『ついやってしまう体験のつくりかた』を読んでからポケモンをプレイしたら「ついやってしまうこと」だらけだった
元任天堂の企画開発者の方が書いた本『ついやってしまう体験のつくりかた』を読んでから、ポケモン盾をプレイしてみました。
すると、本に書かれていた「ついやってしまう体験のつくりかた」がポケモンにはもれなく実現されていると感じたので、本のまとめと共に書き留めておきます。
# 内容紹介
元任天堂の企画開発者によるビジネスに活かせる発想法を大公開!人の心を動かし「ついやってしまう」仕組みと手法について体系的にまとめたのが本書です。ついやってしまう・思わず夢中になる・誰かにすすめたくなる商品・サービスのしくみとは?
企画・開発・マーケティング・営業等、幅広く役立つ体験デザイン(UX)の入門書です。
※Amazonから抜粋しています。
# 人の心を動かす体験デザインとは
著者は心を動かす体験をつくる方法「体験デザイン」を以下の3つの方法にまとめています。
・直感のデザイン
・驚きのデザイン
・物語のデザイン
それぞれのデザインについての説明と、そのデザインがポケモンではどう活かされているかをまとめてみました。
# 直感のデザイン
直感のデザインとは、一連の体験を通してプレイヤーに情報を伝えること。
仮説:「〇〇するのかな?」と相手に仮説を立てさせる(アフォーダンス)
↓
試行:「〇〇してみよう」と思わせ、実際に行動で確かめさせる
↓
歓喜:「〇〇という自分の予想が当たった!」と喜ばせる
改めて考えると、特にゲームをプレイし始めの時は直感のデザインが続けて盛り込まれています。ポケモンの場合だと、「まずは自分の部屋から出ればいいのかな?」とか「ポケモンのバトルはこの技を使えばいいのかな?」とか。自分の立てた仮説が正解だったとき、成功体験になり、それが連続して体験できると「ゲームって楽しい!」という感情になるのは納得。
↓これはポケモン序盤で、次はライバルに会いにいけばいいのかな?と仮説を立てている私
# 驚きのデザイン
直感のデザインの連続の中で疲れや飽きが溜まったプレイヤーに対して用いることで、疲れや飽きを拭い去り、より長時間の体験をもたらすために使うのが驚きのデザインです。
誤解:「〇〇するのかな?」という誤った仮説を立てる
↓
試行:自発的に「〇〇してみよう…」と試しに行動を起こす
↓
歓喜:自発的に「〇〇はまちがいだった!」と驚く
ポケモン盾をプレイして「驚きのデザイン」を感じたのはワイルドエリアです。ゲーム序盤から強い野生ポケモンがうじゃうじゃ出てきて「え!もうこんな強いポケモンと出会えるの?よし、捕まえてみよう!」と誤解&試行しますが、序盤では出会えるだけであって捕まえられないのです。「今のレベルじゃ捕まえられないってことか、、レベルを上げてから再挑戦しよう!」という気持ちになりました。
↓これはつよつよキテルグマに出会い捕まえようと試みる私(全滅する)
# 物語のデザイン
物語のデザインとは体験を通してユーザ自身の物語を生み出させること!
物語の使命は物語の受け手を成長させ、プレイヤーが自分自身の成長に気づかなければ意味がない、とのこと。
翻弄:物語を理解しようとするプレイヤーを翻弄し、物語らせる
↓
成長:物語の主人公同様、プレイヤーを成長させる
↓
意思:プレイヤー自身の意思で運命を切り開かせる
私はまだポケモン全クリしてないのですが、調べたところによると殿堂入り(クリア)したあとは自宅から再スタートするみたいで、、、これ本に書いてあった「物語の終わりにプレイヤーをスタート地点に戻すというデザイン」てやつでは!これは「体験を通り抜ける前後の自分を比べさせる」手法で、「あぁ、この部屋からポケモンの冒険が始まったんだったなぁ、色々あったなぁ」と同じ環境で比較させ成長を認識させるためのデザインなのです。ちなみにポケモンは過去作もゲームクリア後は自宅から再スタートする仕様のようで(違う過去作もあるかもしれないけど)物語のデザインは昔のポケモンからずっと使われていたのかーという気づき。
↓これが自宅の部屋、かわいい
# 感想
任天堂のゲームがどのように考えられデザインされているかを知ってから改めてゲームをするとなるほどーという気付きが多く、いつもとは違った楽しみ方ができました!ゲームを作るってほんとすごい、、😲自分たちが作るプロダクトにもこのエッセンスをぜひ取り入れてみたい!
ちなみにこの記事に書いた体験デザインについての説明は一部だけので、もっと詳しく知りたい方はご一読をおすすめします!
あとポケモン剣盾はめちゃくちゃ面白いですよ!
# こんな人におすすめ
・体験デザインについて知りたい人
・任天堂のゲームをプレイしたことがある人
・「スーパーマリオブラザーズ」「ドラクエ」「ラストオブアス」「風ノ旅ビト」のどれかをプレイしたことがある人
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