【小説】炭酸よりも君が好き
久しぶりに晴れて、西の空が夕焼け色に輝き、東から刻々と迫る夕闇の、群青色との境界線が曖昧だった。そのグラデーションを背景に浮かぶ雲は、ピンクと紫が溶け合うように、色彩豊かに染まっていた。
高校一年生の風間は、バドミントンの部活を終えて、バス停に向かう途中だった。大通りから外れた道で、左手に赤い鳥居の小さな神社があり、風間の前方を背の高い女子学生が歩いていた。彼女は、自販機の前でふいに立ち止まり、白いブラウスの肩に下げた鞄の中をまさぐった。風間には、ショートカットの後ろ姿