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【小説】【童話】の記事

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小説・童話の記事をまとめました。
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#留守番

【小説】にせ者が説く

 お寒い懐具合の秀雄は、齢三十五にして、おばあちゃんにお年玉を貰うことにした。  本来であれば、松の内の七日か十五日までだろう。また、二十日であれば、「はつ」という音韻に正月らしさがあるだろう。だが、その日は新年明けて二十一日である。  適切な年齢と時期を過ぎて尚、まだ間に合う、という理屈は秀雄にしか分からない。  まず、詐欺師のような言い回しで電話を掛けた。 「僕僕、僕だけど」 「秀雄ちゃんかい?」 「そうそう。今日のお昼頃、家にいる?」 「久しぶりだねえ。来るのかい?」

【小説】初めての留守番

 七月某日、雨宮は留守番を任された。新社屋の一階である。その都会的なオフィスはまだ稼働していない。引っ越しではなく、第二第三のオフィスとして、会社が二階建てのビルを買い上げた。内装のリフォームはまず一階、そして今は二階の工事中である。留守番を兼ねて常駐している社員が、その日は休みを取った為、初めて雨宮の出番になった。ワイシャツの袖をまくりあげて、おかしいと思いながらもサッカーのキーパーグローブを持参したのは、上司からのメールで“明日のGKは頼んだぞ”と言われたからだ。 「君は