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予定外の事態

娘達は4月からアメリカの学校に入る予定だったのに1ヶ月半遅れて5月の半ばに渡米することになり、着いてみたらアメリカの学年末にあと3週間しかなく、9月の新学期まで待てと言われ、学校に入るのが3ヵ月半遅れることになりました。

アメリカは州によってシステムが違うので一概には言えませんが、西海岸の小中高の学年末は6月の第2週までで、新学期は9月からでした。つまり、夏休みが3か月以上あったのです。渡米してアパートに落ち着くのに1週間ほどかかり夫が日本に帰ったのが5月の最終週でした。

私とFさんが入る予定の州立コミュニティカレッジ付属の語学学校(ESL)は夏休みの学期まで入れて4学期制(9月スタートの)でしたので6月の始めから8月の半ばまで夏の特別授業を受けることができました。授業は週5日、月曜から金曜まで、午前中に4科目reading, writing, grammar, speakingです。午後は自分たちでその地域の生活に慣れるために自由に行動して良いことになっていました。

Fさんと私の学校問題は解決したのですが問題は私たちが学校に行っている間、娘達をどうするかです。ワシントン州では12歳以下の子を大人のいない家で留守番させることは法律で禁じられています。長女は12歳になっていましたが次女はまだ10歳でした。語学学校に保育園もありましたが大きすぎて入ることができませんでした。それに学校に行けない9月までの間家にいては英語に触れる機会がないのでとてももったいない。

もちろん夏休みがあることはわかっていましたのでその間のサマーキャンプは申し込んでいましたが、それもせいぜい1週間。その間の娘達をどうするか悩みました。今のうちに言葉に慣れておけば9月からの学校に役立つことは確かです。あせりました。考えた挙句Y子さんに頼んでベビーシッターを探してもらいました。お金がないので1週間だけでしたがモデルを目指しているというきれいな優しい子が来てくれ、娘達もなついて楽しんでくれました。

結果、6月の最初の1週間はベビーシッター、2週目はサマーキャンプ、3週間目は中学校で実施されている外国人のための語学クラス(ESL)、その後は私が行くコミュニティカレッジの語学学校のカフェテリアに連れて行ってそこで私たちの授業の間待たせながら8月半ばの授業終了まで過ごしました。アメリカの働いているお母さん達も夏休みの子供の扱いにはとても苦労しているようでした。

当時夏休みが約3ヶ月もあったのは、昔のアメリカの収穫時期に子供を手伝わせようという伝統の名残りですが、この長い夏休みを批判してEnough to forget(習ったことを忘れるに十分と言われるくらい長い)と言われていました。日本の私たちの県では高校生は半ば強制的に夏休みに補習という名のもとに午前中授業があり、その上に夏休みという名のもとに夏休みの宿題もあって大変だったのとは対照的でした。(でもアメリカも時代と共に変わり、現在は休みがほとんどない状態だそうです。)

娘たちの夏休みの計画はできましたが、次は夏休みの間、子供たちの送り迎えをどうするか問題です。西海岸は特に国土が広大な上に防犯上の理由もあり、小中学校の子供たちだけを外出させることはまずありません。つまり親の責任として子供が友達の家に遊びに行くときも親または保護責任者が送り迎えしなければならないのです。そのためにどうしても車が必要になりました。
 
私は日本の自動車免許を国際免許に切り替えて持って行きましたが国際免許は1年が期限の為、長期滞在するためにはアメリカの免許が不可欠です。Fさんは日本の免許を持っていないのでこちらで自動車教習を受けて取ることにしました。Fさんは未成年で初めての免許なのでしばらく実地の教習を受ける必要がありました。それでも日本と比べると驚くほど短時間で安く取れます。
 
私は教習を受ける必要はありませんでしたが、ペーパーテストと実車試験は受ける必要がありました。まずはペーパーテストを受けることにし、Y子さんが20ページほどの教則本を持ってきてくれました。私達のコミュニティカレッジの授業が始めるまで約2週間。その間に免許を取ろうと思うと1週間後のペーパーテストをパスして実車試験を受けなくてはなりません。英語だけの教科書で、長年ぶりの試験勉強が始まりました。(注:アメリカのコミュニティカレッジのESLに入るのには試験は必要ありません。この話は後ほど)
 
(*写真は長女と美人ベビーシッターのお姉さんとその妹)
 


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