コンビニに駆け込んでください

まず身を守ることが最優先です。

トイレに立てこもることも、店員さんに助けを求めることも考えておいてください。

コンビニはどこにでもあります。そして、必ず防犯カメラがあります。コンビニの防犯に対する意識はもの凄く高いです。

もし可能であれば、日頃から家や、会社の近くのコンビニに立ち寄っておくことも考えてください。「よく見るお客さん」となっておくことも大事なことです。

6-2 警察は110番通報が基本

身の安全を確保できたら110番通報してください。

この場合、相談をしている警察の担当者の携帯電話ではありません。『110番が基本』と覚えておいてください。

6-3 話し合いには絶対に応じない

話し合いには絶対に応じないでください。ストーカーにまともな会話は通じません。

特に女性は力で負けます。相手から逃げることを優先してください。

7 まとめ

わたしは、ストーカーに効く薬はないと思っています。探偵に問い合わせしてくる、多くの一方的な恋心を頂いた人を見てきてそう思います。

探偵に大金を払ってまで相手を知ろうとしているくらい、その執着心は相当なものだと思います。

ストーカーは、自分の目的が達成できなければゴールになりません。

ストーカー被害で最悪な結果になるとき、予め、相手を傷つける道具を準備しています。つまり、そこがストーカーの目的の達成なんです。

もし、ストーカーで悩まれている方や周りにいる方は、遠慮なくご相談ください。

わたしで良ければ、お伝えできることもあるかも知れません。

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